第11回:投資をしよう、株式相場の今後を「マーケット・リスク・プレミアム」の観点から考察 ~「金融相場」から「業績相場」に移行していく可能性

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Taskaru
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第11回:投資をしよう、株式相場の今後を「マーケット・リスク・プレミアム」の観点から考察 ~「金融相場」から「業績相場」に移行していく可能性

この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。

前回第10回においては、株主資本コスト(Cost of Equity、以下「Ke」と表記)を計算する公式のパーツとして「マーケット・リスク・プレミアム」(以下、MRP)というものがあり、その計算方法について説明しました。

ややアカデミックな内容が続きましたので、「計算して、どう役に立つの?」という観点を少し紹介したいと思います。
→ もちろん一般的には個別企業の分析に用いられるものですが、実は株式市場全体の動きを考えることにも役立つと考えています。

※数ある著名なエコノミスト等が市場の先行きに対して色々とコメントしているなかで、本件はあくまでもリソースの限られた一個人の分析ですし、専門家によって異なる見解があるものです。あくまでも「ご参考程度」で宜しくお願い致します。

まず、日本証券取引所グループが公表している、
①東証1部の時価総額(株価の代わり)、
②PER(バリュエーション指標)、
③当期利益(時価総額÷PERにて逆算)、及び、
④マーケット・リスク・プレミアムの推移(以下"MRP"、第10回にて計算)、
について、以下のように並べてみることができます。
※青い矢印は大よそのトレンドを示すために私が記入しました。

時価総額、バリュエーション、MRP.png

なぜこうした分解が重要になるかというと、

ポイント①:「株価」を考える際、株価 = バリュエーション指標(PER等)x 利益水準(当期利益等)という計算式が成り立ちます。

ポイント②:そして、MRPのトレンドは、バリュエーション指標に影響を与えることが知られており、MRPが上がると、バリュエーション指標が下がるという傾向があります。直感的な捉え方としては、MRPは投資家の期待利回り(リスク)のようなものですので、MRPが上がると「これぐらいは儲けたい」というハードルが上がるので、そのハードルが満たされない場合は、投資家が株に投資しない、即ち、投資家の期待値の裏返しであるバリュエーション指標も上がらなくなる、ということです。

また、ポイント①から言えることとして、利益水準が増えても、バリュエーション指標が上がらなければ、株価は上がりませんし、一方で、利益が増えなくても、バリュエーション指標が上がれば、株価が上がる可能性もある、ということです。

このことから、利益の予想は多くの証券アナリスト等によって行われていますが、実はバリュエーション指標の今後を考えることも重要であり、その今後を考えるためにMRPについても考察する必要があると私は考えています。

本稿においては、MRPの動きに影響を与える可能性があるものについても考えていきたいと思います。
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