アンリセット#9 熱がまぶしくて

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(前回のあらすじ)
「空き巣役の人、住まわせます」
ーー入力したこの言葉でAIが物語を展開。
防犯を“起きる前”に考える、リアルすぎるモデルルームが語られ、一莉は黙って聞き入る。
同時に発言できない自分に気づく。

(本編)
拍手が何度も起こる。笑いも続く。
“言葉を出した人”たちが、場を作っていた。
それがまぶしくて、一莉は下を向いた。
「参加してるだけで意味あるよ」なんて言葉、
今はあまり響かなかった。
本当は、自分の声がほしかっただけなのに。
何も考えてなかったわけじゃない。
浮かんだ瞬間、
“それくらい誰かも考えてる”と捨ててきた。
机に置いた手の平が汗ばんでいた。
でも誰にも見られてないのに、
手を隠すように引っ込めていた。
「じゃあ…」と秋山が立ち上がる。
その場がすっと静かになった。
一莉は、目を上げる準備がまだできていなかった。

「今日感じたエネルギーを、
あなたを卑屈にする原因に換えないでください」

秋山の言葉が、一莉の目の奥を静かに叩いた。
「すごい人の中にいると、自分が小さく思える」
秋山の言葉は、それを否定しなかった。
でも、それを“自分の否定”にはしないで、と。
「今はまだ何も出せない」
そう思う一莉の胸の奥で、言葉が少し揺れていた。
それでも、ここにいたことだけは、胸を張ってよかった。
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