第29回:企業価値評価 ~ Sum-Of-The-Parts分析(ソニー等を事例に解説します)

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Taskaru
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第29回:企業価値評価 ~ Sum-Of-The-Parts分析(ソニー等を事例に解説します)

この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。

#本資料で事例として取り上げる企業:ソニー、Zホールディングス(ヤフーとLINEの親会社)、リクルート、ソフトバンク

本日は、企業価値評価の1つの手法として「Sum-Of-The-Parts(サム・オブ・ザ・パーツ)分析」を紹介致します。この手法はブログ第27回にて取り上げた類似企業比較分析法の応用編という部分もありますので、合わせて読んでいただけると理解も深まるかと思います。

さて、「Sum-Of-The-Parts(サム・オブ・ザ・パーツ)分析」(以下、”SOTP分析”と呼びます)とは、一言で説明すると、「複合的な事業を持つ会社の企業価値評価を行う場合において、各々の事業(パーツ)に分けて評価した後に、その結果を合算する(サム)ことで、その企業の価値を評価しよう」という手法になります。

少し違う観点から説明すると、複合的な事業を持つ会社(コングロマリット企業と呼ばれます)については、例えば、類似企業比較分析法の弱点である「類似の企業が見つからない」という点が生じてしまうため、各々の事業を一旦分けて、各事業について類似企業を調査して評価しよう、ということです(要するに、まとまりだと評価が複雑で難しいので、個別に分けることでシンプル化して評価しよう、ということです)。

この手法がよく見られる例としては、ソニーグループが挙げられます。ソニーは事業ポートフォリオは本当に多岐にわたっています。よく知られているのが恐らくはプレイステーション等のゲーム事業だと思いますが、その他にも、映画事業(スパイダーマン)があったり、音楽事業(ソニーミュージックエンタテイメント:実は傘下のアニプレックスが「鬼滅の刃」をやっていたり、乃木坂46もあったり)、そして、もちろん、テレビやカメラなどの事業もあったり、半導体事業としてスマホカメラ等のセンサー(イメージセンサーと呼ばれます。iPhoneのカメラにもソニー製のセンサーが搭載されているというお話も聞きます)を作っていたりもします。

そのため、「ソニーの類似企業とは?」と聞かれてしまうと、そのまま、まとまった状態では答えられないということになります。

そこで登場するのが、SOTP法になります。
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