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出版素人電子書籍プロデューサーの実際/専門家の立場から

なぜ、その一言で私は凍りついたのか 「せっかく電子書籍を出したんだから、紙の本にして書店に並べたい」 きっと、そう思うのは自然な感情です。 本を出すなら、やっぱり“書店に並ぶ”ところまでいきたい。 家族や知人に「近所の本屋に置いてあるよ」と言いたい。 その気持ちを、私は否定しません。 けれど―― その一言を、ある電子書籍プロデューサーから相談されたとき、私は一瞬、言葉を失いました。 「Kindleをペーパーバックにして書店流通したい」 先日、ある電子書籍プロデューサーから相談を受けました。 「Kindleで出した本をペーパーバックにして、書店流通させたいんです」 結論から言います。 できるわけがありません。 Kindleダイレクトパブリッシングで出した本は、基本的に“自己出版”です。 出版社を通さず、流通ルートも持たない。 誤解してほしくないのは自己出版と自費出版は別物です。 KindleはKindleの中で勝負する。 その場合は、出版社のバックボーンは逆に不要と私は考えています。 本を書店流通させるのに、まず第一関門はISBN(アイエスビーエヌ)コードの取得。 かつては数百万円とも言われたこのコードも、今は数万円で取得できます。 しかし―― ISBNを取れば書店に並ぶ、という発想が、そもそも致命的に甘い。 書店は「置いてあげる場所」ではない 書店の棚は無限ではありません。 限られたスペースの中で、「売れる本」を厳選して並べています。 そこに、 ・実績のない ・出版社の後ろ盾もない ・販売戦略もない ペーパーバックを置いてくれるでしょうか? 百歩譲って、個別店舗の店長と強い関係
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「AIで稼げる」は甘い罠──出版・ライティングをバカにするな/信用が不可欠

SNSで炎上した“AIライティング講座” 最近、SNS上であるインフルエンサーが開催した「AIを使ったライティング講座」が炎上しています。 「AIを使って文章を量産し、ライターとして稼ぎましょう」という触れ込み。 費用はなんと50万円。 参加した人の話では、講義と合宿がセットになっていて、「AIはすごい」「これからはAIの時代」「AIでお金を生み出そう」といった話ばかりが延々と続いたそうです。 まともなライティングのテクニックや文章の構成法といった中身は、ほとんどなかったとか。 私は出版業界の現場で30年以上、編集・ライティングの最前線で仕事をしてきました。 そんな私から見ると、正直こう言いたくなります。 「出版・ライティングをバカにするな!」 AIを使えば書ける?──そんなに甘くないAIが進化しているのは確かです。 プロンプト(指示文)をうまく使えば、AIは構成案や見出し、語彙提案など、文章づくりの補助にはなります。 しかし、それだけで「読者に届く文章」になるわけではありません。 どんなにAIを使っても、心を動かす文章を書くには「人間の経験」と「思考」が不可欠です。 読者の背景を想像し、言葉の温度を調整し、伝わる順番を考える。 それがプロのライターや編集者の仕事です。 AIはあくまで“補助輪”です。 それを「エンジン」だと勘違いした瞬間、文章は薄っぺらくなります。 そして、そんな勘違いを助長するような講座が存在することに、私は強い憤りを感じます。 フォロワー数=信頼ではない この講座に50万円を支払った人たちは、「フォロワーが多い」「影響力がある」という理由でそのインフルエン
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出版でうまくいく人が必ず押さえている3つのポイント

「いつか本を出したい」 そう思った瞬間から、あなたの中で何かが変わり始めたはずです。 自分の経験をまとめたい。 誰かの役に立つことを書きたい。 この想いを、形として残したい。 しかし同時に、こんな不安もありませんか。 「自分の本なんて、本当に読まれるのだろうか」 「出版しても、誰の目にも触れなかったらどうしよう」 その不安は、正しい感覚です。 なぜなら、今の時代、本は“出すこと”よりも“届くこと”の方がはるかに難しいからです。 私は出版社で30年以上編集者として働き、300冊以上の本に関わってきました。そして現在は電子書籍の出版プロデュースをしています。その経験の中で、はっきりと言えることがあります。 本を出したい人が、必ずやらなければならない行動は、たった3つしかありません。 そして極論を言えば、この3つを知らない、あるいは知っていても無視している人は、本を出さない方がいいとさえ思っています。 Kindleは、誰でも出版できます。 しかし、「出版できる」と「読まれる」は、まったく別の話なのです。 1.まずは“圧倒的な量の本”に触れること 本を出したいと思ったら、最初にやるべきことは「書くこと」ではありません。 読むことです。それも、圧倒的な量を。 例えば、自己啓発本を書きたいと考えたとします。 そのときにまず確認すべきは、「どのような自己啓発本が読者に支持されているのか」という現実です。 大型書店に行ってください。 Amazonのランキングを見てください。 ・どんなタイトルが目を引くのか ・どんな表紙が選ばれているのか ・どんな言葉が使われているのか ・どんなレビューが書かれ
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思考停止編集者が量産する“刺さらない帯コピー”──15秒で忘れられる言葉と、心に残る言葉の違い

「帯コピー」は本気で考えられているのか? 本屋に行くと、私はつい本の帯ばかり見てしまいます。 職業病です。 出版社で30年以上編集をやってきたので、帯コピーを見ると 「この編集者、相当考えたな」 「うーん……これは思考停止だな」 そんなことまで分かってしまいます。 帯コピーというのは、本来とても重要なものです。 なぜなら、 本は基本的に“15秒以内”に買うかどうか判断される商品だからです。 表紙 → タイトル → 帯コピー。 この3つで興味を引けなければ、 本は棚に戻されます。 つまり帯コピーは 一瞬で心をつかむ言葉でなければいけない。 にもかかわらず、実際には 「何となく作られたコピー」も少なくありません。 玉石混交の帯コピーたち 例えば、こんなコピーがあります。 今売り時だ!新ニーサにも手を出してはいけない 新規上場を導いた弁護士が見てきて分かった目標を完遂する人に共通するコツ 買いのタイミングがドンピシャでわかる!お化け期待ゾーン必見 一流アスリート、上場企業経営者、トップセールス39万人が実践したノート術 コロナショック時の逆転勝利!10倍高ゲットした成功例 占い師・霊能者など限られた人しか知らなかったコミュニケーション術 日本人がいない外国人だらけの環境で習得した武器としてのビジネス英語 年収250万円の保育士さんが株で年間500万円 いくつになっても必要とされる人 あえて玉石混交で並べてみました。 ここで一つ質問です。 次の2つのコピー、 どちらが記憶に残るでしょうか? いくつになっても必要とされる人 人生100年時代に80歳を過ぎても必要とされる人 おそらく、多く
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出版して終わる人と終わらない人の違いはここです

「本を出せば、何かが変わる」と信じていた 本を出す前、多くの人がこう思っています。 「出版すれば、誰かが見つけてくれる」 「出版社が何かしてくれる」 「本を出したという事実が、仕事を連れてきてくれる」 そして、出版後。 何日も、何週間も、何かが起きるのを待ちます。 しかし—— 何も起きない。 売上ランキングも動かず、問い合わせも来ず、周囲の反応も静かなまま。 やがて、自分の本の存在すら、日常の中に埋もれていく。 これは、珍しいことではありません。 むしろ、今の時代では「何も起きない方が普通」です。 私は出版社で30年以上編集者として働き、独立後は電子書籍のプロデュースを行ってきました。 これまで数多くの著者を見てきた中で、はっきりと言えることがあります。 本は、出しただけでは、ほとんど何も起きません。 書店が減った世界で、本は静かに消えていく新型コロナウイルス騒動以前、日本には今より多くの書店がありました。 出版された本は全国の書店に並び、どこか一店舗で火がつけば、そこから全国に広がる可能性がありました。 しかし現在、書店の数は大幅に減少しています。 それに伴い、流通する冊数も減りました。 特に、新人著者の本の場合。 出版社が潤沢な宣伝費を投じることは、ほとんどありません。 理由はシンプルです。 売れるかどうか分からないからです。 出版社もビジネスです。 限られた資源は、確実に売れる見込みのある本に集中します。 つまり、新人著者の本は、 「出すところまで」が出版社の役割であり、 「広げるところから」は著者自身の役割になる時代になっているのです。 これは紙の本も、電子書籍も同じで
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「たった2カ月」で著者への信頼が崩れた日──次のチャンスを手放す人の共通点

今日は紙の商業出版での経験をベースに書いています。 しかし、電子書籍の世界でも通じる話です。 ぜひ、参考にしてください。 「企画が通れば、一冊の本は基本的に最後まで出る」。 よほどのトラブルが起きない限り、出版の現場では、これが常識です。 企画が正式通過すれば売り上げが予算として計上されるからです。 だからこそ、企画が動き始めたら、著者と編集者は同じゴールを見て走り続ける必要があります。 しかし私は、ある著者をたった2カ月で「信用できない」と判断しました。 今日は、その実例から「信頼を失う著者の特徴」を共有します。 これは、これから本を出したい人にこそ、ぜひ知ってほしい話です。 ■ 信用が失われた瞬間 ある企画が走り出し、著者の原稿制作フェーズに入りました。 著者自身の執筆ではなく、腕の立つプロのライターを私が依頼し、執筆を進める流れでした。 初稿が上がり、著者へ確認を依頼しました。 返ってきた反応は── てにをは 言い回しの細かな言い換え 読者にとって意味が変わらない表現修正 など、いわば“重箱の隅つつき”とも言える修正が、全編にびっしり。 その瞬間、私はこう感じました。 「この著者は、ライターの力量も、私の判断も信じていない」 そして最も問題なのは── その修正が丸ごと読者のためになっていなかったことです。 難解な文章になるものも多く、読者が読みやすく、理解しやすくなる方向とは真逆でした。 ■ 信頼が失われる著者の共通点 その著者が示した態度には、はっきりとした特徴があります。 ●「自分目線」しか持たない 読者より、自分のこだわりを優先する。 ●編集者・ライターを軽視する
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信用を失うのはたった3日──本を出したい人・ライター志望者が絶対にやってはいけないこと

■「連絡が取れない3日」で信用は壊れる あなたが「いつか本を出したい」「ライターとして仕事がしたい」と思っているなら、 今日これだけは心に刻んでください。 “3日連絡が取れない”だけで、あなたの信用は一瞬で崩れる。 これは少し大げさに聞こえるかもしれません。 でも、出版や編集の現場では、それが現実です。 私は30年以上、編集の現場で多くの著者やライターと関わってきました。 どんなに実力があっても、どんなに良い原稿を書けても、 「連絡が取れない」というだけで、その人への信頼はゼロになります。 ある自己啓発書のゴーストライティングをお願いしたときのことです。 ライターさんは「大丈夫です、やります!」と快く引き受けてくれました。 ところが、執筆の途中から10日間、完全に連絡が取れなくなったのです。 メールを送っても既読にならず、電話にも出ない。 原稿がどこまで進んでいるのか、体調を崩しているのかすら分からない。 進行を確認できないまま、発売日が迫っていきました。 出版の現場で「10日間の沈黙」は致命的です。 それは「信用を失う10日間」でもあります。 結果的にその方との仕事は、その一件を最後に終わりました。 何年も一緒に仕事をしてきた信頼関係が、一瞬で消えてしまったのです。 ■出版の現場では「発売日厳守」が絶対ルール 昔は少しぐらいスケジュールがずれても、何とかなった時代もありました。 しかし今は違います。 出版社は月次決算で細かく進行を管理しており、発売日の変更はほぼ不可能です。 1冊の発売が遅れると、他の本や広告、流通すべてに影響します。 そのため、編集者は常に進行を「見える化」
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出版で成果が出る人・出ない人の決定的な違い

「自分の考えを広めたい」という気持ちが、壁になることもある 「いつか自分の本を出したい」「自分の考えを世の中に広めたい」 そう思う人はとても多いでしょう。 でも実は——この“想いの強さ”が、出版のチャンスを遠ざけてしまうことがあるのです。 私自身、これまで数百冊の本を編集してきましたが、 自分の考えに固執して、周囲の意見をまったく受け入れない人ほど、 残念ながら出版で成果を出せていません。 一方で、「読者にどう伝わるか」という視点を大切にする人は、 出版をきっかけにチャンスをつかむケースがとても多いのです。 自分の中で完結してしまう「自己満足の本」自分の考えをストレートに表現することは、悪いことではありません。 むしろ本来の出版の原点は「自己表現」です。 ただ、“自分の中ですべてが完結してしまう表現”になると、 それは読者に届かない本になってしまいます。 たとえば、自費出版で身近な人に配るのであれば、 それでも構いません。 しかし、商業出版や電子書籍で「世の中に広めたい」と思うなら、 もう一段深く考える必要があります。 「読者はこの本を読んで、どんな気持ちになるだろう?」 「読者にとって、どんなベネフィット(得られる価値)があるだろう?」 この“読者目線”を持てるかどうか。 ここが、成果を分ける最初の分かれ道です。 読者目線に切り替えたら、テレビ取材まで舞い込んだ話 私が編集を担当したある著者は、 足専門の整体院を経営している“足の専門家”でした。 最初は「女性向けダイエット本にしたい」と企画書を持ってこられました。 しかし当時、私は街中で“男性の靴底の外側だけが減っている”こ
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自称・出版を知っている人の一言で、あなたの出版は終わるかもしれない

「もしかして自分も騙されているのでは…」という不安 「企画書さえ磨けば、商業出版は実現しますよ」 「今は0円で出版できます」 「出版社の仕組み?だいたい分かっています」 こんな言葉を目にしたとき、どこかで違和感を覚えながらも、「本当にそうならうれしい」と思ってしまう。 本を出したい人ほど、そうした言葉に心が揺れるのではないでしょうか。 今週は「自称・出版の仕組みを知っている人に騙されてはいけない」というテーマで書いていますが、ちょうどタイムリーな記事が2月23日付のYahoo!ニュースに掲載されました。 ★重版 怖い と複数検索してください『「重版こわい」の謎…うれしいはずの重版出来が中小出版社を悩ませている金銭的カラクリ』 この記事を読んで、「やっぱりそうだよな」と思いました。 しかし同時に、「この構造を知らずに“出版を語る人”があまりに多い」とも感じました。 「重版出来」を知らない人が、出版を語る 記事で触れられている「重版出来(じゅうはんしゅったい/じゅうはんでき)」という言葉。 重版が刷り上がった、という意味です。 私はどちらで呼んでもいいと思っていますが、そもそもこの言葉の存在自体を知らない人が、「出版の仕組みを知っている」と発信している現実があります。 私は講談社に新卒で入社し、30年以上この業界で編集をしてきました。 企画会議にも出席し、実際に「採択される企画」と「落ちる企画」の両方を見てきました。 初版3000部という設定も、この記事と同じ。 これは現実的な数字です。 ですが、出版の現場を知らない人は、 「重版=儲かる」 「売れれば出版社はハッピー」 と単純に語
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なぜ「あの本だけ」が売れていくのか──知ってしまうともう戻れない“出版の裏側”

■あなたもこう感じたことはありませんか? 「いい本を書けば、勝手に売れていくんでしょ?」 「出版社が流通に乗せたら、あとは自然と読者が買ってくれるはずだ」 ――もし、そんなふうに思っているなら、今日の記事は衝撃になるかもしれません。 私は出版社に30年以上身を置き、編集・制作だけでなく“売る現場”にも深く関わってきました。 そしてある日、講談社時代の先輩(販売部の責任者を長く務めた方)から、こんな言葉を聞かされました。 「今はね、10年前の“2倍の販売促進”をして、ようやく昔と同じ部数に届くんだよ」 その瞬間、私はハッとしました。 「売る努力の絶対量」が、時代と共にここまで変わってしまったのかと。 ■本は“出しただけでは”絶対に売れない理由 出版社が本を発売日に全国に配送し、書店に並べる。 このプロセスそのものは昔と変わりません。 しかし、読者の行動が変わりました。 SNSで大量の情報が流れてくる Kindle Unlimitedで無料の選択肢が増えた YouTubeやTikTokが読書時間を奪う つまり、書店で「偶然出会ってもらう」のが、以前より圧倒的に難しくなったのです。 だからこそ今は、 “本を知ってもらうための努力”が売上の大半を決める という時代にシフトしています。 ■私が販売部と一緒に走り続けた日々 主婦の友社にいた頃、私は“編集者”でありながら“営業の一員”でもありました。 書店回りをし、POPを書き、販促企画を提案し、イベントの段取りまで行う。 販売部のメンバーからは、 「三宅川さんは、編集なのに“売る側”の人間でもある」 とまで言われていました。 その経験から
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「印象がいい」だけでは信用にはならない──自費出版トラブルから考える、本当の信頼のつくり方

先日、ある投稿を目にしました。 それは、自費出版で本を出した方の体験談でした。 「ついに本が出版されました!」 というおめでたい報告から始まっていましたが、その数か月後── 「電話をしても鳴りっぱなし」「担当者と連絡が取れない」 そんな悲痛な報告へと変わっていたのです。販売ページを見ても在庫はわずか5冊。 売れたのは親戚や知人が買ってくれた10冊だけ。 払った金額は130万円。 当然ながら書店には並ばず、広告も打たれず。 出版という夢は、一瞬で「現実」に引き戻されてしまいました。 投稿者はこう書いていました。 「本を出せた嬉しさよりも、悲しさのほうが大きかった」 お金を失っただけでなく、“人への信用”まで失ってしまった── そんな結末を読んで、私は胸が痛みました。 「感じがいい」ことと「信用できる」ことは違う この投稿の中で印象的だったのは、担当者の“最初の印象”です。 とても人当たりが良く、話を聞いてくれて、共感してくれて、 「あなたの本には可能性があります!」と背中を押してくれたそうです。 しかし契約を済ませた瞬間、対応は一変。 原稿の修正依頼には応じず、出版後のサポートもなく、 最後は連絡が取れなくなってしまった。 つまり、「感じがいい」は入口に過ぎず、 そこに“中身”や“責任”が伴わなければ信用にはならないのです。 私も長く出版の世界にいますが、 「印象がいい人」が必ずしも「信頼できる人」ではありません。 むしろ、出版業界の裏を知らない人ほど、 その「感じの良さ」に惹かれてしまうのだと思います。 出版の裏側を知る努力をしてほしい これは出版に限りませんが、 「知らないこ
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〈実例をお見せします〉編集者はどのように原稿に赤字を入れるのか?

「自分はSNSで毎日文章を書いているから、原稿を書くのは得意だ」 「文章には自信があるし、そんなに直されることはないだろう」 本を書こうとする人の多くが、心のどこかでこう思っています。 しかし、いざプロの編集者に原稿を渡したとき、待ち受けている現実は往々にして想像とまったく違います。 戻ってきた自分の原稿が、編集者の赤字で“真っ赤っか”になっている。 この光景に驚き、ショックを受ける著者は少なくありません。 私が赤字を入れた原稿の実例をお見せしましょう。 驚くかもしれません。↑どうしても横で表示できなくてすみません!実際、何十冊も出版しているベテラン著者であれば、赤字がほとんど入らないこともあります。 ですが、初めての出版では、ほぼ例外なく原稿は赤ペンだらけになります。 これは「文章力がないから」ではなく、「本にするための文章の書き方」と「日常的に書いている文章の書き方」がまったく違うからなのです。 赤字が入る3つの典型的なポイント 編集者がどんなところに赤字を入れているのか、代表的な例を3つあげてみます。 ① 良い文章を書こうとしすぎる 初めて本を書く人ほど「いい文章を書かなきゃ」と力が入りがちです。 すると、修飾語をやたらと重ねたり、後の展開を考えずに思いつくまま書いてしまったり…。 結果、読み手からすると「結局何を言いたいの?」と迷子になってしまう文章になります。 本は「著者が書きたいこと」を並べる場ではありません。 「読者が読みやすい形に整えられたメッセージ」を提供する場です。 ここを意識できるかどうかが、赤字の量を大きく左右します。 ② 一つの文章に一つのことだけ書
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【30万部突破】「健康になりたきゃ腎臓をもみなさい」著者との信頼が教えてくれた、人にしかできない出版の力

私はこれまで数多くの著者の「商業出版デビュー」を編集者として実現してきました。 その中でも特に忘れられないのが、ある著者との出会いです。 彼のデビュー作は、女性向けの「顔を変える美容の本」。 私が編集を担当し、これが彼の“人生初”の出版でした。 その後、彼は別の出版社から出した2冊目──『健康になりたきゃ腎臓をもみなさい』で一気にブレイク。 ついに累計30万部を超えるロングセラーとなったのです。 出版デビューを支えた身として、これほど嬉しいことはありませんでした。 けれどそれ以上にうれしかったのは、彼との「関係」が今も続いていることです。 3年前、再び私に「新しい本を一緒に作りたい」と声をかけてくれました。 そのとき彼が言った言葉が、今でも胸に残っています。 「初めて出版のオファーをくれたのは、みやがわさんでした。 冗談半分ですが、“出版の処女”を捧げた気持ちなんです。 だからみやがわさんのオファーなら、できる限り応えたいと思っています。」 その言葉を聞いたとき、私は心の底から思いました。 出版は、人と人との信頼でしか生まれないものだ。 「目の前の一冊」に全力を尽くすことで見える景色 彼のデビュー作を作っていた当時、私はただ目の前の原稿と格闘していました。 「どうすればこの本が一人でも多くの読者に届くか」 「構成をどう磨けば“実用的で読みやすい”と感じてもらえるか」 「どんな付加価値をつければ書店で立ち止まってもらえるか」 ──そんなことばかりを考えていた日々。 正直、そのときは著者の“未来の成功”まで想像できていませんでした。 でも、あのとき本気で一冊に向き合ったからこそ、
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返品が7割の本が続出しているのに、なぜ出版社は本を出し続けるのか

SNSで最近、こんな投稿を目にしました。 ある著者の方が「自分の本が書店に並んでいて嬉しい」「まだ置いてもらっているうちに、もっと広めなきゃ」と高いテンションで投稿していたのです。 その方は一年半ほど前に紙の商業出版でデビューをしたそうです。 業界に長くいる人間からすれば、「発売から一年半」という時点で、その本が“売れたかどうか”の結果はもうはっきりしている期間です。 けれど、著者本人はそんな裏事情を知る機会がほとんどありません。 自分の本が出るというのは、一生に一度あるかないかの経験です。 テンションが上がるのは当然です。 だからこそ私は、その投稿を見ながら「わかるなぁ」と共感しつつも、どこか胸が痛くなるような気持ちになりました。 デビュー作の“その後”を数字で見てしまった 少し意地悪かもしれませんが、私はその本の流通データを調べてみました。 (出版業界にいると、ある程度のデータはすぐに調べられるのです。) 結果は――驚くほどシビアでした。 なんと、返品率は約70%。 つまり10冊出荷されたうち7冊が書店から戻ってきているということです。 実際に売れたのは全体の25%ほど。 残りの数%は、今も書店の倉庫や棚で“滞留”している状態です。 この数字を見て「それでも健闘しているほうだ」と言う編集者もいます。 けれど、ビジネスとして採算が合うはずもありません。 著者にとっては「夢の出版」でも、出版社にとっては赤字案件となっている可能性が高いのです。 「売れない」とわかっていても、本を出し続ける出版社 先日、あるビジネス書系で強い出版社の編集者と話をしました。 その人は率直にこう言いま
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書籍編集者のリアルな一日──主婦の友社時代を振り返って

出社時間に「厳密さ」がない理由 出版社の編集者には、厳密な出社時間というものがありません。 それは「朝がゆるい」という意味ではなく、「夜が終わらない」からです。 私が女性ファッション誌の編集部にいたころ、最終締め切りが終わったのは午前4時。そのまま仮眠も取らずに、朝6時には次号のファッションページ撮影の待ち合わせ。編集部に寝袋を置き、泊まり込むのは当たり前でした。 そんな生活を数年続けたあと、書籍編集部に異動しました。雑誌と違い、書籍は「月刊」ではなく「作品単位」で進む分、呼吸のリズムはゆるやかです。それでも、締め切り前は夜10時を過ぎてもデスクに灯りがついていました。 机の上の「大きな封筒」から始まる朝 出社すると、机の上には印刷所から届いた大きな茶封筒。中には「色校(いろこう)」──カバーや帯のデザインを実際に印刷したサンプルが入っています。 著者名の文字が1ミリでもズレていないか。帯コピーの誤字がないか。印刷の色味がモニター上とズレていないか。 編集者は自分の目で、そして著者・校正者の目で何度も確認します。 午前中はこれらの確認と各所への送付であっという間に過ぎていきます。 午後の勝負は「企画会議」 出版社によって形式は違いますが、企画会議の緊張感はどこも同じです。 会議には編集部長、販売部長、営業担当、時には経営幹部も同席します。 提案者である私は、企画書にびっしりと数字を埋めます。 「同テーマの既刊は何部売れて、何割が返品されたか」 「プロモーション予算はいくらか」 「著者のSNSフォロワー数は?」 編集者は“感性”だけで企画を通せる時代ではありません。 理論武装をし
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