時代が変われば「出版したい人」の条件も変わる──そして最後に残るのは“信用”だけ

時代が変われば「出版したい人」の条件も変わる──そして最後に残るのは“信用”だけ

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ビジネス・マーケティング

◆大手出版社がひたすらフォロワーを追う理由

ある大手出版社では、編集者全員が毎日SNSやYouTubeのフォロワー数を調べ続けている──そんな話を聞いたことがあります。
もちろん、どの出版社も似たようなことをしていますが、その会社は群を抜いています。
フォロワー10万人以上であれば即オファー。
数年前までは、これが出版の王道ルートと言ってもよかったでしょう。
しかし、今は状況が変わっています。
SNS総フォロワー60万人の著者の本を担当したとき、正直なところ“まったく売れなかった”経験があります。
フォロワーが多い=本が売れる時代は、もう終わったのです。
では今、何が人を本の購買へと動かすのか?
その答えは、時代とともに変化してきました。

◆メルマガ10万人でベストセラーになった時代

私が編集者として駆け出しだった2005年頃。
当時は「メルマガ登録者数」が本の売れ行きを左右していました。
デビュー作を担当したある著者は、10万人のメルマガ読者を持っていました。
発売日にメルマガで告知しただけで、Amazon総合28位まで一気にランクイン。
その後、3万部近いヒットになり、文庫化までされました。
当時の私は驚きの連続でしたが、“メルマガの影響力”が出版を動かしていたのは確かです。

◆19,800円の情報商材から生まれたヒット本

次に私が着目したのは、黎明期の「情報商材」でした。
19,800円の恋愛ノウハウを販売していた男性著者を見つけ、東京から信越地方まで会いに行きました。
再現性が高く、内容にも信頼がおけると判断した私は、彼を口説き落とし、
“情報商材のダイジェスト版を本にする”というプロジェクトをスタート。
定価は強気の2,200円。
それでも新宿の大型書店では、1冊で250冊近く売れたという記録が残っています。
当時は「情報商材が影響力を持つ時代」でした。

◆そしてSNS全盛期へ。しかし“フォロワーだけ”では売れない

その後、YouTuberやインフルエンサーが出版業界を席巻しました。
出版社はこぞってフォロワー数を追い、数字が大きければ売れる──と信じて疑わなかった。
でも今は違います。
フォロワー数がいくら大きくても、
「なぜこの人の言葉を買うのか?」
「この人は信頼できるのか?」
という読者の目は確実に厳しくなっています。
つまり、数字より“信用”が優先される時代に入ったのです。

◆初対面の著者で大事なのは「信用できるかどうか」

ここで最も強調したいのは、
出版の可否は、影響力以前に“信用”で決まる
ということです。
初出版、初対面の相手ほど、
・相手は誠実か?
・一緒にプロジェクトを進められる人か?
・編集者や出版社へのリスペクトはあるか?
こうした人間性が非常に重要になります。
出版社から声をかけられたことで、突然“上から目線”に変わる人もいます。
編集者の意図を無視し、自己主張だけを押し通そうとする人もいます。
その瞬間、出版プロジェクトは破綻します。
書籍は“ひとりで作るもの”ではありません。
著者・編集者・営業・宣伝……
多くの人が連携して初めて形になるものです。
その中心にあるのは、いつの時代も
信用
このひとつだけです。

◆電子書籍でも同じ──信用がある人だけが長く読まれる

これは私たちが行っている電子書籍プロデュースでもまったく同じです。
数字がある人よりも、
納得するまで話し合える人、誠実に向き合える人
が、結局は読まれる本を作ります。
時代が変わっても、出版の本質は変わりません。
SNS、メルマガ、情報商材、YouTube……
あらゆる“流行りの指標”が入れ替わっても、
人として信頼される人だけが、時代を超えて読まれていくのです。
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