アンリセット#6 空き家の未来を妄想

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(前回のあらすじ)
秋山はワークショップ【想像力、知らない地域に染みれ】を紹介し、空き家や地域の可能性を想像力で探り、自分の“やってみたい”を形にする場だと語った。

(本編)
「さて、今日は三つの班に分かれてもらいます」秋山がそう言うと、参加者たちは少し戸惑いながらも動き出す。
「一つ目は“使い方を妄想する班”」「二つ目は“近所の人になりきる班”」「三つ目は“ぶっ壊していいなら何する班”」一莉の班は“妄想する班”だった。

スケッチブックとペンを渡され、机の上には一軒の空き家の写真が置かれる。「写真にないものまで想像してOKです」「周りにどんな人がいる?」「天気は?」自由な問いが、参加者たちの筆を動かしていく。
「それじゃ、各班のコンセプトを聞かせてください」秋山の声に、一人がゆっくり前に出る。手にした紙を見つめて、口を開こうとしていた。

「天井の取り外し可能。はしごで天井から入れる場所」 

その子は続けた。「秘密基地みたいで、でも大人でも本気で使える場所です」一莉は、少し笑った。同じ班のその子が一人で出したような意見なのだ。「扉が見えても、結局入らないみたいな。
でもはしごから天井みたいなルートがあると言われたら、試したくなると思うんです」発表者の声に、静かにうなずく人がいた。
一莉はその言葉に、自分の今を重ねていた。“うまく入れない”ことに怯えるより、“どこかから入ってしまえ”と思えたのは、はじめてだった。


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