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第39回:理論株価計算 ~ DCF法、前提条件の整合性チェック

第39回:理論株価計算 ~ DCF法、前提条件の整合性チェックこの度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。 理論株価を計算する方法としてDCF法が活用されることが多いですが、DCF法においては前提条件が重要になり、また、ターミナルバリュー(Terminal Value、以下「TV」)はDCFの結果に大きな影響を及ぼすものであることから、TVの計算に使用されるパラメーターが適切であるか、ということを検証することは重要になります。今回は少し深掘りをして、こうした前提条件の整合性の検証を行う方法について、紹介したいと思います。【過去記事紹介】DCF法の概要や計算テンプレートの紹介TVが理論株価評価に及ぼす影響に関する紹介さて、まずは復習となりますが、TVの計算方法においては、①永続成長率法と②Exit Multiple法、という2つがあります(※尚、Taskaruが出品しているテンプレートは基本的には①のアプローチのみを採用しています)各々の計算式は次の通りとなります:①永続成長率法では、【計算式①】②Exit Multiple法(EV/EBITDA倍率ベース)では、 【計算式②】Terminal Value = Terminal Year の EBITDA x EV/EBITDA倍率検算のポイントとしては、(A)永続成長率法から計算されるTVを用いて、Exit Multiple(※②の計算で使用されるEV/EBITDA倍率)を逆算する、とともに、(B)Exit Mu
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第38回:投資をしよう、株式相場の今後を「マーケット・リスク・プレミアム」の観点から考察 ~ 定点観測

第38回:投資をしよう、株式相場の今後を「マーケット・リスク・プレミアム」の観点から考察 ~ 定点観測この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。さて、ブログ第11回(2021年10月末)において、当時は「マーケット・リスク・プレミアム」(以下、MRP)とバリュエーション指標の動向等について紹介しました。その際に、当時はMRPが低下しており、その低下がバリュエーション指標を押し上げている可能性について言及させて頂きました。そこから約半年が経過し、成長株を中心にバリュエーション指標の低下が広くみられています。では、この間、MRPはどのように推移していたのか、定点観測として紹介します。まず、結論から申し上げると、MRPは上昇トレンドにあります。ブログ第11回でも紹介しましたが、当時は金融緩和によるMRP低下がありましたが、今になって、その逆回転が生じているということが言えるかと考えています。前回は、『MRPが金融緩和「拡大」によって低下したということが正しければ、金融緩和の「縮小」はMRPの上昇、あるいは少なくとも過去トレンドへの回帰につながる可能性がある』という仮説を設定していましたが、今回の定点観測からは、そのトレンドに沿った形になっているようにも見えます。とすると、ブログ第11回のもう一つの仮説である『株価が今後も上昇していくには、企業の利益がしっかり回復していくことを確認することが肝要になると考えています。つまり、今後の株式相場は、「なんでも買われた”金融相場”
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第36回:企業価値評価の投資銀行実務 ~ 「NTM」予想値

第36回:企業価値評価の投資銀行実務 ~ 「NTM」予想値この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。 以前、類似企業比較分析(Comps分析)について紹介しました。その中で、決算期が異なる会社に対するカレンダライズという調整手法も紹介しました。【類似企業比較分析について紹介した過去記事】今回は、その更に応用編として「NTM」予想値について紹介したいと思います。まず、ファイナンス等の分野での企業業績に関して用いられている概念として、LTMとNTMというものがあります。LTMとは「Last Twelve Months」の頭文字で、過去12カ月(実質的には、過去4四半期)の業績実績となります。図で例示すると、以下の4四半期分の実績値を合計したものになります。これと類似して、NTMとは「Next Twelve Months」の頭文字をとったもので、今後12カ月(実質的には、将来4四半期)の予想値となります。図で示すと、以下の期間の予想値の合計になります。NTMを予想値として参照する便利な点としては、カレンダライズと共通する所ですが、決算期が異なる会社同士の比較にも使えるということです。よくある質問として、「NTMは、1年先/今期予想のFY+1と似ているのではないか」ということですが、FY+1を例えばデータベース等で取得すると、あくまでも「今期」の予想になるので、決算期が異なる会社同士の場合は、違った期の数字が出てきます。また、例えばマルチプルの過去トレンドを取得する際等に
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第35回:企業価値評価の投資銀行実務 ~ 発行済み株式総数に対するTreasury Stock Methodを使った調整

第35回:企業価値評価の投資銀行実務 ~ 発行済み株式総数に対するTreasury Stock Methodを使った調整この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。 さて、前回に引き続き、投資銀行の実務に関連したトピックを紹介して参ります。【前回の記事】今回は「Treasury Stock Method」についてです。企業価値評価において、最終的には「1株あたり」の株価を算出することが多いと思います。1株あたりの株価を算出するためには、DCF法等によって計算された株式価値総額を発行済み株式総数で割ることによって求められますが、ここで問題になるのが「では、発行済み株式総数はいくらなのか」という点になります。【DCF法については以下ご参考】さて、一般的に、企業価値評価において、「1株あたり」の指標を計算するためには、自己株式を除いた発行済み株式総数を用います。これは、企業の株主還元策として自社株を買い消却する動きが拡大しており、そうした実態に近い投資指標にするためだと言われています。しかしながら、投資銀行では、これに加えて、ストック・オプション等による希薄化も勘案した「完全希薄化後発行済み総数」(Fully diluted shares outstanding)という数値が使われます。ストック・オプションの行使によって発行済み株式数が「増える」ことになります。そのため、1株あたりの指標を計算する際の分母が変化することになります。この分を調整しようということです。尚、こう
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第34回:企業価値評価の投資銀行実務 ~ ベータ値

第34回:企業価値評価の投資銀行実務 ~ ベータ値この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。 さて、前回に引き続き、投資銀行の実務に関連したトピックを紹介して参ります。【前回の記事】今回は、企業価値評価における割引率を設定する際に使われる「ベータ(β)値」について、どのようなものがあるか説明したいと思います。⇒ ①ヒストリカル・ベータ、②バーラ・ベータ、③(Bloombergによる)修正ベータの3つを以下に取り上げて参ります。②については自分の手で計算するのが難しくデータベースによっては取得ができないものになりますが、良く使われるものになります。最初に少し復習になりますが、割引率(WACC)の計算において、パラメーターであるCost of Equity(株主資本コスト)を計算する際に「ベータ値」というものが利用されます。詳細についてはブログ第9回をご参考頂けますと幸いです。一般的には、ベータ値は「株式市場のインデックス(例えば日経平均株価)と個別企業の株価の相関関係を示す指標」であることから、インデックスの変動率と個別株価の変動率の相関係数を計算することで求められます。こうして計算されるベータ値のことは、過去の株価動向に基づくものであることを念頭に、「Historical Beta(ヒストリカル・ベータ)」と呼ばれます。投資銀行の実務においては、この「ヒストリカル・ベータ」ではなく、それ以外の方法によって計算されるベータ値が利用されることも多くあります。まず代表
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第33回:企業価値評価の投資銀行実務 ~ Mid Year Convention(期央主義)

第33回:企業価値評価の投資銀行実務 ~ Mid Year Convention(期央主義)この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。 さて、本日は、投資銀行の実務に関連して、企業価値評価における「Mid Year Convention(期央主義)」という概念を紹介したいと思います。これは、一般的にコーポレート・ファイナンス等を学んでいると、企業価値評価において将来キャッシュフローを割り引く手法(DCF分析)では、例えば2年目のキャッシュフローを「2(年)」で割り引きます。【ご参考:DCF法に関する解説ブログ】しかしながら、必ずしも「2」では割り引かず、少し調整をした形で「1.5(年)」で割引をすることも多いです。⇒ これを「Mid Year Convention」と呼びます。また、日本語では、「(DCF法における)期央主義」と呼んだりもします。期央主義については、投資銀行等のバリュエーションで多く使われていますが、詳細な解説が多くないと感じており、本日はこのことについて、解説して参りたいと思います。まず、結論から申し上げると、期央主義に基づいて、例えば5年間のフリー・キャッシュ・フロー(FCF)を割り引く場合は、以下のようになります。
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第32回:企業価値評価 ~ 成長率も色々と計測方法があります

第32回:企業価値評価 ~ 成長率も色々と計測方法がありますこの度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。 さて、以前いくつかのブログで(例えば以下の26回)成長株の企業価値評価について記事を作成して参りましたが、そもそも「成長株」の”成長”とは何なのか。一番シンプルな答えとしては、前年同期比と売上高や営業利益の成長率が高いということですが、コーポレート・ファイナンスの世界では、単年度の成長率だけではなく、複数年にわたる成長のトレンドも測ろうとする考え方がいくつかあります。まず、もっともメジャーなものとして、「CAGR(年平均成長率、Compound Average Growth Rate)」というものがあります。例えば、売上高が1000万円の企業が、5年間で売上高を1500万円まで伸ばしたとします。この状況において、5年で、500万円、つまり50%売上高が伸びたので、1年で10%ずつ伸びている(50%÷5)、というのは必ずしも正しくありません。この時に登場するのが、CAGRという概念になります。これはポイントとしては、複利計算の考え方を用いた成長率の計測の方法です。複利計算とは、元金により生じた利子を次期の元金に組み入れ、元金だけでなく利子にも次期の利子が付く、ある意味、雪だるま式に増えていくような計算になります。つまり、上記の事例を用いると、以下の計算式を満たす成長率[X]%を解く計算になります。1000 x (1+X)^5 = 1500⇔ X = (1500/1
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第31回:未上場/非上場企業の価値評価で割引率をどう考えるか

第31回:未上場/非上場企業の価値評価で割引率をどう考えるかこの度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。 さて、企業価値評価や理論株価算定のエクセルシートをサービス展開させて頂いていますが、上場企業を前提に作成しているものの、「未上場企業/非上場企業の企業価値評価に応用できないか」というお声も頂いており、大変有難く考えております。結論から申し上げると、本シートは未上場企業/非上場企業の企業価値評価にも「応用できます」。また、本ブログを通じて、コーポレート・ファイナンスの授業等で学ぶ「レバード・ベータ」や「アン・レバード・ベータ」がどのように使われているかも理解できるかと思います。【企業価値評価や株式分析・理論株価の計算でよく使われるDCF(Discount Cash Flow)分析を行えるエクセルシートを出品中です】順を追って説明して参ります。まず、上記のエクセルシートにおいては、外部データベース等を活用して上場企業の財務数値を取得していますが、そのステップを無視して、お手持ちの財務数値を直接シートに入力し、将来財務予想を行えば、DCF分析に基づく企業価値評価モデル自体は動作します。しかしながら、財務数値に加えて、ここで重要になるのが割引率の設定です。ブログ第8回で紹介申し上げた通り、DCF分析は、将来キャッシュフローを「割り引く」手法ですので、「いくらで割り引くか」という割引率が非常に重要になってきます。一般的には、割引率はWACCが使用されますが(同ブログご参照
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第29回:企業価値評価 ~ Sum-Of-The-Parts分析(ソニー等を事例に解説します)

第29回:企業価値評価 ~ Sum-Of-The-Parts分析(ソニー等を事例に解説します)この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。 #本資料で事例として取り上げる企業:ソニー、Zホールディングス(ヤフーとLINEの親会社)、リクルート、ソフトバンク本日は、企業価値評価の1つの手法として「Sum-Of-The-Parts(サム・オブ・ザ・パーツ)分析」を紹介致します。この手法はブログ第27回にて取り上げた類似企業比較分析法の応用編という部分もありますので、合わせて読んでいただけると理解も深まるかと思います。さて、「Sum-Of-The-Parts(サム・オブ・ザ・パーツ)分析」(以下、”SOTP分析”と呼びます)とは、一言で説明すると、「複合的な事業を持つ会社の企業価値評価を行う場合において、各々の事業(パーツ)に分けて評価した後に、その結果を合算する(サム)ことで、その企業の価値を評価しよう」という手法になります。少し違う観点から説明すると、複合的な事業を持つ会社(コングロマリット企業と呼ばれます)については、例えば、類似企業比較分析法の弱点である「類似の企業が見つからない」という点が生じてしまうため、各々の事業を一旦分けて、各事業について類似企業を調査して評価しよう、ということです(要するに、まとまりだと評価が複雑で難しいので、個別に分けることでシンプル化して評価しよう、ということです)。この手法がよく見られる例としては、ソニーグループが挙げられます。ソニ
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第28回:企業価値評価 ~ 類似企業比較分析(Comps分析)【補足:カレンダライズ】

第28回:企業価値評価 ~ 類似企業比較分析(Comps分析)【補足:カレンダライズ】この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。前回ブログに企業価値評価の手法として「類似企業比較分析(Comps分析)」を取り上げました。今回は、その分析における補足として、このComps分析を更に精緻にやるならば、という前提で、「カレンダライズ(Calendarize)」というプロセスを簡単に紹介したいと思います。大枠のイメージとしては非常にシンプルで、ポイントとしては、会計年度/決算期の違いを調整するというお話です。これは特に売上高や営業利益といった損益計算書項目について影響します。まずは概念を例を用いて説明します:さて、2021年12月末に決算期末を迎える会社Aと、2022年3月末に決算期末を迎える会社Bがあると仮定します。例として、いわゆる「FY+1」として”1期先”の利益を考える場合、Aについては2022年1月~12月末までの利益である一方、Bについては、2022年4月~2023年3月までの利益となります。つまり、Aを基準にして2022年12月末という観点で評価する場合、Bについては2023年1~3月分の「将来の利益」が余計にカウントされることになります。通常は利益は成長するはずだという前提に立ちますので、「将来の利益」が余計にカウントされるということは、即ち、そのまま計算してしまうと、Bについては、その株価マルチプルが下がる(マルチプルは株価÷収益で計算されるため、分母が
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第27回:企業価値評価 ~ 類似企業比較分析(Comps分析)

第27回:企業価値評価 ~ 類似企業比較分析この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。さて、本日は「類似企業比較分析」についてです。英語では、Comparable Companies Analysisと言われることから、Comps("コンプス")分析と呼ばれることが多いです。まず、本題に入る前に少し全体像を整理したいと思います。企業価値評価(バリュエーション)の手法について、大きく3つに分類すると、次のようなアプローチが挙げられます。① インカム・アプローチ:企業の将来の収益やキャッシュフローの予想を指標として企業価値を評価するもの。具体的にはDCF分析(Discounted Cash Flow、まさに文字通りキャッシュフローが登場する分析)が挙げられます。DCF法の詳細についてはブログ第8回に掲載しています。② マーケット・アプローチ:対象企業と同業他社の時価総額を比較したり、類似の買収事例などを参考に企業の価値を評価する手法。③ コスト・アプローチ:対象企業のバランスシートに着目し、純資産をベースに企業価値を評価するもの。例えば、簿価ベースの純資産を基にする簿価純資産法や、資産や負債について時価評価を行ったうえで純資産を計算する時価純資産法などが挙げられます。→ 今回紹介するComps分析は、②マーケット・アプローチに属する手法の一つになります。つまり、概念として、Comps分析においては、市場において実際に取引されている株価や指標等に着目した企業価値評価の手
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第26回:成長株の企業価値評価(Discounted Earnings法)

第26回:成長株の企業価値評価(Discounted Earnings法)この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。成長株の企業価値評価や理論株価算出においては、長期の成長を取り込むため、DCF(Discounted Cash Flow)分析が用いられることが多いですが、少々便宜的な方法として、Discounted Earningsという手法もあります。本日はこの手法について紹介したいと思います。【DCF法による理論株価計算に関する過去ブログ】さて、このDiscounted Earningsというバリュエーション手法は、高成長の会社に使われることが多いですが、その他にも、将来財務において、売上や利益が急に大きく増える局面があるケースにも使われます。例えば、直近では「商船三井によるダイビルの子会社化」において使われていることが見られます。ダイビルは商船三井の上場子会社で、「東京・大阪・札幌の都心部に計28棟のオフィスビル・ホテルビル・商業ビルを所有・賃貸」(同社ホームページより引用)している不動産企業ですので、あまり「成長株」というイメージはないかと思います。しかしながら、予測期間中に大幅な増減益を含むことから、この手法が取られたのではないかと考えています。具体的には、ダイビル株式会社『支配株主である株式会社商船三井による当社株式に対する公開買付けに関する賛同の意見表明及び応募推奨のお知らせ』に記載のある「将来株式価値の現価分析」と記載の部分が、Discounted
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第24回:3表連動財務モデルによるDCF分析(企業価値評価)

第24回:3表連動財務モデルによるDCF分析(企業価値評価)この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。 さて、今回は3表連動財務モデルによるDCF分析(企業価値評価、理論株価計算)についてです。いま出品しているサービスのなかで、DCFという手法を使用した理論株価計算ができるツールを公開しています。このツールは、”簡易版”という位置づけで、将来数値については損益計算書だけに注目して計算しています。投資銀行等の実務においては、このような簡易版で対応することもありますが、多くの場合において、将来数値について、損益計算書だけではなく、バランスシートやキャッシュフロー計算書の動きも合わせて確認した財務モデルを作成して、それをDCF分析の枠組みに取り込んで理論株価を計算する流れとなります。尚、こうした損益計算書・バランスシート・キャッシュフロー計算書を”3表”と言います。復習となりますが、DCF分析モデルは「バリュエーション・モデル」と呼び、”3表”が連動して動く財務モデルは「オペレーティング・モデル」と呼ばれます(以下、ブログ第1回ご参照)。この2つのモデルは本来は別々のものですが、今回は、それを「つなげる」作業を紹介したいと思います。つなげ方は比較的シンプルで直球ですが、以下、やっていきたいと思います。まず、用意する材料としては、以下で公開しているDCF分析モデルと、3表連動財務モデルです。また、本件で作成する完成形のモデルについても掲載しています。尚、以下では、3表連動
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第15回:「成長株」はなぜ金利上昇に弱いのか。ターミナル・バリューとの関係性。その2

第15回:「成長株」はなぜ金利上昇に弱いのか。ターミナル・バリューとの関係性。その2この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。 一般的に、いわゆる「成長株」は市場金利の上昇局面の際に株価が上がりにくいということが言われています。その要因として、DCFの考え方に基づくと、「成長株の価値は将来の期待キャッシュ・フローに大きく依存しており、金利が上がるとCAPM等の考え方から割引率が上がってしまうため、将来期待キャッシュ・フローから生み出される価値が低く計算されてしまう」ということが一般的には挙げられています。 この説明は広く受け入れられていて、実務でも感覚には合うので、疑問視する人は少ないと思いますが、本当にそうなのか、いくつか簡単な数字を使って検証していきたいと思います。前回と今回で、以下の2つのパートに分解して考えてみたいと思います。(1)そもそも、成長株の価値(バリュエーション)は、そうではない株と比べて、将来の期待キャッシュフロー(つまり、ターミナル・バリュー)にどれぐらい高く依存しているのか →前回(第14回)において(1)は説明していますが、要約すると:→成長株では広告宣伝費の投下や戦略的投資の遂行等により、足元のキャッシュフローは少ないケースが多いです。前回(第14回)より、スタート時点のキャッシュ・フローが少額である場合、成長率が高くなればなるほど、ターミナル・バリューが企業価値に占める割合も高くなることを示しました。そのため、成長株の価値(バリュエー
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第14回:「成長株」はなぜ金利上昇に弱いのか。ターミナル・バリューとの関係性。その1

第14回:「成長株」はなぜ金利上昇に弱いのか。ターミナル・バリューとの関係性。その1この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。 前回は理論株価を計算する方法としてDCF法において重要なパーツである「ターミナル・バリュー」についてお話ししました。今回は少し応用編を考えたいと思います。さて、一般的に、いわゆる「成長株」は市場金利の上昇局面の際に株価が上がりにくいということが言われています。その要因として、DCFの考え方に基づくと、「成長株の価値は将来の期待キャッシュ・フローに大きく依存しており、金利が上がるとCAPM等の考え方から割引率が上がってしまうため、将来期待キャッシュ・フローから生み出される価値が低く計算されてしまう」ということが一般的には挙げられています。この説明は広く受け入れられていて、実務でも感覚には合うので、疑問視する人は少ないと思いますが、本当にそうなのか、いくつか簡単な数字を使って検証していきたいと思います。今回と次回にわたって、以下の2つのパートに分解して進めて参りたいと思います。(1)そもそも、成長株の価値(バリュエーション)は、そうではない株と比べて、将来の期待キャッシュフロー(つまり、ターミナル・バリュー)にどれぐらい高く依存しているのか(2)金利変化によって、バリュエーションはどれぐらい変わるのか以下に続きます。【本ブログで取り上げている話題に関連する資料】 理論株価の計算(エクセルを使用したツール公開中!) 以下に続きます。さて、以下の
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第13回:理論株価計算、DCF法のターミナル・バリューは何年で現在価値に割り引くか

第13回:理論株価計算、DCF法のターミナル・バリューは何年で現在価値に割り引くかこの度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。理論株価を計算する方法としてDCF法が活用されることが多いですが(ブログ第8回ご参照)、その計算において重要なパーツとなるのが、ターミナル・バリューとなります。【本ブログで取り上げている資料】 内容が参考になりましたら、ご購入をご検討頂けますと幸いです!さて、簡単な例題事例で考えてみます。【例題事例】1 株あたりのフリー・キャッシュ・フロー(FCF)の予測値が 1 年後 20 円、2 年後 30 円、3 年後 35 円、4 年後 40 円、5 年後 35 円、6 年目以降 30 円で一定とする。1株当たりの企業価値(Enterprise Value、EV)はいくらか。尚、この会社の加重平均資本コスト(WACC)は 10%と推定される。この場合、この会社については6年目以降のキャッシュフローの価値の総和が「ターミナル・バリュー」となります。DCFの手法に基づけば、1年目~5年目は次のように現在価値に割り戻され、1~5年目のFCFの現在価値の総和を計算することが可能です。ここでは118円となります。また、ターミナル・バリュー(以下、TV)として、6年目以降のFCFの価値の総和も次の計算式に当てはめることで求めることができます(尚、6年目以降のFCFは「一定」なので、成長はしない、つまりg=0)。計算式としては、ここでは、TV = 30÷10% =
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第12回:投資をしよう ~ 理論株価の計算(エクセルを使用したツール公開中!)

第12回:投資をしよう ~ 理論株価の計算(エクセルを使用したツール公開中!)この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。 これまで第8回~11回までで、企業価値評価や理論株価計算の方法について、その仕組みや考えを説明して参りました。今回は、それらを踏まえて、応用編として、出品中のサービス「企業価値評価・理論株価の計算」エクセルシートの使用方法を紹介したいと思います。【企業価値評価や株式分析・理論株価の計算でよく使われるDCF(Discount Cash Flow)分析を行えるエクセルシートを出品中です】さて、DCF分析には3表(BS/PL/CF)が繋がったものもありますが、本ツールは、シンプルにDCF分析を行いたい場合向けのものとなります。オンラインで主要財務指標がフリーでダウンロードできる「バフェット・コード」のデータを利用して色々な企業の分析にも応用できます。まず、本ツールの主要な構成としては以下の通りとなっています①「財務データ」シート②「DCF分析モデル」シート使い方の作業フローとしては、■手順(1):バフェットコードから財務資料をダウンロード①「バフェットコード」にアクセスします。※Google等のアカウントでログインができます②トップページから分析したい企業等を入力して、該当企業のページを開きます③左サイドに「業績」タブがあるので、業績概要ページを開きます④概要ページの右側に「ダウンロード」とあるので、そこからエクセルデータをダウンロードします※バフェ
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第11回:投資をしよう、株式相場の今後を「マーケット・リスク・プレミアム」の観点から考察 ~「金融相場」から「業績相場」に移行していく可能性

第11回:投資をしよう、株式相場の今後を「マーケット・リスク・プレミアム」の観点から考察 ~「金融相場」から「業績相場」に移行していく可能性この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。前回第10回においては、株主資本コスト(Cost of Equity、以下「Ke」と表記)を計算する公式のパーツとして「マーケット・リスク・プレミアム」(以下、MRP)というものがあり、その計算方法について説明しました。ややアカデミックな内容が続きましたので、「計算して、どう役に立つの?」という観点を少し紹介したいと思います。→ もちろん一般的には個別企業の分析に用いられるものですが、実は株式市場全体の動きを考えることにも役立つと考えています。※数ある著名なエコノミスト等が市場の先行きに対して色々とコメントしているなかで、本件はあくまでもリソースの限られた一個人の分析ですし、専門家によって異なる見解があるものです。あくまでも「ご参考程度」で宜しくお願い致します。まず、日本証券取引所グループが公表している、①東証1部の時価総額(株価の代わり)、②PER(バリュエーション指標)、③当期利益(時価総額÷PERにて逆算)、及び、④マーケット・リスク・プレミアムの推移(以下"MRP"、第10回にて計算)、について、以下のように並べてみることができます。※青い矢印は大よそのトレンドを示すために私が記入しました。なぜこうした分解が重要になるかというと、 ポイント①:「株価」を考える際、株価 = バ
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第10回:企業価値評価 ~ 株主資本コストの「マーケット・リスク・プレミアム」を自分で計算してみよう!

第10回:企業価値評価 ~ 株主資本コストの「マーケット・リスク・プレミアム」を自分で計算してみよう!この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。前回第9回においては、株主資本コスト(Cost of Equity、以下「Ke」と表記)の計算について説明しました。その計算の中で、CAPM(キャップ・エム)という手法が用いられることと、公式の中のパーツとして「マーケット・リスク・プレミアム」というものがあり、日本市場においては一般的に4~6%程度と言われているということを紹介しました。復習ですが、マーケット・リスク・プレミアム(以下、MRPと表記)とは、市場全体(日経平均株価等の指標に連動する金融商品)に投資することによって得られたいリターンの数値となります。「市場全体」をカバーする話ですので、ぱっと聞くと、計算が複雑になるという印象を受けるかもしれません。また、実際にも色々な学術的な研究がなされている部分です。そのような中で、これを細かく計算することは多くなく、やや「ブラックボックス」的に、会社のルールとして一定の%を統一的に使うケースも多くみられます。また、水準感について上述の通り一定程度の共通認識があるため”なぜその%を採用したのか”ということを聞かれることもあまりないです。一方で、MRPは自分で推計することができ、私は自分で計算した以下のトレンドをもとに、MRP = 6%という仮定を使用しています。今回は、もっと深く理解したい!と思う方向けに、どのようにしてこの
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第9回:企業価値評価 ~ 株主資本コスト、CAPMを使用した計算

第9回:企業価値評価 ~ 株主資本コスト、CAPMを使用した計算この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。前回第8回においては、DCF法による企業価値分析と割引率(WACC)に関する紹介をしました。今回は、WACCにおけるパラメーターであるCost of Equity(株主資本コスト)の計算について、お話ししたいと思います。基本的には借入金金利を参照すればよいCost of Debtに比べて(以下、WACC計算式再掲)に比べて、Cost of Equityの計算については色々な考え方があります。今回は、Cost of Equityの計算方法としてよく使われているCAPM(Capital Asset Pricing Model、「キャップ・エム」と読みます)について説明したいと思います。【再掲:WACC計算式】さて、CAPMの公式は以下の通りとなります。【CAPM公式】それぞれの式のパーツの意味合いについて説明して参ります。① マーケット・リスク・プレミアムここで、右辺の ” E[Rm] - rf ”が示すものは、「マーケット・リスク・プレミアム(Market Risk Premium、以下MRP)と呼ばれます。つまり、リスクを取るからリターンが出る、という観点に基づけば、「リスクのある株式投資をするからには、リスクの無い銀行預金として置いておく以上に儲けたい」ということです。
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第8回:バリュエーション・モデル(DCF法)と企業価値評価、株価計算について

第8回:バリュエーション・モデル(DCF法)と企業価値評価、株価計算についてこの度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。 エクセルによる財務モデリングの方法(第1~6回)に続き、今回はバリュエーション・モデルの代表的なものとして、Discount Cash Flow(DCF)分析について、説明したいと思います。このDCF法は一言で申し上げると、企業が将来に亘って生み出すキャッシュフローを現在の価値に割り引くことによって理論的な株価を算出することができる手法となります。まず、一番重要なこととして、DCF法で割り引く「キャッシュ・フロー」について解説します。⇒ DCF法で割り引くキャッシュ・フローは、(一般的には)Unlevered Free Cash Flowです。DCF法を紹介する多くの書籍には単に「フリー・キャッシュ・フロー」とだけ記載されていることが多いですが、コーポレートファイナンスにおいては、2つに分けることができます: (A)アンレバード・フリー・キャッシュ・フロー(Unlevered Free Cash Flow、あるいは、Free Cash Flow to Firm。以下、UFCF) (B)レバード・フリー・キャッシュ・フロー(Levered Free Cashflow、あるいはEquity Cash Flow、Free Cash Flow to Equity。以下、ECF) DCF法においては、(A)が主に使われるため、ここでは(A)について少し追加
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