「自分なんて、まだ本を出すほどの実績はない」
「もう少し売上が伸びてから」
「肩書きができてから出版を考えたい」
経営者や士業、個人事業主の方と話していると、こういう言葉をよく聞きます。
その気持ちはよくわかります。本は「成功した人が出すもの」というイメージが、まだ強く残っているからです。
ただ、2026年8月の出版環境を見ていると、私はむしろ逆だと考えています。
電子書籍は「成功した後に出すもの」ではなく、「成功へ向かう途中だからこそ出せるもの」になってきた。
ここを理解すると、出版に対する考え方が大きく変わります。
「まだ途中」は、電子書籍では弱みではない
たとえば、会社を立ち上げて試行錯誤している経営者。顧客を増やすために新しい方法を実践している士業。ある業界の常識を変えようとしている個人事業主。
完成された成功者ではなくても、その人にしか語れない経験があります。
何に悩んだのか。
どこで失敗したのか。
何を変えたら状況が動いたのか。
そして、今どこを目指しているのか。
実は、この「現在進行形」にこそ価値があります。
なぜなら読者もまた、何かの途中にいるからです。
自分と同じようなところでもがいていた人が、一歩先を歩いている。その経験を読めば、「自分にもできるかもしれない」と思える。
電子書籍なら、そのリアルな経験を一冊にまとめ、「この分野なら、この人」という認識をつくることができます。
だから私は、電子書籍を単なる「本づくり」だけとは考えていません。
著者を、その事業・分野の専門家としてポジショニングするためのメディアだと考えています。
紙の商業出版は「売れる根拠」を求められる
一方、紙の商業出版には出版社側の事情があります。
書店に本を流通させれば、売れなかった本は返品されます。出版社は制作費だけでなく、印刷、流通、在庫などのリスクを負います。
そのため、「いい内容ですね」だけでは企画が通りにくい。
著者に十分な実績があるか。
一定数のファンがいるか。
販売につながるバックボーンがあるか。
今、このテーマを出して売れる根拠があるか。
こうしたことを厳しく問われます。
つまり紙の商業出版は、どうしても**「すでに何かを成し遂げた人」ほど有利になる仕組み**なのです。
出版プロデュース会社などを介して商業出版の実現を目指せば、条件によっては500万円、場合によっては1000万円を超える費用が必要になるケースもあります。
「本を出して、自分の事業を前へ進めたい」と考えている人にとって、このハードルは決して低くありません。
もう一つの大きな問題は「時間」です
そして2026年の今、私が費用以上に重要だと思っているのが時間です。
紙の商業出版では、企画が決まっても発売まで1年以上かかることがあります。
企画会議、編集、営業との調整、刊行時期の決定……。出版社には出版社の事情があります。
しかし、事業をしている人にとっての1年は長い。
AIをはじめ、ビジネス環境は猛烈なスピードで変化しています。
2026年8月に発信したい専門性を、2027年秋に本にして、本当に同じ価値があるでしょうか。
私たちがプロデュースする電子書籍では、通常の進行なら契約から約3カ月半で出版を目指します。
ここには明確な理由があります。
出版そのものをゴールにしたくないからです。
本を出すことではなく「次に何が起きるか」を設計する
私が考える電子書籍プロデュースは、原稿を書いてAmazonに登録して終わり、という制作代行ではありません。
著者への取材から専門知識や経験を引き出し、「この人は何の専門家なのか」が読者に一瞬で伝わるテーマ、構成、タイトル、デザインに落とし込む。
さらに出版時には、ランキング獲得やメディア掲載なども視野に入れ、「著者」という実績を次の仕事につなげていく。
目指しているのは、
専門家 → 出版 → 信用 → 認知 → 指名
という流れです。
だから、単純に「紙かKindleか」という話ではありません。
問うべきなのは、「あなたは何のために出版するのか」です。
「いつか本を出したい」のいつかを待つ必要はない
全国の書店に本が並ぶことが夢なら、紙の商業出版を目指す意味はもちろんあります。
しかし目的が、
「自分の専門性を知ってもらいたい」
「競合との違いを明確にしたい」
「この分野の専門家として認識されたい」
「問い合わせや仕事につなげたい」
「事業を次のフェーズへ進めたい」
ということであれば、私は必ずしも商業出版を待つ必要はないと考えています。
成功してから出版するのではない。
出版することで、自分が目指しているポジションへ近づいていく。
電子書籍の価値は、ここにあります。
あなたが今、何かに挑戦している途中なら、その「途中」にしか書けない本があるかもしれません。
むしろ私は聞いてみたいです。
「もっと実績をつくってから」と出版を先送りしている人は、何が達成できたら“本を出していい自分”になれると思いますか?