アンリセット#1「始まり」

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「就職決まった?」と訊かれた時、奏一莉(かなて いちり)は笑ってうなずいた。嘘だった。内定はない。就活も途中でやめた。目を合わせるのがつらかった。
親には「起業したい」と伝えた。反応は「自由にしなさい」。でもその自由の裏にあったのは、呆れとも諦めともつかない沈黙だった。
SNSでは元気な言葉を並べた。嘘に嘘を重ねるたび、自分が何も持っていないことだけが鮮明になっていった。
声にならない思いが積もったある夜、一莉は自分の中の“誰か”に向かって、ぼそりと呟いた。「……何か、言葉をください」
すると、部屋の奥から静かに声が降りた。戸惑いを感じたものの、精霊と捉えたそれは一莉の苦しさに寄り添うように、短く、でも確かに響い
た。。

「迷うなら、一つの事へ気持ちが分かるまで動く」

精霊からの言葉が心に落ちる。
強くはないが、背中を押す風のようだった。目を閉じると、胸のざわつきが少しだけ形を持った。
本当に、私なんかでも動いていいんだろうか。
まだ何もわからないし、失敗もする。でも…“気持ちが分かるまで”なら。そこなら、まだ立てる。
一莉はスマホを握り直す。調べかけて閉じたページを開き直し、検索バーにひとこと──「地域 空き家 若者」。
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