今日は紙の商業出版での経験をベースに書いています。
しかし、電子書籍の世界でも通じる話です。
ぜひ、参考にしてください。
「企画が通れば、一冊の本は基本的に最後まで出る」。
よほどのトラブルが起きない限り、出版の現場では、これが常識です。
企画が正式通過すれば売り上げが予算として計上されるからです。
だからこそ、企画が動き始めたら、著者と編集者は同じゴールを見て走り続ける必要があります。
しかし私は、ある著者をたった2カ月で「信用できない」と判断しました。
今日は、その実例から「信頼を失う著者の特徴」を共有します。
これは、これから本を出したい人にこそ、ぜひ知ってほしい話です。
■ 信用が失われた瞬間
ある企画が走り出し、著者の原稿制作フェーズに入りました。
著者自身の執筆ではなく、腕の立つプロのライターを私が依頼し、執筆を進める流れでした。
初稿が上がり、著者へ確認を依頼しました。
返ってきた反応は──
てにをは
言い回しの細かな言い換え
読者にとって意味が変わらない表現修正
など、いわば“重箱の隅つつき”とも言える修正が、全編にびっしり。
その瞬間、私はこう感じました。
「この著者は、ライターの力量も、私の判断も信じていない」
そして最も問題なのは──
その修正が丸ごと読者のためになっていなかったことです。
難解な文章になるものも多く、読者が読みやすく、理解しやすくなる方向とは真逆でした。
■ 信頼が失われる著者の共通点
その著者が示した態度には、はっきりとした特徴があります。
●「自分目線」しか持たない
読者より、自分のこだわりを優先する。
●編集者・ライターを軽視する
プロへの敬意がないため、連携が成立しない。
●“本を届ける”より“自分の言い分”が優先される
目的がズレている。
出版は一人ではできません。
本当に強い著者は、プロの意見を尊重し、ベストな形を探します。
■ 編集者が一番失望すること
正直にお伝えします。
もし本が売れなくても
著者と編集者が全力で向き合い、読者のために戦った本であれば
「次のチャンス」は生まれます。
しかし、
著者が自分本位で、敬意を示さず、読者より自己主張を優先した場合──
次はありません。
編集者は、もう一度やりたいと思えません。
むしろ、誰にも推薦できません。
そうして、その著者は出版というチャンスの扉を、自ら閉じてしまうのです。
■ 行動に移すために
これを読んでいる方へ、ひとつだけお願いがあります。
次に出版の機会が来たら──
「自分のため」ではなく「読者のため」に判断してください。
そして、
編集者とライターという“プロの仲間”を信じてください。
その姿勢が、
次の仕事を引き寄せ、
次の本へ繋がり、
読者の人生を変えていく力になります。
出版とは、そういう営みです。