アンリセット#4 自分の足で探した場所

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(前回のあらすじ)
大学時代に「話すの、向いてるかもね」とくれた言葉の主と再会した一莉。名刺にあった「誰にでも同じテンポで受け止める人」という肩書きと、その変わらぬ温度に胸を打たれる。

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想と出会って数日経った後も、「地域 空き家 若者」の検索ワードから探し続けていた。そのワードに強い思い入れは、まだない。それでも一莉は、きっかけを探したくて手を動かした。出てきたのは小さなイベント。当日一莉は遅れて会場の端に滑り込んだ。地元の人たちと、どこからか来た若者が混じっていた。椅子に座ると、すぐに輪が動き始めた。空き家の活用、地域の課題。知らない話ばかり。一莉は話を聞きながら、何度も頷いた。話し合いが一段落した時、明るい声が響いた。「お疲れさま!」声の主は、中心で発言していた背の高い男性だった。「名刺、渡しとくね。気軽に連絡して」笑顔のまま差し出されたカードを、一莉は受け取る。その表面を見ようとして、ふと手が止まった。名刺の真ん中にあったのは、秋山 信一郎(あきやま しんいちろう)と言う名前ともうひとつの言葉。

「地域即元気付け人(びと)」

一莉は小さく息を呑んだ。また、肩書き……!「なんか、肩書きって…名刺の呪文ですか?」思わず口に出た言葉に、彼はふっと笑った。「効くといいよ、元気の魔法」返す言葉を探す間に、彼はもう別の人に話しかけていた。けれど一莉は、胸の中でくすぶるものを少しだけ、ちゃんと見ようと思った。


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