「脳科学と深層心理学のコラボレーション⑮」~「人間性」の根幹に関わる「脳」と「心」のヒミツ~

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(5)「脳の活用」と「心の活用」は別物なのだ
③「脳の活用」は脳科学で、「心の活用」は深層心理学で

 「脳」は「人体最後のフロンティア」と呼ばれ、最も高度で複雑な臓器ですが、20世紀後半から急激に研究が進んでいます。当時はまだ「脳科学」という言葉はなく、「大脳生理学」と呼んでいたのです。総合的な「脳科学」の成果は「脳の活用」の仕方を教えてくれます。
 一方、古くて新しい「心の学問」たる心理学は、「心の活用」とも言うべき性格形成論から人間関係論にまで応用されるため、誰もが知っておくべき教養として考えるべきでしょう。

「大脳生理学」~1909年、大脳皮質の細胞構築学的研究をしたブロードマンにより、ヒトの大脳皮質は52の分野に区分され、各皮質野に番号を付けた脳地図(「ブロードマンの脳地図」)が作成されました。さらに発生学的に「旧皮質」「古皮質」から成る「大脳辺縁系」と「新皮質」から成る階層構造になっていることが明らかになりました。
 そして、1960年代から1970年代にかけてスペリー(ノーベル生理学・医学賞受賞)らによる「分離脳研究」が盛んになり、「左脳」「右脳」の機能が明らかになると共に、ペンフィールドやエックルズ(ノーベル生理学・医学賞受賞)らによって「脳」と「意識」の問題が追求されるようになったのです。
 1980年代に入って、放射線で血流を断層撮影するポジトロンCT(PET)や機能的MRI(磁気共鳴断層撮影)などで脳の活動を科学的に計測出来るようになり、脳研究が格段に進むこととなりました。
 かくして「大脳生理学」(神経生理学)に関連諸科学を統合した「脳科学」(神経科学)が成立することとなったのです。

「脳の活用」~知恵や知識を問うテストの成績は大体60歳代をピークにゆっくりと下がっていきますが、「前頭連合野」の働きを調べるテストでは、20歳を過ぎると直線的に下がっていくことが分かっています。これが「20歳から脳は真っ直ぐに退化する」と言われる所以です。
 同じ作業を繰り返していると「脳」の働きはどんどん下がっていきますが、これは「学習」の機能、「慣れ」などにより、「脳」をあまり使わなくてもいろいろな作業が出来るようになっていくためで、この「慣れ」が起こらない例外中の例外が単純な数の「計算」といった「数を扱う」行為と文章の「音読」といった「文字を扱う」行為です。これらは常に「前頭連合野」を活性化させるといいます。
 川島隆太東北大学加齢医学研究所教授の研究によれば、認知症の高齢者5千人以上に毎日10~15分間、ひらがなを拾い読みしたり、数を数えたりする学習をしてもらったところ、約20人の寝たきりの人が起きられるようになり、2~3割の人がおむつを外すことが出来たため、介護保険の節減効果まで算定したといいます。
 日本では江戸時代から寺子屋教育(初等教育)の中心に「読み・書き・そろばん」を置いていましたが、社会の要請や経験則から成されたものとはいえ、「脳科学」の観点から見ても意味のあるものだったのです。
 さらに「前頭連合野」の活性化という観点から、次のようなことが有意味であるといいます。
(1)「早起き」(「生活時間のコントロール」)=「脳」の機能を測定すると、明らかに午前中の方がレベルが高く、「早起き」をすると、心身が一番良く働く午前中に活動ができることを保証してくれるわけです。
 実際、数学などが出来なくて落ちこぼれた生徒を指導する際にも、勉強以前の問題として「規則正しい生活」を確立した上で、小学校1年からやり直すという方法が最も効果を挙げています。
 実は勉強には一定時間思考を集中させ、記憶を照合し、あらゆる角度から可能性を検討するといった「マネジメント能力」が必要なのであり、「生活」を正すということは「マネジメント能力」の基本でもあるのです。
(2)「食事」(きちんと栄養を摂る)=「脳」の重さは全体重のわずか2%に過ぎませんが、体全体のエネルギー消費量の約20%を消費するといいます。
 バランスの取れた「栄養」としては、「豆類、ゴマ類、ワカメ(海藻)類、野菜、魚、シイタケ(キノコ類)、イモ」の7品目が挙げられ、最初の字を取って「孫はやさしい」と覚えます。「豆類」には記憶力を高める伝達物質アセチルコリンの前駆体であるレシチンが多く含まれていますし、魚の消費量が多い国はうつ病の発症率が低いという統計データがありますが、これはDHAが関与していると見られており、DHAはイワシ、サンマ、マグロといったいわゆる青魚に特に多く含まれています。
 他に「タケノコ」「米」などがありますが、タケノコにはドーパミンやノルアドレナリンの前駆物質であるチロシンが多く含まれています。また、脳はエネルギー源としてブドウ糖しか使えませんが、このブドウ糖を摂取するのに一番なのが「米」であり、「米は脳のスーパー食」と言われているのです。
 これらをふまえると「脳」にとっての最適食は「日本食」であることが分かります。逆にカリウムや塩分が過剰に加えられているジャンク・フード(ハンバーガーやフライドチキンなど)は「脳」にダメージを与える食事なのです。
(3)「読書」=「脳」を使うための「環境」からの「栄養」です。実は「脳」の中で真っ先に老化するのは「前頭連合野」であり、これが衰えると、好奇心や創造力、柔軟性が減退するため、同じ行動を繰り返すようになり(「固執傾向」)、その結果、頑固となるわけです。
(4)「ウォーキング」=「脳」の中でも「前頭連合野」に最も多くの血液が送られていますが、この血流不足を解消するのに有効なのが「エアロビクス」(有酸素運動)であり、現時点でその効果が実証されているが「ウォーキング」です。
 これに対して、ジョギングは「脳内モルヒネ」を分泌するため、「ジョギング中毒」になることがあるといいます。「脳内モルヒネ」によって、いわゆる「ランナーズ・ハイ」の状態になっているわけです。
(5)「楽しいことに熱中すること」

「潜在意識の活用」~「潜在意識」は「畑」であり、そこに蒔いた「種」(自己の想念)がそのまま結実することが知られています。「失敗への恐れ・不安」をいつも抱いていれば、時間と共にその如く結実して「失敗」し、逆に「成功への意志・決意」を絶えず確認していれば、時間と共にその如く結実して「成功」するというのがその最も基本的な活用法です。
 このために有効な方法として、「願望」を「書く」ということが挙げられます。これは単に「思う」だけではなく、「書く」と「潜在意識」に明確に刻み込まれるからです。
 あるいは「イメージ力」を高めるために、電線に止まっているすずめを一瞬のうちに眼に焼きつけ、眼を閉じてそれを1羽1羽数えていくというトレーニング法もあります。

「想像力は知識より偉大である。」(アインシュタイン)
「自分が頭の中で考えることは、間違いなく実現するのであり、外的な状態、状況、事件、体験などは、自分が習慣的に考えたり頭に描いたりしていることを、正確に反映するものなのだ。」(J・マーフィー『眠りながら巨富を得る』)
「人生とは、我々が自分の潜在意識に預け入れたものとまさに同じものを自分に反映する鏡です。」(J・マーフィー『眠りながら巨富を得る』)
「あなたは何になりたいのか、何をしたいのか、また何を持ちたいのかについて、はっきりした心の絵を描いて下さい。あなたの潜在意識の力と知恵があなたを支持していることを知りなさい。辛抱強く、あなたのなりたいものになる決心をしなさい。あなたの心の絵は潜在意識の中で現像され、客観世界で実現されるのです。」(J・マーフィー『眠りながら巨富を得る』)

「直観力の活用」~人間には論理的分析や思考といった能力もありますが、さらに「直観的把握」という優れた能力を持っていることが知られています。
 「逆境」や「人生の岐路」といった重大な「選択」を迫られる「時」においては、「直観」が大きくモノを言う場合があります。成功した企業家、ベンチャー・キャピタリストなども最終判断は「論理」や「思考」の積み重ねではなく、「カン」で決めるというケースが多く見られるのも、こうした「直観力」ゆえに世の中の流れや潮目が読めるためでもあります。逆に論理的に整合性のある答えを求めても、後付けの理由以外答えられないことがあるものです。
 こうした「直観力」「直観的把握力」「カン」を磨くための訓練として、例えば、電話がかかってくれば誰からだとか、エレベーターのボタンを押したら瞬時にこのエレベーターにランプがつくとかいったように何でも当ててみることや、「内省」「観想」「瞑想」の時間を持つことも有効な方法であるとされます。

「あなたの全生涯は一連の選択から成り立っているのです。あなたの経験はすべて、あなたの選択の総計なのです。あなたは自分の読む本とか、着る服とか、通う学校とか、共に仕事をやるパートナーとか、住む家とか、乗る車とかを絶えず選択しているのです。あなたが選択する考えとか、イメージとか、アイデアの種類に注意を払いなさい。愛すべきもの、よい評判のあるものを選びなさい。」(J・マーフィー『眠りながら巨富を得る』)
「神を選択し、神のみがその解答を知っていることを悟りなさい。二人の求婚者がいて、どちらを選ぶべきかまどい、決断がつかない場合は、神、すなわち無限の知性がその正解を知っているのだと悟りなさい。解答を観想しなさい。そうすれば至高の知性がそれに応じてくれます。それは失敗することがないのです。」(J・マーフィー『眠りながら巨富を得る』)
「沈黙は偉大なるものが自然に形成される固有の環境である。」(カーライル)
「神のささやきが聞こえるように沈黙しよう。」(エマソン)

【参考文献】
『幸せになる成功知能HQ』(澤口俊之、講談社)
『自己成長の基礎知識② 身体・意識・行動・人間性の心理学』(R・フレイジャー、J・ファディマン、春秋社)
『眠りながら巨富を得る』(J・マーフィー、三笠書房)
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