「脳科学と深層心理学のコラボレーション⑬」~「人間性」の根幹に関わる「脳」と「心」のヒミツ~

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(5)「脳の活用」と「心の活用」は別物なのだ

①「心」は「脳の産物」「脳の機能」か?
 素朴な唯物論者は「心」は脳の神経活動そのもの、化学反応の産物、脳の機能であると考えます。大多数の脳科学者もこれに入るでしょう。もしそうであるならば、「脳」が消滅した途端(「死」)、「心」も消滅しなければなりませんが、「臨死体験」「近似死体験」の研究や「霊性」の研究から、「心」はむしろ「霊魂」の方に存在すると考えられます。

「臨死体験」~1975年に医師のエリザベス・キューブラー=ロスと、医師で心理学者のレイモンド・ムーディが相次いで著書を出版したことで目されるようになりました。 キューブラー・ロスのそれは『死ぬ瞬間』(1975年)で、約200人の臨死患者に聞き取りし、まとめたものです。欧米での研究では、臨死体験には共通してあらわれやすい要素があることが指摘されています。
・自分の身体の外側に抜け出たような感覚(体外離脱体験)
・暗いトンネルを光に向かって通り抜ける体験(トンネル体験)
・光に満ちた、お花畑のような美しい世界(光体験)
・人生を走馬灯のように振り返る(人生回顧体験)
・境界線(三途の川など)を見る(異世界体験。生還者はそこを超えない)
・死者の霊や神との出会い(守護霊体験。帰れと言われることが多い)
 これは特定の宗教・信念・文化・性別・年齢などによらず、普遍的な実在を示すものであり、これを一般的に「霊界」と呼ぶならば、そこに行く存在は「霊魂」「霊人」、こうした霊的世界に対する感性は「霊性」ということになるでしょう。
 近代医学・近代心理学は「宗教と科学の分離」のあおりを受けて、どこまでも「唯物論的説明」にこだわろうとしてきましたが、現代医学においては臨死体験の研究から「死生学」が誕生し、現代心理学では宗教体験を説明する「トランスパーソナル心理学」が誕生しました。「唯物論」と「唯心論」を統合するような「二重存在論」に立つ「統合医学」「統合心理学」が必要とされる時代に入ったと言ってもよいでしょう。

「しろうとも多くの科学者も、科学は世界を小さな物質からできていると見ている。『だが、そういう考え方は間違っている』と、カリフォルニア州バークレーのローレンス・バークレー国立研究所の物理学者ヘンリー・スタップは言う。少なくともハンガリーの数学者ジョン・フォン・ノイマンが三〇年代に提起した量子理論のひとつは、『世界は小さな物質で成り立っているのではなく、小さな知識――主観的、意識的な知識――の集積で成り立っていると考えている』とスタップは語る。しかしこの考え方は唯物論者の世界観を覆すにはいたらなかった。唯物論的世界観がすっかり勝利をおさめているので、精神生活には軸索を伝わる電位以上の何かがあるかもしれないとひかえめに提案しただけで、『科学がわかっていない』とレッテルを貼られるおそれがある。事実、九七年にわたしが神経科学会の元会長とのディナーの席で同じことを言ったとき、元会長はこう言い切った。『なるほど、そういうことを考えているのなら、あなたは科学者ではないね』
 意識や感情、思考、創造性の火花などがほんとうに神経回路の集積の電気化学的な活動だけから生じるのか、と疑問を投げかけたりすれば、救われない二元論者だと切り捨てられることは確実だ。
 なんと、恐ろしいレッテルだろう。」(ジェフリー・M・シュウォーツ『心が脳を変える 脳科学と「心」の力』)
「精神的なものと、脳を含む物質的なものは全く違う。・・・自発的な意志を持ち、自由に動き回る。意志を行使することで、非物質的な心は物質である人体という機械を動かすことが出来る。」(デカルト)
「唯物論の問題は、いくら足し合わせても心になり得ないものから心を組み立てようとすることだ。」(コリン・マッギン)
「二元論的相互作用説の核心は、心と脳が独立した別個の存在だということだ。そして、この2つは量子力学によって相互に作用している。」(ジョン・エックルズ)
「物理的プロセスと主観的体験を結びつける心理・物理法則が必要だ。量子メカニズムのある側面が、これに実にうまく当てはまる。」(チャルマーズ)
「量子理論は思考と脳の活動のつながりという問題に、全く新しい光を投げかけている。・・・古典的な力学の考え方に量子力学が取って代わったことで、心と脳の二分法の様相も、心と脳の関係も一変した。」(ヘンリー・スタップ)

【参考文献】
『死ぬ瞬間―死とその過程について』(エリザベス・キューブラー=ロス、中公文庫)
『心が脳を変える 脳科学と「心」の力』(ジェフリー・M・シュウォーツ、サンマーク出版)
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