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第36回:企業価値評価の投資銀行実務 ~ 「NTM」予想値

第36回:企業価値評価の投資銀行実務 ~ 「NTM」予想値この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。 以前、類似企業比較分析(Comps分析)について紹介しました。その中で、決算期が異なる会社に対するカレンダライズという調整手法も紹介しました。【類似企業比較分析について紹介した過去記事】今回は、その更に応用編として「NTM」予想値について紹介したいと思います。まず、ファイナンス等の分野での企業業績に関して用いられている概念として、LTMとNTMというものがあります。LTMとは「Last Twelve Months」の頭文字で、過去12カ月(実質的には、過去4四半期)の業績実績となります。図で例示すると、以下の4四半期分の実績値を合計したものになります。これと類似して、NTMとは「Next Twelve Months」の頭文字をとったもので、今後12カ月(実質的には、将来4四半期)の予想値となります。図で示すと、以下の期間の予想値の合計になります。NTMを予想値として参照する便利な点としては、カレンダライズと共通する所ですが、決算期が異なる会社同士の比較にも使えるということです。よくある質問として、「NTMは、1年先/今期予想のFY+1と似ているのではないか」ということですが、FY+1を例えばデータベース等で取得すると、あくまでも「今期」の予想になるので、決算期が異なる会社同士の場合は、違った期の数字が出てきます。また、例えばマルチプルの過去トレンドを取得する際等に
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第29回:企業価値評価 ~ Sum-Of-The-Parts分析(ソニー等を事例に解説します)

第29回:企業価値評価 ~ Sum-Of-The-Parts分析(ソニー等を事例に解説します)この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。 #本資料で事例として取り上げる企業:ソニー、Zホールディングス(ヤフーとLINEの親会社)、リクルート、ソフトバンク本日は、企業価値評価の1つの手法として「Sum-Of-The-Parts(サム・オブ・ザ・パーツ)分析」を紹介致します。この手法はブログ第27回にて取り上げた類似企業比較分析法の応用編という部分もありますので、合わせて読んでいただけると理解も深まるかと思います。さて、「Sum-Of-The-Parts(サム・オブ・ザ・パーツ)分析」(以下、”SOTP分析”と呼びます)とは、一言で説明すると、「複合的な事業を持つ会社の企業価値評価を行う場合において、各々の事業(パーツ)に分けて評価した後に、その結果を合算する(サム)ことで、その企業の価値を評価しよう」という手法になります。少し違う観点から説明すると、複合的な事業を持つ会社(コングロマリット企業と呼ばれます)については、例えば、類似企業比較分析法の弱点である「類似の企業が見つからない」という点が生じてしまうため、各々の事業を一旦分けて、各事業について類似企業を調査して評価しよう、ということです(要するに、まとまりだと評価が複雑で難しいので、個別に分けることでシンプル化して評価しよう、ということです)。この手法がよく見られる例としては、ソニーグループが挙げられます。ソニ
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第28回:企業価値評価 ~ 類似企業比較分析(Comps分析)【補足:カレンダライズ】

第28回:企業価値評価 ~ 類似企業比較分析(Comps分析)【補足:カレンダライズ】この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。前回ブログに企業価値評価の手法として「類似企業比較分析(Comps分析)」を取り上げました。今回は、その分析における補足として、このComps分析を更に精緻にやるならば、という前提で、「カレンダライズ(Calendarize)」というプロセスを簡単に紹介したいと思います。大枠のイメージとしては非常にシンプルで、ポイントとしては、会計年度/決算期の違いを調整するというお話です。これは特に売上高や営業利益といった損益計算書項目について影響します。まずは概念を例を用いて説明します:さて、2021年12月末に決算期末を迎える会社Aと、2022年3月末に決算期末を迎える会社Bがあると仮定します。例として、いわゆる「FY+1」として”1期先”の利益を考える場合、Aについては2022年1月~12月末までの利益である一方、Bについては、2022年4月~2023年3月までの利益となります。つまり、Aを基準にして2022年12月末という観点で評価する場合、Bについては2023年1~3月分の「将来の利益」が余計にカウントされることになります。通常は利益は成長するはずだという前提に立ちますので、「将来の利益」が余計にカウントされるということは、即ち、そのまま計算してしまうと、Bについては、その株価マルチプルが下がる(マルチプルは株価÷収益で計算されるため、分母が
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第27回:企業価値評価 ~ 類似企業比較分析(Comps分析)

第27回:企業価値評価 ~ 類似企業比較分析この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。さて、本日は「類似企業比較分析」についてです。英語では、Comparable Companies Analysisと言われることから、Comps("コンプス")分析と呼ばれることが多いです。まず、本題に入る前に少し全体像を整理したいと思います。企業価値評価(バリュエーション)の手法について、大きく3つに分類すると、次のようなアプローチが挙げられます。① インカム・アプローチ:企業の将来の収益やキャッシュフローの予想を指標として企業価値を評価するもの。具体的にはDCF分析(Discounted Cash Flow、まさに文字通りキャッシュフローが登場する分析)が挙げられます。DCF法の詳細についてはブログ第8回に掲載しています。② マーケット・アプローチ:対象企業と同業他社の時価総額を比較したり、類似の買収事例などを参考に企業の価値を評価する手法。③ コスト・アプローチ:対象企業のバランスシートに着目し、純資産をベースに企業価値を評価するもの。例えば、簿価ベースの純資産を基にする簿価純資産法や、資産や負債について時価評価を行ったうえで純資産を計算する時価純資産法などが挙げられます。→ 今回紹介するComps分析は、②マーケット・アプローチに属する手法の一つになります。つまり、概念として、Comps分析においては、市場において実際に取引されている株価や指標等に着目した企業価値評価の手
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