「脳科学と深層心理学のコラボレーション⑤」 ~「人間性」の根幹に関わる「脳」と「心」のヒミツ~
(2)「人間性」で問題になるのは「前頭連合野」②「前頭連合野」がつかさどる「人間らしさ」とは何か 将来に向けた夢・計画・展望、感情を制御する理性、他人の気持ちを理解する能力、主体性・集中力・好奇心、幸福感、達成感、高度な創意工夫(創造性)などは全て「人間らしさ」(「人間性」)に属します。
「人間性の崩壊」~1848年に「前頭連合野」の左半分を損傷したフィニアス・ゲージの症例から、「前頭連合野」がつかさどる「人間らしさ」「人間性」が明らかになりました。それによれば、ゲージは基本的な知覚能力や身体運動能力にはほとんど後遺症が残らず、記憶といった一般的な知能にも影響はなく、言葉もしっかりしゃべれたのですが、「人間性の崩壊」という後遺症が出たといいます。すなわち、実直で責任感があり、周囲の信頼も厚かったゲージは正反対の人間となり、感情を抑えることが出来ず、乱暴で刹那的な行動、ハレンチで常軌を逸した振る舞いをするようになったのです。「理性」を失い、「人格」が変わって、動物のような人間になってしまいました。
「ゲージの中で、いわば知性と獣性のバランスが崩れてしまったように見える。・・・彼の友人達はこう言っている。『彼はもはやゲージではない』。」(ゲージを診察した医師ジョン・ハーロウ)
「人間らしさ」~ゲージが失ったものは次のようなものですが、逆の見方をすれば、健常者でもこれらの要素が乏しければ、それだけ「人間的に未熟」「人間味に薄い」ということになるでしょう。
(1)将来に向けた計画、展望、夢(計画性、未来志向性)=ヒトは計画を立てるからこそ、その延長線上に夢を思い描くことが出来、その夢を
0