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【超ショートショート】「タコ口の恋人」など6本

「タコ口の恋人」 恋人が、いつものようにタコ口でキスをせがんできた。 (今だ……!) すかさず、恋人のタコ口を切り取り、細かく刻んでタコ焼きの材料にする。 「なんでキスしないの?」 不満げな恋人。 私はその口に、できたてのタコ焼きを放り込んだ。 「……うま!」 恋人はご機嫌で海に帰った。「常識」橋本環奈がアーノルド・シュワルツェネッガーになるのは常識。 秋、東京都奥多摩町にある田園に植えられた橋本環奈たちは、春から夏にかけて筋骨隆々に育っていく。 秋になってサングラスの形をした花が開くと、食べ頃。 石臼で摺りつぶされ、薫り高い蕎麦粉になる。 通は塩でいただく。「家族のスタメン」玄関で家族のスタメン発表が始まった。監督が「父、斎藤!母、林!」とポジションごとのスタメンを発表し、家族に選ばれた者はリビングに移動する。 そして最後の一枠。 俺は自分の名前が呼ばれるのを祈る。 「飼い犬、関!」監督が言う。 俺じゃない。 はぁ。今年も二軍の家族で調整だ。「仕送り」故郷が恋しくなってグーグルアースに実家の住所を入力した。画面に映る地球が急速に近付いてきて、日本のとある地方が鮮明になっていく。 直後、少し地面が揺れた。 (地震か…?) テレビをつけると、ニュース速報が流れている。 俺は自分の目を疑った。 俺の実家に巨大な赤いピンが刺さっていた。「ほっこり」この前、落とし前としてよぉ、小指を詰めて兄貴に献上したんだよ。 それで昨日兄貴の部屋を掃除してたらよぉ、机の引き出しに俺の小指が入ってたんだよ。 折り紙で作った目とか口をつけて、小さい服まで着せてよぉ、兄貴ったら、マジの「指人形」作ってたん
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【ショートショート】「最高の音楽体験を」

「最高の音楽体験を」そんな謳い文句の商品を買った。 値段は7000億ドルくらい。私がちょっとした石油王じゃなかったら買おうとも思わなかっただろう。 支払い後、その場で商品を渡された。ウォークマンの類いかと思ったが、見た目はただの携帯だった。しかも電話しかできないタイプ。 「オーディオ機器でもないのに、「最高の音楽体験」?」 私は訝しげに店長を見た。すると店長は余裕たっぷりに、 「皆さんそうおっしゃいます。とにかく電話帳をお開きください」 と言った。 その通りにすると、電話帳には有名なミュージシャンの名前がズラリと並んでいた。途端に鼓動が速まる。 「も、もしかして彼らと通話できるのか……?嘘だろ……?」 興奮しながら尋ねると、店長はゆっくりと首を振って、 「皆さんそうおっしゃいます。とにかく、お好きなミュージシャンに電話をかけてみてください」 と言った。私は訳も分からぬまま、「ポール・マッカートニー」と書かれた番号を押した。ビートルズの曲には、私がまだ駆け出しの石油王だった時代に、随分勇気づけられたものだ。 プルル、プルル、プルルルルル…… しばらく発信音が鳴った後、誰かが電話に出た。 「あ、は、初めまして!私昔からあなたのファンでして……」 私は緊張から矢継ぎ早に喋った。しかし、私の挨拶には返答がなかった。 その代わり、演奏が始まった。 曲は「Hey Jude」。歌っているのは、間違いなくポール・マッカートニーその人だ。 しかも「Jude」の部分を私の名前に変えてくれている。 私は涙を流しながら理解した。 この携帯は、直接ミュージシャンに電話をかけ、リアルタイムで演奏してもらう
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【ショートショート】「スターの誠実さ」

街の一角に黒山の人集りができている。中央には、マイクロビキニを着た若い美女がいる。乳首と股間には電飾がついており、その桃色の光が汗で滲んだ全身に広がっている。 若い美女は腰をくねらせながら、喘ぎ声を上げている。それは暴走族の鳴らすバイクのエンジン音のようにけたたましいが、人々の歓声に掻き消されている。電飾の桃色の光は、若い美女を撮影する無数のカメラの焚くフラッシュによって薄まっている。 カメラは、どれも各々の持ち主の顔面から生えている。なぜなら、それが人々の目だからだ。耳は蓄音機で、口は小さなクチバシになっている。 「こっち向いて!」 「ポーズお願いします!」 人々が、親に餌をねだる雛のように鳴く。そして若い美女の一挙手一投足を、屈折したレンズや色つきのレンズで捉える。もちろん、わずかに聞こえる若い美女の嬌声を、ホーンアームや針のねじ曲がった蓄音機の耳で記録することも忘れない。 フラッシュが焚かれる度に、カメラと皮膚の隙間から、次々と写真が出る。人々はそれを拾って、3通りの使い方をしている。 ある人は、表面を拭いてから、折れ曲がらないように注意しつつ、額縁やアルバムに入れる。 ある人は、写真を両手で持って、体の大きさになるまで引き伸ばし、体の前に貼って若い美女を真似る。 ある人は、同じように写真を引き延ばした後、若い美女の顔を切り抜いて自分の顔をはめる。 そしてまた、歓声と撮影と録音を続けるのだ。 そんな人々を、若い美女は恍惚として眺めながら、しかし時折見える服装に苛立ちを募らせている。 エプロン、スーツ、作業着、学生服……目が留まる度、個々の人生が想像されてしまう。 若い美女
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【ショートショート】「夢精と切れ痔(後編)」

「何これ?」 煌々とした白い照明の中で、自分の精液と血の付いたパンツを広げられ、比嘉冷射士は肌を粟立てた。そして反射的に奪い取ろうとしたが、相手は闘牛士のようにパンツをはためかせながら躱した。 「君、溜まってんの?」 ルームシェアしている同居人が、鼻で笑いながら比嘉冷射士のベッドに腰かける。 比嘉冷射士は必死に激情を抑えながら、同居人がいきなり開けて入って来たドアを閉じ、相手に関する情報を整理した。 ――こいつは先週の木曜日に入居している。名前は加藤だったか、川藤だったか……とにかく、シングルマザーであることは確実だ。挨拶に来た際にそう言っていたし、傍らには4、5歳の子供がいた。 「そんな怖い顔してないで、お喋りしようよ。」 同居人が口を尖らせながらベッドの脇を叩く。比嘉冷射士は誘いに乗らず、相手を観察する。 ――化粧っ気のない顔。剃ってある眉毛のせいで、人相が悪い。根元が黒くなっている茶髪のポニーテールに、上下灰色のスウェット。そのポケットからアイコスを取り出し、断りもせずに人の部屋で吸っている。そして立ち上がってこっちに……。 比嘉冷射士は思索を中断し、接近する相手に身構えながら後ずさりした。同居人は不敵な笑みを浮かべたまま、比嘉冷射士を壁際に追い込み、壁に手をつけて鼻息が当たる距離まで顔を近付けた。 唇の前に垂れている前髪が発声に合わせて揺れる。 「そうゆう風に構えて生きるのって、しんどくない?」 不意に本音を代弁された気がして、比嘉冷射士は息が止まりそうになった。そして相手の胸を押しながら、 「プライバシーの侵害ですよ。」 と言うと、同居人はアイコスの水蒸気を吐きながら
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【超ショートショート】「甘露(利権)」など

「甘露(利権)」 探検隊(マスコミ)は、 鬱蒼と茂る植物たち(芸能事務所や芸能人)を掻き分けて 森(芸能界)の最深部に足を踏み入れた。 途端に、暗幕の内側に入ったかのように辺りが闇に包まれた。 それまで障害物を掻き分けるために 休みなく動かしていた両手が、空を切る。 ヘルメットのライトを点けても、 広がりながら薄くなる円状の光の中には何も現れない。 唯一、頭上に向けた時だけ、 青々とした葉が密集しているのが映る。 少しして、探検隊(マスコミ)は 自分たちが巨大で厚い林冠の下にいることに気が付いた。 林冠が日光を遮り(市場の一部を独占し)、 他の植物たち(芸能事務所や芸能人)が育つのを妨げているのだ。 そして、探検隊(マスコミ)はある仮説を立てた。 ――ひょっとして、 「森の最深部をたった1本の木(ジャニー喜多川)が独占している」 のではないか? 探検隊(マスコミ)は真相を知るために足を速めた。 しばらくすると、ライトの光が壁のような幹を照らした。 手前に、いくつもの果物(ジャニーズアイドル)が垂れ下がっている。 それらは皺ができるほど縮んだり(性加害を受ける)、 皮が張り裂けそうなほど膨らんだり(富と名誉を受け取る)を繰り返している。 ――この木(ジャニー喜多川)は、 果物(ジャニーズアイドル)に栄養を与えるだけではないのか? この仮説は、先に立てたものと同様に正しかった。 しかし、探検隊(マスコミ)がそれ以上踏み込むことはなかった。 その後、探検隊(マスコミ)が持ち帰ったものは情報ではなく、 果物(ジャニーズアイドル)から溢れ出た甘露(利権)だった。 踵を返した探検隊(マスコ
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【ショートショート】「夢精と切れ痔(前編)」

蒸気で曇ったガラスの向こうに、人影が見えた。(せっかく貸し切り状態だったのに)スーパー銭湯のサウナ室に、比嘉冷射士の舌打ちが響く。案の定、ドアは開かれ、腰に橙色のタオルを巻いた男が入って来る。一瞬、表の冷気と音が入る。 比嘉冷射士は(勝負を持ちかけられたら面倒だ)と顔を伏せた。濡れて束になった前髪の先端から、股間にかけたタオルに汗が落ちる。次第に、特有のぼんやりとした気分が戻って来る。 不意に、視界の端に足が現れる。慌てて前を向くと、男が正面に立っている。こちらを見下ろしながら、無精髭の間から歯を覗かせている。 「何ですか?」 努めて冷静に尋ねる。すると男は何も答えず、自身の腰に巻かれたタオルに手をかけると、それをはためかせながら解いた。目の前で、血管の浮いた黒っぽい陰茎が揺れる。 比嘉冷射士があっけに取られていると、男は一層歯を剥き出しながら屈み、自身の陰茎を比嘉冷射士の脹ら脛につけ、そこから太股の内側までを陰茎でなぞった。 比嘉冷射士は反射的に身を捩って逃れようとしたが、腰が抜けたのか立てない。その内に男の陰茎がタオルの中に侵入し、比嘉冷射士の陰茎を押し上げながら、ゆっくりと勃起した。男の陰茎は反り上がり、比嘉冷射士の陰茎とタオルを弾いて、男の臍の辺りに当たった。 あろうことか、支えを失った後も比嘉冷射士の陰茎は垂れ下がらない。タオルが僅かに膨らんでいる。比嘉冷射士は目を背けているが、陰茎がある程度の角度と固さを保っていることは、否応なく実感している。そして意識する程、陰茎は張り詰めていく。 男が比嘉冷射士の手首を掴んで引っ張る。腰が浮き、立ち上がる。同時にタオルが解け、互
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【ショートショート】「社畜のいつもより遅い出勤」

改札を出て、数歩歩いたとこで足が止まる。動こうとしても全身が硬直している。 「何してんだよ。」 背中に衝撃を受ける。体がつんのめり、勝手に足が出て数歩歩く。右肩の後ろが痛い。前を向くと、スーツの上にロングコートを羽織った人がいる。こちらを睨んでいる。少ししてから視線を外し、右に折れて歩いて行く。 その道筋を辿るように、沢山の人が横を通っていく。時折背後からぶつかる。 「邪魔邪魔。」 「っどくせぇな。」 押されるまま、同じ要領で前に進む。やがて体に痛みを覚える頻度が減り、完全に足が止まる。 革靴の足音が聞こえる。気にすると、その数が急速に際限なく増えていく。振り返ると、通勤中の人々が目の前で曲がっている。そのカーブは少しずつ膨らみ、迫ってきている。喉の奥が詰まり、胸の辺りが冷える。瞼が震え、視界で光が瞬く。 顔が反対側を向き、車道の方に行こうとする。その動きに胴体と足が引っ張られる。 ガードレールに右手をつく。駅を見ないように俯きながら、ガードレールの礎石に座る。両手で顔を覆い、指の隙間から息を少しずつ吐く。耳の奥で心音がはっきりと鳴っている。 しばらくして両手を離す。汗で濡れている。右の掌にはガードレールの跡が残っている。視界で瞬いていた光が弱まっている。礎石とアスファルトの隙間に雑草が生えている。 尿意がして、直後に太股の裏に温かい感触が広がっていく。小便が脹ら脛を伝い、痒くなる。足元に水溜まりができて、数本の線に分かれながらガードレールの方に流れる。脹ら脛を搔く。 背後で車の行き交う音が聞こえる。左側からは、声が聞こえる。見ると、少し先の方で拡声器を持った若い男性が、駅に向
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【ショートショート】「ハズレの同居人」

ゲージのガラスを指で小突くと、 中にいるカメレオンが目を覚ました。 寝そべっていた枝から、 右前足と左後ろ足、 左前足と右前足を交互に離し、 伸びをしている。 その様子が可愛らしくて、 思わず笑ってしまう。 あまりにも可愛いものを見ると笑ってしまうことを、 私は2年前に「カメちゃん」を飼い始めてから知った。 すっかり起きたカメちゃんは、 左右の目を別々の方向に動かしながら、 口をパクパクとさせている。 私はその様子を眺めながら、 ゲージの置いてある机の引き出しを開け、 2枚の色のある下敷きを取り出す。 赤、青、それらを合わせた紫。 1色ずつカメちゃんの前に掲げる。 緑色の体表は、それぞれの色に従って変わる。 なんて健気なんだろう。 また可笑しさが込み上げてくる。 私はその遊びを繰り返しながら、 (カメちゃんが巨大になって、 会社をぶっ潰してくれればいいのに。) なんて妄想に耽っていると、 不意に背後のドアがノックされた。 コンコンコン、コンコンコン、コンコンコン、コンコンコン…… 無視しているのに、3回も4回も。 きっとあいつだろう。 面倒だが、付き合いというものがあるから仕方ない。 溜息を吐き、ドアを開ける。 すると案の定、 そこには「ハズレ」の方の同居人がいた。 「何?」尋ねると、 そいつはモジモジとし、 長い前髪の隙間からニキビだらけの肌を覗かせながら、 「今忙しい?」とこちらの機嫌を伺う。 「用事によるかな。」 私がそう言うと、 ただでさえイライラしているのに、 躊躇いがちに何かの紙を渡してくる。 受け取って見ると、 習い事でやっているとかいう、 アコースティックギター
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【超ショートショート】「不忍池」など

「不忍池」 上野公園の不忍池を歩いていると、 濛々と茂る草木に囲われて弱まった街灯の光の下に、 一人の女性が立っている。 その脇を抜けながらチラリと見ると、 白いシャツにホットパンツ、 黒いハイヒールを履いている。 髪は金色で長くゴワゴワとしており、表情は分からない。 シャツのボタンは外されて、 中に何も着ていないのか、素肌が覗く。 思わず胸元に視線が移る。 「おい」 声をかけられて体がビクッと跳ねる。 罪を咎める口調だったから、だけではない。 その声は明らかに男のものだったのだ。 恐る恐る視線を上げると、 髭の生えた角張った顎が視界に入り、 次いで顔の全容が見える。 ポカンと開いた目と口。 それを見て、俺も全く同じ表情をする。 「……俊。」 男が俺の名前を呟く。 そこにいたのは、 間違いなく親父だった。 俺たちは数瞬の間目を合わせた後、 慌てて逸らし、各々の足元に落とした。 言葉はない。 俺は硬直した状態で、 必死に知っている親父の姿を浮かべた、 「出世をしなければ人間じゃない」を合い言葉に、 悪い成績を取った兄に手を上げていた、 あの恐ろしい親父の姿を。 俺は初めて自らトラウマを呼び起こし、 現実を塗り潰そうとした。 しかし女装している老人は、 親父の声で話しかけてきた。 「金貸してくれ。」 俺は堪えきれずに走り出した。 これ以上辛い現実を受け止められない。 公園を出て横断歩道を渡ると、 ガードレールに凭れて呼吸を整える。 喉から笛のような音が鳴り、 視界が汗で滲んでいる。 しかし俺は理解してしまった。 親父は男娼をしているのだ。 背後で葉が音を立てて落ちた。 「郵便ポスト
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【超ショートショート】「贖罪配信」など

「贖罪配信」 「贖罪配信」というものが流行っている。 これは人々が望む罰と、 法律の定める罰の乖離を埋めるためのものだ。 例えば、芸能人が不倫をしたとしよう。 人々は芸能人を責め立てるが、 配偶者に裁判を起こされない限り、 法には罰せられない。 つまり、法に許されても、 世間からは許してもらえない。 このギャップを解消するため、 芸能人は自ら贖罪配信を行い、 人々が望む罰を受けるのだ。 具体的な方法としては、 生配信中にコメントの多かった罰を採用し、 芸能人がその通りに自らを痛めつける。 芸能人かどうかを問わず、 炎上したあらゆる人々が贖罪配信を行っている。 現代では人気商売であろうとなかろうと、 世間から嫌われては食べていけない。 一般的な会社員であっても、 炎上すれば勤めている会社を特定され、 会社にクレームが殺到。 売り上げに影響するので、 最終的に自主退職を迫られる。 さらに、 辞めた後もネット上に悪評が残っているので、 再就職が危うくなる。 だから炎上すれば皆が贖罪配信を行う。 ちなみに、 今まで贖罪配信を行って無事だった者はいない。 「神がいなくなった時代」「もし神が死ななかったら、 こうゆうマウントの取り合いは起こらなかったのではないか?」 と、ニーチェは同窓会で言った。 すると先ほどまで唾を飛ばしながら収入の高さを自慢し合っていた元クラスメイトたちは、口を揃えてこう返した。 「当たり前だろ。 だからこうして、次の神の座を競い合っているんじゃないか。」 某大企業の社長が汎用型AIを開発し、 完全な管理社会を実現する数年前の出来事である。 「最期に行きたい場所」変わ
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【超ショートショート】「わがままと自殺」など

「わがままと自殺」 僕は辛い人生を歩んで来ました。 まず、父親が酷いやつでした。 母さんの妊娠が発覚した途端、 完全に姿を消しました。 母さんは必死に働き、 僕を育ててくれました。 だけど僕が中学生の頃、 母さんが彼氏を作ってから、 僕の生活はより辛くなりました。 いえ、暴力は受けていません。 母さんの彼氏はいい人だったんです。 ただ、だからこそ、 僕は片想いしてしまいました。 そうです。僕は同性愛者です。 僕は母さんの彼氏が好きになり、 だけど母さんの恋を邪魔したくなかったので、 高校は寮のある学校に進みました。 家庭の事情と、 生まれ持った性質によって、 仕方なく家を出たんです。 そしてこれが、 転落の始まりでした。 「女みたい」という理由から、 虐められるようになったんです。 先生にも相談できず、 退学して家に帰りたかったけど、 例の事情から帰れなくて、 僕はひたすら辛い3年間を過ごしました。 ようやく高校を卒業した後、 大学に行く選択肢はあったものの、 僕は働き始めました。 今まで誰かに与えられた環境は、 全て理不尽なものだったので、 自分自身の手で人生を切り開こうとしたんです。 だけど就職したのは、 家族経営の会社でした。 「よそ者」の社員には発言権がなく、 出世するには、 家族の一員になるしかない。 だから僕は嫌で堪らなかったけど、 その家族の娘と交際し、 婿入りしたんです。 そしてどうにか跡取りになる子供を作り、 会社の上役に登りつめました。 しかし、古くさい経営によって、 徐々に会社は傾き始めており、 僕は危機感のない連中の分まで、 昼夜を問わず働きました。 愛
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【超ショートショート】「飲食風俗店」など

「飲食風俗店」 デリヘルを呼んだら、 くたびれた様子の黒服が先に来て、 「お通しです。」 とAVを置いていった。 (居酒屋かよ。) そう思いながらも、 女の子を待つ間、暇なので観賞。 すると思いがけず内容が良く、 それで済ませてしまった。 基本的に一回戦が限度の俺。 結局、女の子とは楽しめず……。 (何がお通しだ。 妙なシステムを導入しやがって。) 憂さを晴らそうと、 後日ソープランドへ。 するとパリッとした黒服が、 「前菜です。」 とまたAVを出した。 嫌な予感。 いつ女の子が来るのか尋ねると、 スープとして出されるエロ漫画の後の、 魚料理として出される使用済みパンティの後の、 口直しのシャーベットとして出される官能小説の後に、 肉料理として出されるらしい。 ちなみにその後は、 デザートとしてエロアニメが、 最後に食後のコーヒーとしてグラビア雑誌が出されるんだと。 「面倒臭ぇよ!!」 俺は吐き捨てて、 (今度こそ……!) と、その足でピンサロへ。 到着するなり、 おばさんの黒服に、 「女の子はすぐ来るよな?」 と尋ねる。 頷くおばさん黒服。 (本当だろうな?) いぶかしみながらも個室で待つ。 すると少しして、 ちゃんと女の子は来た。 顔は可愛く、 スタイル抜群。 おまけにテクニシャンだった。 ストレスと共に、 全てを吐き出した俺は、 ぼんやりと天井を眺めた。 そんな時、 おばさん黒服の声。 「はい、じゃんじゃん。」 同時に別の女の子が入って来る。 廊下には、 何10人もの女の子が立っていた。 (しまった、わんこそばか。) 気付くのと同時に、 ドアが閉じられた。 「青ちゃん」「
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【詩】【ショートショート】「人間鳥コンテスト」

入道雲に向かって 両翼をピンと伸ばした人力飛行機が飛んでゆく 「まだ、いける」 操縦士の耳には もう随分離れているのに いや、むしろ遠くに行くほど 仲間たちと他の出場者たちの声が届いている 「まだ、いける」 視界が汗に食い荒らされても 喉から笛音のような音が鳴って血の味がしても それでも操縦士は 「まだ、いける」 そう繰り返し 限界を超えた足を騙し続けるのだ これで何度目だろう また機体が海面すれすれで持ち上がる そう 「まだ、いける」 人間達が鳥人間コンテストで盛り上がっている頃、とある小さな島では、鳥達による「人間鳥コンテスト」が行われていた。人間鳥コンテストは鳥人間コンテストとは真逆だ。 鳥人間コンテストは人力飛行機に乗った人間によるレースゲームだが、人間鳥コンテストは、人間を模した駒を使うボードゲームだ。 「ボードゲーム」といっても、ボードではなく地球儀を使う。駒の底には磁石が仕込まれており、逆さまになっても地球儀に張り付くことができる。 また、駒はシャチハタになっており、参加者達は駒を移動させることで自分の駒のマークを地球儀に記すことができる。 人間鳥コンテストでは、このマークが最終的に最も多かった者が優勝できるのだ。 ここからはルールの説明に入るが、これが酷い。「ルール」と呼ぶにしては余りにも煩雑だ。 ルール①:1人が使える駒は1つまで ルール②:駒は80歩したところで使えなくなる(80歩を超えた参加者は、速やかに駒を回収して大人しく結果を待つように) ルール③:集計をする際に有効とされるマークは、明らかにそれと認められるものでなければならない(上から他のマークに塗
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【超ショートショート】「盗撮の喜び」など

「盗撮の喜び」 電車に乗っていると 背後からシャッター音 (盗撮だ!) 私はすぐに気付いた 振り返ると そこにはキモいおっさん すぐに詰め寄り 写真を見せるように言うと キモおじは渋々 スマホの画面をこちらに向けた …… 嘘だろ 最高の映りじゃないか 下着とかは撮られておらず まるで街中のスナップ写真に モデルが映っているようだ 戸惑っていると キモおじは涙ながらに 「SNSにアップした」と自白した 慌ててそいつのアカウントを見ると 89ものいいね。あ、90、91…… い、いや違う だから何だと言うのだ 駄目なものは駄目 「撮りたいなら声かけないと」 説教すると キモおじは嗚咽しながら 「自然な表情が一番綺麗だから」 だって…… それからというもの 同じ時間の同じ電車の同じ車両に 私は乗るようにしている 「下手な歌」3人の下手な歌が終わりやっと俺にマイクが回ってきた  随分待った 永遠のように長かった 他の白けている皆に ようやく俺の美声を届けられる しかしその前に 互いを褒めているお前らに 言っておかなくてはいけない 「俺がボーカルだよな?」 俺はライブ中に急に我を出したギター、ベース、ドラムに言った 「パパの失敗」しまった 洗濯機と間違えた いやぁ、うっかりうっかり いつも嫁がやっているので 逆になってしまった 服を洗濯機に 子供を風呂に入れるんだったな 「喧嘩上等」やつの拳が 俺の頬にクリーンヒット! 野郎 いいパンチ持ってんじゃねぇか すぐに反撃してやるからな 俺には必殺のアッパーがあるんだ だけど、ちょっと待っとけよ お前も俺の頬から 拳を離すんじゃねぇぞ 今俺の頬か
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【ショートショート】「カメレオン大暴れ」

(そうだ!おふぃすびるに擬態しよう!) 巨大な人食いカメレオンは思った。 人間はなぜかおふぃすびるに入りたがる。 だからおふぃすびるのフリをすれば餌には困らない、という算段だ。 早速実行に移した巨大な人食いカメレオン。 胴体に窓を、口元に自動ドアの模様を浮かべる。 しかし期待とは裏腹に、人間は入って来ない。 (擬態が甘いのかなぁ……?) 首を捻っていると、周囲のおふぃすびるが目にとまった。 「……あっ!」 思わず声を上げるカメレオン。 よく見ると、辺りのおふぃすびるは、どれも自分と同じように擬態した生き物じゃないか! しかも観察すると、実に巧妙なやり口だ。 体に取り込んだ人間を、死なない程度に精力を吸ってから吐き出し、精力が戻った途端、また体に取り込んでいる。 こうしてずっと腹を空かせずに済むというわけだ。 (しかし、どうして人間はあいつらのところに通うんだ?) カメレオンは頬杖ついて目をギョロギョロさせながら考える。 すると、擬態した生き物たちの用意周到さが分かった。 なんとやつらは、じょうげかんけいとかじょうしきとかぎむとかで、人間が自分で来るように仕向けているのだ! 擬態した生き物の口に、いくつもの人間が足元に目線を落としながら入って行く。 カメレオンは無性に腹が立った。 胃の中がムカムカとして仕方がなかった。 そして算段もないのに、近くのおふぃすびるのフリをしているやつを殴りつけた。 (俺はやつらほどは頭が働かない。) (だけど、踏み越えちゃいけない一線だけは、分かる。) カメレオンは緑色の体を現しながら見栄を切るように周囲を睨み、叫んだ。 「俺の餌なんだぞ!」 そして
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【ショートショート】「結婚」

エレベーターのドアが開くと、俺は眼前の光景に息を呑んだ。言葉も出ないまま、一歩外に踏み出す。ウェディングドレスを着た彼女の美しさは、この世のものとは思えなかった。影が全くない。きっとあらゆる方向から当てられている照明の光のおかげなのだろう。しかし自ら発光して影を跳ね除けているかのように見える。手前にある梯子は膨大な光量によって支柱や段が細く見える。なんだか梯子が輝く空間にそっと凭れているかのようだ。しかし見上げると、梯子の頂点は確実に彼女の口元に行くようセッティングしてある。人間離れした美しさを持ってはいるが、彼女は間違いなく実体があるのだ。そして、間もなく永久に俺のものになる。(早くそこに行きたい)そう思うと、喉が渇くのと同時に睾丸の裏にあるしこりの存在を感じる。 挨拶くらいはしておこうと振り返ると、親族一同が怪訝そうにこちらを見ていた。特に中央にいる父親の眉間の皺は深い。 以前にも増して痩せ、座っている社長椅子に似合わなくなっている。もし俺が代わりに座れば、この光景は立派な家族写真になるに違いない。母親が左肩にそっと触れ、叔父が右肩をがっしりと掴む。そして膝元には、跡取りになる俺の子供が座るのだ。きっとおもちゃの機関車を積み木に衝突させたりして、撮影に集中しないのだろうけど。 それでも、俺は一礼してから梯子に向かって歩き始めた。 「必ず後悔することになる。」 背後から父親の声。言い返そうとしたが、既にエレベーターの扉は閉まっていた。きっと言い負かされていたので胸を撫で下ろす。エレベーターは増え続ける従業員たちの山によって押し上げられて、ゆっくりではあるが確実に遠くなってゆく
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短編小説詰め合わせ ショートショートまとめ11本 波音と朗読3

 おはようございます。こんにちは。こんばんは。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、波音の中に流れる朗読詰め合わせ11本です。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・今回は朗読詰め合わせですから文字の小説はございません。◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ ここまで本文を読んでいただき、ありがとうございます。いかがでしたか? 動画内容もしくは、小説がよければ、いいねを押してください。励みになり大変喜びます。
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短編小説詰め合わせ ショートショートまとめ8本 波音と朗読2

 おはようございます。こんにちは。こんばんは。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、波音の中に流れる朗読詰め合わせ8本です。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・今回は朗読詰め合わせですから文字の小説はございません。◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ ここまで本文を読んでいただき、ありがとうございます。いかがでしたか? 動画内容もしくは、小説がよければ、いいねを押してください。励みになり大変喜びます。
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【1分ショート朗読】失恋白雪姫 デタラメ昔話

ショート朗読始めました。おはようございます。ブログを閲覧していただきありがとうございます。語り手、作者本人、北条むつき+αです。当チャンネルは作者北条むつきのチャンネルなので、声優さんに混じり作者本人も登場させてください。期待はずれだったら、ごめんなさい。1分のショート朗読なので、サクッと聞けます。・朗読動画をご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。・ショート朗読はこちら⏬【十】失恋白雪姫作者 北条むつき朗読 北条むつき+α昔々のお話です。肌が雪のように白く、唇はバラ色、髪はツヤツヤの白雪姫が生まれました。お母様が死んで代わりに新しいお妃《きさき》が来ました。お妃は自惚れ屋で魔法の鏡に尋ねます。鏡よ鏡、世界で一番美しいのは誰? 一番美しいのは白雪姫。鏡が答えたことでお妃は、白雪姫を殺しに手先を送ります。気づいた家来は、白雪姫を城から逃がします。そこへ小人たちが現れ、一人の小人が白雪姫に言います。「白雪姫助けてあげる代わりにオラの嫁になって?」白雪姫はその言葉に愕然としながら答えます。「王子ちがうのかーい! って、なんで小人に告白されるんよー! 小人はチビだから嫌い!」すると小人は言い放ちました。「だったら毒リンゴ食え!」「お前仲間ちゃうんかーい! 食べるか!おばか! 王子はまだ?」了◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ここまで本文を読んでいただき、ありがとうございます。いかがでしたか? 動画内容もしくは、小説がよければ、いいねを押してください。励みになり大変喜びます。
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仮想空間で、恋人にみつかり恋人にちゃんと働きなさいと言われバーチャル対決するお話:DEAD OR ALIVE ep3+【朗読動画】

 おはようございます。こんにちは。こんばんは。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、仮想空間で、恋人にみつかり恋人にちゃんと働きなさいと言われバーチャル対決するお話です。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉DEAD OR ALVE 第3話 作者:seara0216 原案:北条むつき 朗読:荘司 哲也 それから星は「DEAD OR ALVE」で戦い続けた。 星は順調にレベルを上げ、ランキングの上位へと上り詰めていった。 元々ゲーマーな彼はランキングの上位に到達し、力を手に入れるのにそう時間は掛からなかった。 それに加えて彼はこのゲーム内でランキングの覇者達をライバル視していた。 中でもこの「DEAD OR ALVE」でやたらと強いと称されているマッポ。 星は彼と何度も対決をし、負け続けていた。 だが、星は努力を重ね続けてついに最強と呼ばれたマッポに勝利した。 マッポに勝った星はゲームマネー1億ダリーを手に入れ、最初の頃に比べて今では悠々自適生活を手に入れ、ゲーマーとしてランキングの上位に君臨していた。「俺が一位か。案外早かったな」 星はそう呟いた。**** VRでゲームをしていた星を見ながら、東川景子は不満そうな顔をしていた。「…
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バーチャルゲーム空間で頂点へ上り詰めるお話:DEAD OR ALIVE ep2+【朗読動画】

 おはようございます。こんにちは。こんばんは。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、バーチャルゲーム空間で頂点へ上り詰めるお話です。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉DEAD OR ALVE 第2話作者:seara0216原案:北条むつき朗読:荘司 哲也 桜庭星は周囲を見渡す。 そこにはファンタジー風な洋風の建物や、酒場の風景が広がり、そこを行き通う人達は鎧や武器を身につけていた。『DEAD OR ALIVE』 ここは仮想世界での格闘ゲームの世界。 この世界ではランキング制になっており、ランキングが上に上がるに連れて、強さと賞金のマネーが発生する仕組みだった。 ゲーム内で発生する賞金は現実世界でも通常の金銭として使用が可能になっており、ゲーム内で頂点を目指せば目指す分だけ強さと金銭が手に入る仕組みとなっていた。 星は三ヶ月前から付き合い始めた彼女と同棲をしていた。 だが、彼は日々の仕事に謀殺され続けて10年間務めた会社を自ら辞めてしまった。 現在は貯金を切り崩し、失業保険をもらいながら仕事を探している中。 そんな時、彼はネットでスチーム内のゲームに現実世界でも使用出来る懸賞金の存在を知った。 元々彼はゲーマーでスチームサイトで稼ぎたい
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小さい頃遊んだヒーローごっこでヒーローになれなかった青年のヒーロー物語:僕たちのヒーロー+【朗読動画】

 おはようございます。こんにちは。こんばんは。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、小さい頃遊んだヒーローごっこでヒーローになれなかった青年のヒーロー物語です。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉僕たちのヒーロー 朗読:北条むつき 朗読:陽田 旭 子供の頃憧れたヒーロー。小さい頃は悪をやっつけるヒーローが存在するなんて本気で思っていた。テレビ番組のヒーローの物まねをしては、ヒーロー役と悪役に別れて、良く友達とヒーローごっこをして楽しんだものだ。じゃんけんに負けた奴は悪役。 じゃんけんが弱いから、いつもちょきで負けては、当時は悪役ばかりをさせられていたな?だからヒーローは嫌いだ。ヒーローなんて空想が作り上げた産物。大人が子供を楽しませる為に作った幻想の人物。ヒーローは必ず勝ってしまって、悪が勝つなんて事も絶対ない。 だからヒーローごっこをやっていた頃も、友達に「なんでそんなに強いんだよ!悪は最後は負けるの!」良く言われたっけ? そんな毎日をやらなくなったのは、小学生も中高年になった頃だったか。本当にヒーローがいるなんて、もう思わなくなっていた。大きくなるにつれ、悪をやっつける奴なんていない。 だってそうだろう?いじめにあった子供が、ヒーローか
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駆け抜けた人生。その人生で大切な人からもらった手紙を開けるお話:手紙+【朗読動画】

 おはようございます。こんにちは。こんばんは。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、駆け抜けた人生。その人生で大切な人からもらった手紙を開けるお話です。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉手紙作者:二月三月(ふたつきみつき)朗読:徳留留沙10年前に、名前の無い手紙が届いた。開封せずに10年が経った今、開封しようと思う。この手紙は多分誰から届いたものか分かっていた。10年前私は出会い頭の交通事故に会った。毎日看病に来てくれていた恋人。私を優しく介抱する姿に、この人を失いたく無いと思った日々だったが、私のわがままで、結局彼女は私の元を去って行った。あれから10年。彼女は何をしているのだろうか?あれから10年。私はその10年間かかり、寝たきりの生活から脱出する事が出来た。日の光を浴び、外を歩ける様にもなった。だが、未だに仕事という仕事は出来ていない。どうやって食いつないでいるのかと言えば、それは、10年以上前にやっていた事業だ。いわば実業家だった。年収は有に5億はあっただろうか。でもそれは出会い頭の事故で何もかも失った。それは、我が社とのM&A契約の打ち合わせの帰り際だった。「社長!ちょっと強引な取り纏めではなかったですか?」「あぁ?そう
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あるカップルが深夜に訪れたレンタルショップで起きた奇妙なお話:とあるレンタルショップ+【朗読動画】

 おはようございます。こんにちは。こんばんは。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、あるカップルが深夜に訪れたレンタルショップで起きた奇妙なお話です。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉とあるレンタルショップ作者:北条むつき朗読:徳留璃沙 紳士淑女が集まる街の、雑踏としたビル街の一角に、レンタルショップがある。 大手チェーン店とは違い、灯は薄暗く、いかにも夜の店っぽい雰囲気を醸し出している店だ。屋上はガレージになっており、地上二階のほぼ平家。十台あまりの駐車スペースがある。 ある車が一台、屋上駐車スペースに止まった。若い男女二人が、屋上駐車場から、一階のレンタルスペースへと階段で降りてくる。 薄暗い店内を見た瞬間、女は男に言葉をかけた。「健ちゃん、ちょっと怪しくない? アダルトショップみたいに薄暗いっし、ウケる!」「おお! そうだな。変なもん置いてそう。アハハハッ」 店内入り口付近には、子供用のおもちゃ箱。ガチャガチャが数台並べてある。その上には、DVDなどのポスターが貼られ、自動ドアがある。自動ドアが開くと、男女はケタケタと笑いながら、店内へと入っていく。 店内も薄暗いが、意外に広く、DVDやコミックコーナーなどが設けられており、DVDな
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夜に彼からのLINEの後届いた贈り物に感激する誕生日を迎えた女性の小説:バースデイLINEが届く時+【朗読動画】

 おはようございます。こんにちは。こんばんは。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、夜に彼からのLINEの後届いた贈り物に感激する誕生日を迎えた女性のお話です。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉バースデイLINEが届く時作者:北条むつき朗読:徳留璃沙 11月18日。帰宅中に付き合っている彼、秋介《しゅうすけ》からLINEが入った。『百合愛《ゆりあ》、お誕生日おめでとう。今日はごめんな。折角の誕生日なのに、俺が出張で。今度、御馳走するから、とりあえず、おめでとうだけ言わせてくれ』 ありがとう秋介。その気持ちだけで十分。 自宅のアパートに着く。郵便受けに、何やらチラシ広告と請求書の封筒が入っていた。まあ、誕生日と言っても、友達が多いわけではない私は、こんなものかと、意気消沈しながらも部屋に入る。 上着をハンガーに掛け、化粧も落とさず、電気をつけずに、1人のバースデイ感覚を味わおうと、帰り際にハンズに寄って買ってきたキャンドルに火を灯した。 ひとり寂しく、今日は夕食は外食で済ませ、ケーキだけ買って、キャンドルライトの中、一人寂しく23歳のバースデイを祝おうと思い、テーブルに置いたショートケーキの箱を開けようと思った時だった。 インターホンのチャ
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目覚める朝は彼の腕の中、ちょっと甘えたな訳あり少女の小説:目覚め+【朗読動画】

 おはようございます。こんにちは。こんばんは。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、目覚める朝は彼の腕の中、ちょっと甘えたな訳あり少女のお話です。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉目覚め 作 者:北条むつき 語り手:鳴瀬 舞 ぎゅ…。 もう一回。 ぎゅ…。 ねえ、もうい……。 雄哉《ゆうや》は何度も朝の目覚めに私をぎゅっとする。 襟足が長い髪に朝だから余計にウェイブがかかってボサボサな彼。 おまけに私の左耳に雄哉の顎髭があたりぞわぞわした。「ヤッもう。ヒゲそんなよ…」「アハハハッ!優希《ゆき》はそうやって喜んでんだろ?」「バカッ!」 雄哉はちょっと変態ちっくに言い、Yシャツに袖を通す。 今日は私が朝食の当番だったのに、ぎゅっとされたいためにちょっと遅れて起きる。 マンションに転がり込んで、もう数週間。朝起きるときはいつも雄哉に抱きしめられて起きる私。こんな心地よい朝が以前はくるとは思っていなかった。 父親との葛藤の末、学生の私は家を飛び出した。 行くあてのない子犬だった私を拾ってくれたのは雄哉だ。「もう行かないと」「ああ、もう一回…」「甘えん坊だな?優希。それに学校にも通えよ?いくら俺のマンションが居心地いいって行ってもずっとじゃな?」「
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関西人のおっさんが頭の中に出現したら異世界転生して世界を救う小説:続・僕の中に関西人のおっさんが住んでいる+【朗読動画】

 おはようございます。こんにちは。こんばんは。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、関西人のおっさんが頭の中で出現したら異世界転生して世界を救うお話です。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉続・僕の中に関西人のおっさんが住んでいる帰ってきた関西人のおっさん。俺と千景の神隠し作者:北条むつき朗読:水無月とあ。第1話:帰ってきたおっさん 関西人のおっさんが消えてから五年が経ったある朝のこと……。「アガ……ッ……アガアガアガアガ……ッ」 突然、顎が外れそうな勢い……。否、外れそうではない……。外れたのだ。この経験は、以前にもあると思い、顎が外れた痛さを堪えながら、俺は思った。 おっさんが再び来るのか?「アガ……ッ!」 自分の掌底を以前と同じように顎に一発。そして二発。すぐさま経験があったため対応をする。おっさんの声が頭の中でするのかと思った俺だったが、定位置に顎を戻してもおっさんは現れなかった。 朝七時に、顎が外れて起きたことは五年ぶりだ。あれから五年。俺は自分のことを僕から俺へと呼び名を変更した。というのも、色々人生経験も積んだからだ。俺の名前は山本孝之。とある俳優と名前は似ているが、あんなに濃い顔でも、イケメンでもない。どこにでもいる普通
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ちょっとドジでおっちょこちょいな女性のお化けだとおもったら……なお話:ゴーストにもう怯えない+【朗読動画】

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タイムシフトして恋人を救う小説:パラレルシフトドクター周平+【朗読動画】

 おはようございます。こんにちは。こんばんは。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、タイムシフトして恋人を救うお話です。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉パラレルシフト・ドクター周平 作者:北条むつき 朗読:水無月とあ。 白い二段式冷蔵庫の前で、一人座り込み、切っ先尖った刃物を握りしめ、両腕を震わせる。 首筋あたりに這わせ自問自答を繰り返す。 青年の名前はみさきしゅうへい。 短い人生だと、楽しい事などあったのかと、ジメッとした井戸の住人みたいに閉鎖的な人生だったことを悔やむ。幼少期から変わった子供だったと振り返っていた。 と言うのも、幼少期、人の後ろに何かぼんやりとした色が見えていたこと。 それを親に言うと「そんなもの見えるわけないじゃない。嘘ついちゃダメ」と言われたことと。 はたまた初めて見るテレビのアニメやドラマなどを、これ知っていると言う子供だったこと。「そんな事なんてあり得るわけないよ。また嘘はダメだよ。嘘つきは泥棒の始まり。あんたはもう喋っちゃダメ」と母親には罵られていたこと。 ブランコで遊ぶ友達に、危ないよ。怪我すると言った園児の頃のこと。 そのあとすぐに、友達はブランコから落ち怪我をする。それが幾度も重なると、次第に気持ち悪
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【掌編】いつか来るその日が、せめて遠くでありますように

 キッチンで洗い物をしている妻と、その足許にまとわりついている娘。 とても愛らしい絵だし、見ていて和むことは否定できないが、どうしてそこにお父さんも混ぜてくれないのか。  自分から近寄ればいいとわかっていながらも、なけなしのプライドがそれを許さない。  キッチンの入り口まではなんとか来ることができたが、この先はどうしたものか。  むぅ、と拗ねたままふたりを見ていると、俺の視線があまりにも羨望交じりだったのだろうか、妻が俺を見て溜息を吐いた。 「お父さんが寂しがってるみたいだから、構ってあげなさい」  妻の言葉に、我が家の天使様が、こてん、と首を傾げる。 「お父さん?」  妻の足にしがみついたままこちらを不思議そうに見る娘は、もう疑う隙もないくらいに天使だ。  パチパチと瞬きを何度か繰り返してから、その幼げな顔が輝かんばかりの笑顔で彩られる。 「お父さんっ!」  パタパタと覚束ない、それでも随分しっかりしてきた足取りで駆け寄ってくる天使の背中に純白の羽があるのは、きっと見間違いではないはずだ。 あまりの可愛さに崩れ落ちて床に膝をついてしまったが、この状況でそれは大正解だったらしい。 「お父さん、つかまえたっ!」  そう言いながら抱き着いてきた愛娘のキラキラした笑顔に、胸の奥がキュンとする。  呆れた顔の妻は、一旦無視しておこう。  今の幸せを噛み締めるのが、現時点で一番重要なことである。 「ぎゅー!」  わざわざ擬音を発しながら抱き着いてくる愛娘を、しっかりと抱き返した。  どうしよう。  天使以外の言葉が、見つからない。 「なぁ、妻よ」  呼びかけたのに、返事がない。  どうし
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幸せを呼ぶお祭り屋台の小説:お祭り屋台のピンキーリング+【朗読動画】

 おはようございます。こんにちは。こんばんは。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、幸せを呼ぶお祭り屋台のお話です。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉屋台のピンキーリング 作者:佐伯歌夜 朗読:悠奈ゆかり 私は、今まで彼氏ができたことがない。 まわりのクラスメイト達は、彼氏ができた、彼女ができたとよく恋バナをしているが、私にとっては無縁の話題だ。 いつも私は聞き手に回って、友達の恋バナに対し、まるで赤べこのようにウンウンと相槌を打つだけ。 そんな、モテない歴イコール年齢の私は、せっかくの夏祭りだというのに、なぜか父親とお祭り会場を歩いていた。「ねぇ、なんでお父さんがついてくるわけ?お父さんと一緒に夏祭りに来る女子高生なんて、誰かにバレたら恥ずかしすぎるんだけど」「友達が、夏風邪ひいて来れなくなっちゃったんだろ? 1人で回るよりはいいじゃないか」「1人よりは寂しくないけど……」「それなら文句を言わない! お父さんと来るのが嫌なら、彼氏でも作りなさい」「それができるなら苦労しないよ」 どうせ男の人と歩くなら、彼氏が良かった。 どうして父親……。しかも普通のオジサンと、夏祭りを楽しまなければならないのか。 私は深いため息をついた。 綿あめを
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大人なシュールさを見せる子供たちのおままごとの小説:それ何の影響だよ!+【朗読動画】

 おはようございます。こんにちは。こんばんは。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、大人なシュールさを見せる子供たちのおままごとのお話です。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉それ、なんの影響だよ作者:北条むつき朗読:木下アルヴィン とある休日。昼下がりの公園。子供たちの声が賑わいを見せ、ブランコや鉄棒。砂場で戯《わたむ》れて遊んでいる、微笑ましい光景が広がっていた。 単身、子供の美鈴《みすず》と一緒に公園に来ていた。美鈴はひとり鉄棒で遊んでいる。砂場へ目を向けると、幼稚園児だろうか、小さな男の子と女の子、それぞれ四名が、お飯事《ままごと》のように戯れあう。さながらテレビドラマのワンシーンのように家で寛《くつろ》ぐ、夫婦役と、別役に別れて演技をしているようだった。「おかえりなさい、あなた」「ああ、ただいま」「ご飯にしますか? それともお風呂?」「ご飯にしようかな。桜は、もう寝てるの?」「はい。さっき、迅《しゅん》くんが、来てたけど、もうぐっすりです。寝顔見ますか?」「そうだね。ちょっと桜、見てるくる」「ガチャ、どれどれ桜は寝てるかな?」「やばい、お父さんが来た。迅くん、隠れて」「うん。どうしよう。でもどこに?」「一緒にベッドに入ってたらわか
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夫婦喧嘩した時に使える新しいアプリのお話:夫バンク+【朗読動画】

 おはようございます。こんにちは。こんばんは。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、喧嘩した時、相手がうざい時に使える新しいアプリのお話です。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉夫バンク作者:北条むつき朗読:悠奈ゆかり 女同士の息抜きに学生時代の友人、紗栄子《さえこ》の家にお邪魔していた。最近の紗栄子はよく笑っている。以前は夫の愚痴ばかり聞かせれ、距離をおいた時期もあった。でも何かが吹っ切れたのか、紗栄子は最近妙に楽しげだ。 そういう紗栄子が私は羨ましい。逆に私はここ最近、夫の愚痴を紗栄子に聞いてもらっている。昨夜連絡をとり、今日も日中に紗栄子宅にお邪魔していた。「ねえ、紗栄子? 最近機嫌いいね? どうしたの?」「そう? エヘヘッ……」 にこやかに笑う紗栄子。私は二人だけだと思い、突っ込んだ事を言う。「まっまさか、男できて、浮気とかしてんじゃあ?」「違うわよ!」 そこはハッキリと断る紗栄子だった。しかし次に聞き慣れない言葉を口にした。「夫バンク使ってるの!」「えっ……」 私は、その言葉に首を傾げた。それを見越してか、微笑みながら紗栄子は夫バンクを進めてくる。「あなたも、グチグチとずっと抱え込んでるんだったら、いっそお願いしたらいいわよ」 笑
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【1分ショート朗読】失恋赤ずきん デタラメ昔話

ショート朗読始めました。おはようございます。ブログを閲覧していただきありがとうございます。語り手、作者本人、北条むつき+αです。当チャンネルは作者北条むつきのチャンネルなので、声優さんに混じり作者本人も登場させてください。期待はずれだったら、ごめんなさい。1分のショート朗読なので、サクッと聞けます。・朗読動画をご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。・ショート朗読はこちら⏬【九】失恋赤ずきん作者:北条むつき朗読:北条むつき+α あるところに赤ずきんと呼ばれる女の子がいました。 おばあちゃん家《ち》にホットケーキを持って出かけました。 森の中を歩いていると狼が出てきました。「お嬢さんどうしたの?」「おばあちゃん家にお見舞いに行くの」 狼は先におばあちゃん家に行ってベッドで待機しました。 赤ずきんが到着します。 でもいつもと違う様子で尋ねました。「おばあちゃんは何でお耳が大きくなったの?」「それはね? 赤ずきんちゃんの声をよく聞くためよ?」「なんで、お口が大きくなったの?」「それはね、お前を食べるためさ!」と言って大きな口を開けた時、どこから臭い匂いがしました。狼は聞き返します。「お前、そのずきんいつ洗った?」「ん? 三年前かな?」「うえっ! お前嫌い! 食えるか!」狼はあまりの臭さに、赤ずきんをフリ、食べずに消えたとさ。「ラッキー!」了◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ここまで本文を読んでいただき、ありがとうございます。いかがでしたか? 動画内容もしくは、小説がよければ、いいねを押してください。励みにな
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【1分ショート朗読】失恋金の斧、銀の斧 デタラメ昔話

ショート朗読始めました。おはようございます。ブログを閲覧していただきありがとうございます。語り手、作者本人、北条むつき+αです。当チャンネルは作者北条むつきのチャンネルなので、声優さんに混じり作者本人も登場させてください。期待はずれだったら、ごめんなさい。1分のショート朗読なので、サクッと聞けます。・朗読動画をご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。・ショート朗読はこちら⏬【八】失恋金の斧銀の斧作者:北条むつき朗読:北条むつき+αむかーしのお話。あるところに木こりがいました。今日も鉄の斧で木を切ります。コーン。コーン。ところが手が滑って、斧が泉に落ちました。木こりはしょんぼり。すると泉の中から美しい女神様が現れました。「あなたが落としたのは金の斧ですか? それとも銀の斧ですか?」女神様は尋ねました。「いいえ違います。鉄の斧です」木こりは真面目に答えました。「あなたは正直者ですね。斧と私を嫁に差し上げましょう!」「いや、要らね! 斧だけけーしてくれ!」「女神に興味はないの?」「ああ、オラ女に興味はねえ」「女神でも?」「しつけーなあ! とっとと、オラの斧けーせ!」「キー! こんな男は初めて嫌い!」女神はフラれ、斧と一緒に泉に消えました。「コラー! 斧返せ!」了◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ここまで本文を読んでいただき、ありがとうございます。いかがでしたか? 動画内容もしくは、小説がよければ、いいねを押してください。励みになり大変喜びます。◉youtubeを運営しております。
その他動画も多数ご用意して
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【掌編】私じゃあなたを癒せない

 心配で心配でたまらないの。  わかる?  あなたが泣いているからよ。  生まれた時からずっとずっと、傍で見守ってきたのよ。  そんなあなたが泣いているのに、心配でないわけがありますか。  あなたはクッションを抱きしめて鼻を鳴らすばかり。  どうして泣いているのかっていう理由すらも、私にはわからないの。  あぁ、もう。  あなたのお気に入りのクッションじゃないの。  安心するのはわかるけれど、鼻水なんてつけてみなさい。  あとで後悔するのは、あなたなのよ?  ほら、あなたが泣いている理由を教えてごらんなさい。  学校でなにかあったの?  お友達と喧嘩したのかしら?  まさか、いじめられたなんてことないでしょうね?  もしそうなら、私が噛みついて、引っ掻いてやるわ。  そう伝えてあげたいのに、私の口から出るのは、にゃあにゃあ、なんて甘えた声だけ。  あぁ、口惜しい。  こんなにもあなたのことを心配しているというのに。  こんなにもあなたのことをを愛しているというのに。  それが伝わらないということが、ただひたすらに口惜しかった。  私の可愛い可愛い子。  ずっと妹のように……今となっては娘のように思っている、大切な子。  可愛い可愛いあなたが泣いているというのに、なにもできないなんて。  そんな残酷なことがあるかしら。  あぁ、あぁ、口惜しい。  ねぇ、お願い。  独り言で構わないの。  私に伝えようなんて考えなくてもいいの。  だからね、どうか。  あなたが泣いている理由を教えてちょうだい。  恨み言でも言うように、ひとりで呟いてくれればいいのよ。  私はそれを聞いて、勝手に心
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気づいたらもうその世界線は近い近未来小説:パパ+【朗読動画】

 おはようございます。こんにちは。こんばんは。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、気づいたら、人となりにいるかもしれないお話です。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉パパ 第1話作者:北条むつき朗読:徳留理沙 男性は、朝7:00に目覚ましで目が覚めた。セミダブルのベッドには、史奈《ふみな》が寝息を立てていた。 男性は、史奈を揺すり起こした。史奈はゆっくりと目を覚ました。「やだあ、今何時?」「7:00」「ああ、よかったあ。朝ご飯の支度するわね」「ゆっくりで、いいよ? 麗蘭《れいら》起こしてくる」 男性は、隣の部屋でひとり眠る娘の麗蘭の部屋をノックする。「はーい」 中からもうすでに起きているのか、娘の麗蘭の声がした。「パパね? もう麗蘭起きてるから大丈夫」 男性は、麗蘭の言葉を聞くと、無言でその場を離れた。男性は、史奈のいるキッチンへとゆっくりと動き、やってきた。「ああ、パパは、仕事の準備でもして、待ってて、あと45秒だから」 男性は、キッチン横にあるリビング部屋に行き、カーテンを遮光カーテンを開け、ブラインドへと切り替えた。 男性は、壁掛けモニタに言葉を出し、モニタの電源を入れた。画面上では、本日の天気予報と同時に、1日の占い予報が放送され
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過去を売り、未来を買うミステリーホラー小説:未来ファンディング+【朗読動画】

 おはようございます。こんにちは。こんばんは。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、過去を売り、未来を買うクラウドファンジングのお話です。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉未来ファンディング 作者:北条むつき 朗読:水無月とあ。 半年間音沙汰のない友人、御影《みかげ》から、突然一通のLINEが送られてきた。最近、巷《ちまた》で流行っているというクラウドファンディングアプリの情報があるからお前もやってみろと言う。『クラファンサイトの新しい版が出来たみたいなんだ。ちょっと興味あったらみてみー』 そんな軽いノリで送られてきたメッセージのURLをクリックしてサイトにジャンプした。 そこには『未来ファンディングフリー魔』と書かれたちょっと怪しげな文字と、あなたの未来を売り買いしませんか。という少し意味深なキャッチコピーが大々的に載り、今まであったようなクラウドファンディングサイトと同様に、各種個人のやりたいことと必要金額が掲載されていた。 未来を売り買いってどういうことだろうと思い、じっくりとサイト内の文字を読んでいく。【このサイトは、あなたの未来を売り買いできます。例えば、あなたがゲーマーになりたい場合。ある一定のゲームを習得するのに一年かかると
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夏の終わり、海に訪れた女性の悲しい恋愛小説:波に想いをのせて+【朗読動画】

 おはようございます。こんにちは。こんばんは。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、夏の終わり、海に訪れた女性の悲しい恋愛のお話です。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉波に想いをのせて 作者 ふたつきみつき 朗読 徳留璃沙 橙色に大きな太陽は雲に隠れながら青色を縁取る水平線へと沈んで行こうとしている。突然の突風。私の髪を靡かせる。「真澄、行くぞぉ!」 真斗が私を呼ぶ声。「待ってヨォ! この潮風にまだ吹かれていたい」「じゃあ俺車で待ってる。あと10分だけだぞ!」 真斗は手を上げて砂浜から堤防の階段を上がっていく。 私は気持ちの整理がつかずにただ風に吹かれ想いをこの海へと解き放つ。 私たちにとっての思い出の場所。この海には悲しい物語が眠っている。あれから2年経った。 あの日の今日は、この日と同じで台風明けの少し波が高い日だった。サーファー仲間と揉めていた。海まで来たものの波が高い事で、私と真斗は悠人を止めたのに………。「これぐらい乗り越えないとプロにはなれないよ!」「バカ! プロはこんな事しねーよ!」「そうよ。やめよう?危ない……」 私たちの制止も聞かず悠人は海へと入っていった。一瞬の突風。大きな波が待ち受けていた。意気揚々と手を上げて乗りこ
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どこかのゲーム会社のロングCMのような近未来ファンタジー小説:DEAD OR ALIVE ep1+【朗読動画】

 おはようございます。こんにちは。こんばんは。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、どこかのゲーム会社のロングCMのような近未来ファンタジーのお話です。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉DEAD OR ALIVE1作者:北条むつき朗読:木下アルヴィン 男は眠れずに、ベッドから起きた。2DKのアパートの寝室から出てキッチンに飲み物を取りに行く。お気に入りのマグカップを棚から出すと、冷蔵庫から取り出した牛乳を注ぎ、レンジで『あたため牛乳』に設定して1分待つ。 チンとレンジ音がした後、牛乳を取り出し、キッチン横のリビングとして使ってある部屋のソファーに座る。暗がりの中、時計を見ると午前1時を回っていた。 寝室では、付き合って3ヶ月の彼女が寝息を立ててぐっすりと眠っている。その最中、物音を立てずにパソコンを開いて起動させた。ノートPCの起動音とファンが深夜の小さな部屋に響いた。 男はオンライン(ネット)に接続し、とあるSteamサイトに接続した。深夜にゲームでもするつもりなのか、幾つものタイトルが並ぶ。中には新作と書かれたNEWマークのパッケージ写真がある。その中の一つ。ターミナルシティと書かれたパッケージロゴの写真上に、マウスポインタを持ってい
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ちょっと危ない話と思いきやアレレなコメディ:遊びの女:【朗読動画】

 おはようございます。こんにちは。こんばんは。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、一見ちょっと危なかっしいタイトルですが、想像されるお話とは全然違うコメディです。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉遊びの女作 者:北条むつき語り手:徳留 璃沙「私は、あなたの何だったのよ、答えなさいよ! 潤《じゅん》!」 あれだけ大切にされて、あれだけ一緒に楽しい日々を過ごしたはずなのに……。 女は、潤に叫び続けた。潤は、女に見向きもせずに、立ち去ろうする。女は悔しくて、悲しくて、堪らずに叫び続けた。「どういうつもりよ。また新しい女でも作るのね? そうでしょう?」 女は叫んだが、その叫びは潤には届かなかったのか、潤と女との距離は更に広まった。潤もこの女の叫びが聞こえていないはずはないと女はタカを括っていた。だが、女の声は、潤の足を止めることは出来なかった。「じゅーん! 何よ、あんた。私の事、遊びだったのね! 酷い、酷いわ」 それでも、女の声は潤には届かなかった。一緒に歩く女が潤に声をかけた。「ねえ、潤ちゃん? 潤ちゃんは、男の子なんだから、リカちゃん人形は卒業しないと、沙耶とはもう遊んであげないよ?」「うん、僕、もう人形さんより、同じクラスの沙耶《さや》ち
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ちょっとマニアックな警察コメディ小説:SとM刑事(デカ)後編ep2+【朗読動画】

 おはようございます。こんにちは。こんばんは。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、ちょっとマニアックな路線のSっ毛上司とMっ毛部下が繰り広げる警察コメディのお話の後編です。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉SとM Servant & Me刑事(デカ)後編 この変態ドM野郎! 全てはあなたの為作 者:北条むつき語り手:ムラサキリンコ◉第4話これがある種 目隠しをされたまま、後手に縛られて正座をさせられている。その腿の上には重りが乗せれている。ズシリとした重たさに声を挙げたいが、猿轡で呻くことしかできない。 ましてや、目隠しをされたままの状態では、ここがどこかさえわからない。だが、先程入り口の鉄パイプが惹かれる様な古びた音で、ここが多分、牢屋かぐらいの検討はついた。 服の上から亀甲縛りで、全身を縛られている状態では、動けば縄が身体に食い込んでいく。それが心地よいのだが、堪らない……。「うぅ……」 このままもっと酷い事が待ち受けていると思うと、鼓動が高鳴る。潮風に吹かれていたボート上のあの鞭女が、僕を待ち受けているのかと思えたが、ボートから降ろされて、無言で連れて来られたのは、牢屋みたいな空間。 ここで、約小一時間、縄に縛られて悶える
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ちょっとマニアックな警察コメディ小説:SとM刑事(デカ)前編ep1+【朗読動画】

 おはようございます。こんにちは。こんばんは。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、ちょっとマニアックな路線のSっ毛上司とMっ毛部下が繰り広げる警察コメディのお話です。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉SとM Servant & Me刑事(デカ) この変態ドM野郎! 全てはあなたの為作 者:北条むつき語り手:ムラサキリンコ◉第1話 SM刑事(Servant & Me:使用人と僕)「テメー何やってんだあ。今回の山舐めてんのか?」「はっはい! すっすみません……」「すみませんじゃねえ! そもそもなあ……」 この荒っぽい怒り方は楓文香《かえでふみか》先輩。目元がクリっとした整形でもないに、整った顔立ち。 タワワに実ったお胸に、括れたウエストから伸びるスラリとした長い足。 スタイルが良くて、白のブラウスにスーツがよく似合う。男勝りのこの態度。 でも一番はその黒いヒールをツカツカとさせて歩く姿が堪らなく良い。ってか踏まれたい……。 否、基《もとい》。我、警官であることを忘れそうになるぐらいに、今怒られているこの瞬間が……。 快感なのでーす!「何、ニヤついてんだ! 犯人らしき輩を見つけたら、職質の前に一報入れるのがオメーの仕事だろうが
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短編小説まとめ:滝音と朗読【小説まとめ10本】の朗読動画

 おはようございます。こんにちは。こんばんは。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、滝音と朗読です。滝が流れる音とともに朗読を聞いていただけたら嬉しいです。短編・掌編小説をまとめた動画になります。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・今回は、まとめ動画ですので、文字での小説はございません。申し訳ありません。◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ここまで本文を読んでいただき、ありがとうございます。いかがでしたか? 動画内容もしくは、小説がよければ、いいねを押してください。励みになり大変喜びます。◉youtubeを運営しております。
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恋愛ミステリー小説:おっとり妻【朗読動画】

 おはようございます。こんにちは。こんばんは。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、ミステリー調の恋愛小説のお話です。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉おっとり妻作者:北条むつき朗読:Meg 私は特に美人と言われる存在ではない。至って普通。それに性格も大人しいとは昔から良く言われた物だ。そんな私を選んだ今の夫からは良い妻だといつも褒められる。 私たち夫婦は、この住宅街に3ヶ月前に越して来た。ご近所の関係も良好で、至って幸せで普通な生活をしている。結婚したのはこの住宅街に越して来る少し前だ。夫は気だても良く、私の世話を焼くのが好きならしい。 それに近所付き合いも積極的で、自治会などにも夫が自ら進んで色々とやっている。そのお陰か、私も夫に付いて世話係的な役目で自治会にお邪魔する事がよくある。その光景を見てか、近所では中々おっとりしていて、良い奥様じゃないかと噂が立てられている。夫もその事に対して自慢げで、嬉しいようだ。そのお陰か、夫との関係も今のところ良好。 それに私としては、夫の稼ぎもそこそこで、一般サラリーマンの平均年収以上は有に貰っている。中の上と言うところか。それでいて優しく頼もしいところ。それが第一に嬉しい。 夫と私の間にはまだ子供
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【1分ショート朗読】失恋おむすびころりん デタラメ昔話

ショート朗読始めました。おはようございます。ブログを閲覧していただきありがとうございます。語り手、作者本人、北条むつき+αです。当チャンネルは作者北条むつきのチャンネルなので、声優さんに混じり作者本人も登場させてください。期待はずれだったら、ごめんなさい。1分のショート朗読なので、サクッと聞けます。・朗読動画をご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。・ショート朗読はこちら⏬◉失恋おむすびころりん作者 北条むつき朗読 北条むつき+α むかーし、あるところに美女好きなおじいさんがいました。 おじいさんはある日、山へ芝刈りに出かけました。働いたらお腹が空いたのでお弁当にしました。 その時おじいさんはおむすびを一つ落としました。 おむすびはコロコロと転がっていきます。 おむすびは丘の下まで転がると、和服美女の足に当たりました。 和服美女はおむすびを見て言います。「あらあら? どなたの?」 おむすびに追いついたおじいさんは美女を見て思わず叫びます。「惚れた! オラの嫁さ、なってくれ!」「おじいさん? 私はヘルパーじゃないわよ?」「わらわはたぬきじゃ!」と言って、 美女はたぬきに変化し、おむすびを掻っ払って消えましたとさ。◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ここまで本文を読んでいただき、ありがとうございます。いかがでしたか? 動画内容もしくは、小説がよければ、いいねを押してください。励みになり大変喜びます。◉youtubeを運営しております。
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サクセスヒューマンドラマ:朗読BAR物語【朗読動画】

 おはようございます。こんにちは。こんばんは。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、サクセスストーリーな人間ドラマのお話です。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉朗読BAR物語#1:爽快な朝を迎える朗読BAR作者:ほうじょうむつき「ああ、今日も疲れたなあ…。明日は休みだし、一人飲みでもするか?」 夜遅くに、仕事が終わり、飯より酒が恋しくなった俺は繁華街の路地を曲がる。すると何やら怪しげで、興味を惹かれる看板があった。「語り部・朗読BAR? 変わった名前のバーだな。どう言う店だ? ただのBARなのか? それとも……」 少しその名前に違和感と興味深さを感じ……。「いっちょ行ってみるか!」足はそのBARへと向いていた。カウベルを鳴らし店内に入った。 中は意外広く、賑わいを見せ、軽快な音楽が鳴り響く。 そして薄暗い店内にバーテンダーの声が響く。「いらっしゃいませ。お客様は当店初めてですね?」「あっ、ああ、そうだが……ここはBARなのかい?」「ええ、ここは語り部・朗読BARと行って、朗読や不思議なお話や音を楽しむバーです!」「朗読や不思議話!? 今時珍しくないか?」「ええ、流行りはしないですけど、廃れもしません。聞けば、今宵はいい夢が見れますよ!」「
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ちょっとエッチっぽいコメディ:噂のアダルトショップ【朗読動画】

 おはようございます。こんにちは。こんばんは。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、ちょっとエッチっぽいコメディのお話です。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉噂のアダルトショップ作者:北条むつき朗読:ムラサキリンコ「だから、俺でいいの?」「おお、行ってこいよ。お前のためだ。ただAV買うだけだろう」 俺、悠平《ゆうへい》と同級生である淳二《じゅんじ》と数名で、街中にあるアダルトショップ前でウダウダと会話を交わしていた。「だから、ここのアダルトショップって、以前から噂があるやつだろう?」「いいじゃんかあ? お前、丁度いいじゃん。卒業してこいよ。アハハハッ」 童貞の俺に淳二が声を掛ける。このアダルトショップ長政《ながまさ》には、以前からある噂がった。 週末の夜、十八時以降に来店すると、アダルトショップらしく、無名AV女優が宣伝活動のためか、イベントで来店した客をイベント終了後、一名が選出され、ある濃厚なサービスが受けられるという噂だった。 そしてそのAV女優とセックスが出来ると言う馬鹿馬鹿しい噂が、通う男子校に流れた。 一時は、学校内でも、十八歳未満の学生は、絶対に付近には近づかぬようにと、先生から注意喚起されるほどまでだった。 実際、店のイベ
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ラブコメ:モテたい男子の自虐日記【朗読動画】

 おはようございます。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、ラブコメのお話です。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉モテたい男子の自虐日記作者:北条むつき朗読:木下アルヴィン第一話 自虐の唄 俺、増山要《ますやまかなめ》はモテたことがない。最後にモテた記憶、それは幼少の頃、女の子とままごとをして夫婦役をして遊んだ時にモテた記憶だ。だが、そのままごとのお嫁さんにも、いつの間かに逃げられた。 それ以降、小中高とモテた記憶は全くない。小学生の頃は、背が小さく女子と変わらない背丈か、むしろ女子にも負けていた。そんな俺にも好きな女子が出来た。学級委員長の女子、財田優希《さいだゆき》だ。学校終わりに呼び出して告白をした。だが、「チビとは付き合えない」と罵られて俺の恋は終わった。 中学に入っても、背は低く、全くモテない。 小学生の頃の告白に懲りて、もう好きになるものかと思った。だが、そんな中でも、普通に話してくれる女子もいた。それに家にも遊びに行ったりする仲。部活も一緒のバレー部、金田朋美《かねだともみ》だ。俺は背が小さくてレギュラーになれなかったが、朋美は背も高く、すらりと伸びた足と長い腕でレギュラーだ。そんな朋美に憧れていた。朋美の事が徐々に気になり
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一夫変わった昔話コメディ:桃から生まれたモモちゃん【朗読動画】

 おはようございます。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、一風変わった昔話コメディのお話です。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉桃から生まれたモモちゃん作者:北条むつき朗読:Meg ぼくは桃から生まれたらしい。だから桃太郎と名付けられた。 だけどぼくは桃。女じゃない。男でもない。生まれた時に桃から生まれたから、ばあちゃんとじいちゃんが桃太郎って名前をつけたけど、桃太郎って「昔っぽくていやじゃない?」と思ってから、ぼくは桃に改名した。 だって、桃の方が女子っぽいじゃない? それが気に入ってる。 まあ下半身の付け根にぶらぶらとついてるものを、鬼ヶ島で手術するために、ぼくは大きくなったら性転換手術をする。 そのために、旅立つことを決意した。鬼ヶ島は昔と違い、今の時代ではオカマ島って呼ばれるぐらいに有名な性転換手術ができる島ってことで、オカマ界隈では有名な話よ。 ばあちゃんがドンブラコって流れてきた桃を拾ってくれたのには、ありがたさを感じてる。だって、拾ってくれなきゃ、ぼくは生まれてないもの。 じいちゃんが、「えいや」ってナタで桃を割った時には、オギャーじゃなくて、キャアーって悲鳴を上げたらしいわ。だからぼくはその頃から女子っぽかったとじいちゃ
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【1分ショート朗読】失恋こぶとり爺さん デタラメ昔話

ショート朗読始めました。おはようございます。ブログを閲覧していただきありがとうございます。語り手、作者本人、北条むつき+αです。当チャンネルは作者北条むつきのチャンネルなので、声優さんに混じり作者本人も登場させてください。期待はずれだったら、ごめんなさい。1分のショート朗読なので、サクッと聞けます。・朗読動画をご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。・ショート朗読はこちら⏬◉失恋こぶとりじいさん作者 北条むつき朗読 北条むつき+α むかーし、あるところにほっぺたに大きなこぶのある、小太りなおじいさんが住んでいました。 おじいさんが首を振るとほっぺのコブとお腹の贅肉も一緒にぶらぶら揺れます。 おじいさんは「痩せないけん!」と言って山で踊ることにしました。 踊っていると雨が降り出し、洞穴に逃げます。 目が覚めると夜。外から賑やかな音楽と笑い声がします。 外を見ると、美女たちが宴会の真っ最中でした。 みんな楽しそうにお酒を飲んで歌ったり踊ったり。 コブ付きの小太りなおじいさんは、楽しくなり美女の前で踊り出しました。  「きゃあ! 小太りなじじいは邪魔!」と言ってほっぺたのコブを掴みました。 すると、おじいさんの大きなコブは美女につかまれたことで簡単に取れたとさ。 「エロじじい! 踊るな!」◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ここまで本文を読んでいただき、ありがとうございます。いかがでしたか? 動画内容もしくは、小説がよければ、いいねを押してください。励みになり大変喜びます。◉youtubeを運営しております。
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ほっこりコメディ:とある本屋の話【朗読動画】

 おはようございます。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、ほっこりコメディのお話です。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉とある本屋の話作者:北条むつき朗読:ムラサキリンコ とある場所にある、とある本屋でのお話。 ショッピングモールや、駅前にあるような大手チェーン店の本屋ではなく、街中にあるホント小さな小さな本屋がある。 昔ながらの引き戸を引くと「ギィー」と音がなるぐらいの、小洒落てもいない本屋がある。その本屋には、犬と猫が放し飼いで飼われている。 いつものように本屋の引き戸を引くと、現れるのは、二郎と言う犬一匹と、サボと言う猫一匹。 その犬は、私が本屋に入ると、いつも近くにすり寄り、10回に9回と言っていいぐらいに本を選んでいる足元に来ては、おすわりをする。 すると私の手は選んでいる本から離れ、思わず、いや、絶対的といいぐらいに二郎の顔を撫で、喉仏をゴロゴロとする。すると気持ちいいのか、細い細い目をして、ジッと隣で寝息を立てるかのように、いい顔をする。 そして猫のサボは、最初はそれをじーーーーっと見るだけで、近寄りもせず視線だけを送っている。 犬の二郎を可愛がっていると、俺にもしろよと言わんばかりに猫のサボが、犬の二郎とは反対側に陣取り
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朗読動画:僕の中に関西人のおっさんが住んでいる【ファンタジーコメディ小説】

 おはようございます。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、ファンタジーコメディのお話です。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉僕の中に関西人のおっさんが住んでいる作者 北条むつき朗読 水無月とあ。「アガガッ!」 それはある日曜日の朝。いつもより少し早い目覚めと共に、突然始まっていた。「アガガガガッ!!」 まるで顎が外れそうな勢い。何とも言い難く、声にならぬ声を発する。否、これは外れそうではない。外れたのだ。朝、現在の時刻は……。などと、そんな悠長な時間など全くない今この状況。 渾身の力を込めて、僕は自らの手を顎に向けて掌底を繰り出した。「んがんん!」 喉を鳴らした。 その瞬間、僕の顎は定位置と少しずれた位置に収まり、横から見れば三日月顔であろうものが出来上がっていた。【おいおい! そらっ痛いやろ!】 僕の頭の中に突然、おっさんらしき関西弁の声がした。 その声は、自分が言った声にも思えたが、全く違うおそらく40代であろうおっさんの声。僕は、まだ大学生で声に張りがあるのに、この声は、明らかに嗄《しゃが》れたおっさんの声だった。 その上、僕が思ったのならば、『あぁ! 痛い、痛いよ!』と標準語タイプ。だが、この声は、関西弁なのだ。 これが、僕と名
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朗読動画:勇者の戯言【ファンタジー小説11話まとめ】

 おはようございます。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、ファンタジー小説11話まとめたお話です。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉勇者の戯言作 者:北条むつき朗 読:マツブー◆第一話 誕生「俺は勇者だ!」「俺は勇者だ!」「俺は勇者だ!」「俺は勇者だ!」「俺は!」「俺は!」「俺は勇者……」ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ある時から、魔王という存在が人々を恐怖に陥れていた。 剣を振り乱し、魔法を使い、モンスターを使い、人々の生活を邪魔し、街を破壊していく。そういう中世の世界。 そんな日々の中で、ある街に男の子が生まれた。 男の子の尻には、☆印がついており、それが赤く染まっていた。 村の村長に見せる。「これは勇者の紋章!」 代々引き継がれた古本により判明したその☆印。 伝説の勇者の子をアンソニーと命名した。突然変異によって生まれた勇者の子供を大事に育てていった。すくすくと育っていくアンソニー。 アンソニー14歳の春。アンソニーは、村人達を集めて、英雄団と呼ばれる組織を作った。 街の兵達《つわものたち》が集う集団。剣術や、武術、格闘技や、魔法やモンスター使い。各々が役割を持ち、打倒魔王に向けて、訓練が始ま
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【1分ショート朗読】失恋ジャックと豆の木 デタラメ昔話

ショート朗読始めました。おはようございます。ブログを閲覧していただきありがとうございます。語り手、作者本人、北条むつき+αです。当チャンネルは作者北条むつきのチャンネルなので、声優さんに混じり作者本人も登場させてください。期待はずれだったら、ごめんなさい。1分のショート朗読なので、サクッと聞けます。・朗読動画をご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。・ショート朗読はこちら⏬◉失恋ジャックとまめの木作者 北条むつき朗読 北条むつき+α とある村にジャックという男の子と母親が住んでいた。 牛のミルクが取れなくなって、ジャックは牛を売りに街に向かった。 途中おじいさんが話しかけてくる。「牛と豆つぶを交換しないか?」 ジャックは渋ったが、おじいさんが言うにはこの豆を植えると、大空まで高く伸びる豆の木ができると言うので交換した。 しかし家に戻ると母が「豆などいらない」と外に放り投げる。 翌朝、ジャックは仰天。 豆の木が大空まで天高く伸びていた。 ジャックは食料を探しに豆の木に登る。 雲の上に出たら、大きな屋敷があった。 お腹が空いたので、屋敷に尋ねると大女が顔を出した。 ジャックは何も言ってないのに大女が言う。「ガキはキライ! 美青年がいい!」 ジャックは豆の木から蹴落とされフラれた。「なんでやねん!」◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ここまで本文を読んでいただき、ありがとうございます。いかがでしたか? 動画内容もしくは、小説がよければ、いいねを押してください。励みになり大変喜びます。◉youtubeを運営して
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朗読動画:予告LINE5話まとめ【恋愛に絡むサスペンスミステリー】

 おはようございます。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、恋愛に絡むサスペンスのショートショートをまとめたお話です。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉予告LINE#1作 者:北条むつき語り手:いかおぼろ 時刻は19時を回る頃。俺は、電車に揺られていた。突然スマートフォンにマナーモードの振動が胸ポケットに響いた。今から向かうマンション。同僚の三橋夕子からだと思ってスマートフォンの画面をスライドさせた。 今朝は残業で遅く午前様になるからと妻にて伝えて出て来たはずが、もう心配のLINEかと思いながらLINEを開けてみた。=LINE1件目=『何時頃帰れそう?』『早く戻って来て欲しいなぁ? 話があるの! 愛してる?』 なんだ。そんな事でLINEをするとは可愛い妻だなと思いつつ、ポケットに仕舞おうとすると、また着信。=LINE2件目=『早く会いたいなあ』『待ってるからね? 今日はいっぱい話そうねぇ? 愛してる!』 今度は夕子からのLINEだった。そのLINEに返信を出した。『もうすぐ着くよ。俺も愛してる!』 それに返信すると、今度は登録に無い、LINEが届いた。迷惑は設定していたはずだったが、こんなのが届くのは始めてだと思い無視しようとしたが、無視
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朗読動画:Love Out of Lust 欲望の愛【ちょっとえっちなラブコメ】

 おはようございます。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 今回ご紹介の朗読動画は、ちょっとえっちなラブコメショートショートです。 良かったら聴いていただけると嬉しいです。・朗読動画もご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉Love Out of Lust【欲望の愛】作 者:北条むつき語り手:ムラサキリンコ「ねえ……。ねえってば!」「ん?」「聞いてるぅ!?」 イヤホンを耳から外し、向き直す佑月《ゆずき》。平日、昼の日中、私、紫苑《しおん》の部屋にいる。いつもジャレ合った後は、イヤホンで音楽を鳴らし一人の時間に浸る佑月だ。 私のことは放ったらかし。女としては、もっと愛に溢れた行為のあとは、しんみりとその太い腕の中で、ゆっくりと眠りたい。だから私はあえて佑月がお気に入りの曲が入ったところで声をかけてワザと振り向かせる。 ニコリとする佑月だが、心持ちか疲れを見せていた。それもそのはず、私の部屋に来たのは、仕事が終わってからすぐだ。それも海外での仕事を終えてだ。飛行機を降りてその足でスーツケースを持ち、疲れた体を私で癒すため、いつもすぐにここに来る。 来るのはいつも突然のこと。私は基本自宅での仕事が多く、買い物や友人と外出する以外は家にいることが多いため、佑月は来る前に連絡など寄こした事などは無い。いつも突然現れ、唐突に私を求め
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【1分ショート朗読】失恋浦島太郎 デタラメ昔話

ショート朗読始めました。おはようございます。ブログを閲覧していただきありがとうございます。語り手、作者本人、北条むつき+αです。当チャンネルは作者北条むつきのチャンネルなので、声優さんに混じり作者本人も登場させてください。期待はずれだったら、ごめんなさい。1分のショート朗読なので、サクッと聞けます。・朗読動画をご用意しております。・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。・ショート朗読はこちら⏬◉失恋浦島太郎作者 北条むつき朗読 北条むつき+α(協力:さくら)むかーし、三十路過ぎの実家で暮らす浦島太郎がおった。漁に出た帰り、子供たちが子亀に悪さをしていた。太郎は子亀を助け、海に返す。すると次の日ウミガメがやって来た。竜宮城の乙姫様が子亀を助けたお礼がしたいと言った。太郎は亀の背に乗り竜宮城へ招かれた。豪華なもてなしと綺麗な乙姫。乙姫は「わらわと暮らそう」と言う。だが実家のおっかあが気に掛かり太郎は家に帰ると言う。乙姫は「絶対に帰ったら開けてね?」と玉手箱を渡した。自宅に帰り、太郎は玉手箱を開けた。すると「マザコン太郎なんて大嫌い!」という煙文字が現れ、煙文字は炎を出し実家は全焼して太郎は強烈にフラれた。◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ここまで本文を読んでいただき、ありがとうございます。いかがでしたか? 動画内容もしくは、小説がよければ、いいねを押してください。励みになり大変喜びます。◉youtubeを運営しております。
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朗読動画:盆とんぼ【ちょっと切ない不思議な物語】

 おはようございます。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 良かったら閲覧いただけると大変喜びます。 本日ご紹介の一本は、数年前の秋口の頃、ショートショートを毎日のように書いて、webのショートショートガーデンというコンテストに応募しようとしていた時に作ったお話しです。 良かったら朗読動画と一緒に小説も読んでいただけると嬉しいです。 タイトルとは違い、あーなるほどって感じのコメディです。・朗読動画もご用意しております・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉盆とんぼ作 者:北条むつき語り手:ムラサキリンコ ばあちゃんが死んだ。夏祭りの今日、葬儀が行われた。 夏のお盆に、突然ばあちゃんは、静かに眠るように逝ってしまった。 久しぶりに妻の早紀江を連れて車で一時間の場所にあるばあちゃん家(ち)に帰省していた。通夜も葬儀も親族とばあちゃんの身近な友人たちのみが集まり済ませた。 お盆の週末にばあちゃん家でゆっくり過ごすのは、何年ぶりだろう。 今思い出すのは、小さい頃の俺とばあちゃんとの懐かしい夏の思い出だった。 夏頃になると、よくばあちゃん家に毎年のように遊びに帰っていた。実家はばあちゃん家から三十分ほどの同じ島内で、母親や父親に怒鳴られた際にも、三十分の距離を歩いてばあちゃん家に行き、慰めてもらう。それほど俺はばあちゃん子だった。 ばあちゃんは昔なが
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朗読動画:大量出血死【なるほどほっこりコメディ】

 おはようございます。ブログを閲覧いただきありがとうございます。 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。 良かったら閲覧いただけると大変喜びます。 本日ご紹介の一本は、数年前の秋口の頃、ショートショートを毎日のように書いて、webのショートショートガーデンというコンテストに応募しようとしていた時に作ったお話しです。 良かったら朗読動画と一緒に小説も読んでいただけると嬉しいです。 タイトルとは違い、あーなるほどって感じのコメディです。・朗読動画もご用意しております・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。◉大量出血死 作 者:北条むつき 語り手:徳留璃沙 奴……。奴は、奴はどこへ行った? 鋭い視線で辺りを見渡しながら、女は奴を追っていた。見つければ、絶対に返り討ちにして、殺してやると決めていた。 だが、奴は中々現れない。女を陥れた奴は、再度女のこの滑るような火照った肌が気に入り舞い戻るはず。 風呂上りのバスタオルを巻いた柔肌の脹脛《ふくらはぎ》の痒《かゆ》みが治らない。 居た!「血を吸ったこの吸血鬼め!」 女の血を吸い、遅速で飛ぶ奴を見つけ、女は両手、掌を奴にぶち当てた。大量出血で奴は無残にも女の掌で死に絶えていた。 この蚊は、幾つもの人間を吸ったのか、赤く血みどろく掌を覆っていた。脹脛の痒みが度を増した瞬間でもあった。私を選んだ理由は、この真っ赤な血ね! この季節外れの、吸血鬼め! 了◆◇
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