SNSで炎上した“AIライティング講座”
最近、SNS上であるインフルエンサーが開催した「AIを使ったライティング講座」が炎上しています。
「AIを使って文章を量産し、ライターとして稼ぎましょう」という触れ込み。
費用はなんと50万円。
参加した人の話では、講義と合宿がセットになっていて、「AIはすごい」「これからはAIの時代」「AIでお金を生み出そう」といった話ばかりが延々と続いたそうです。
まともなライティングのテクニックや文章の構成法といった中身は、ほとんどなかったとか。
私は出版業界の現場で30年以上、編集・ライティングの最前線で仕事をしてきました。
そんな私から見ると、正直こう言いたくなります。
「出版・ライティングをバカにするな!」
AIを使えば書ける?──そんなに甘くない
AIが進化しているのは確かです。
プロンプト(指示文)をうまく使えば、AIは構成案や見出し、語彙提案など、文章づくりの補助にはなります。
しかし、それだけで「読者に届く文章」になるわけではありません。
どんなにAIを使っても、心を動かす文章を書くには「人間の経験」と「思考」が不可欠です。
読者の背景を想像し、言葉の温度を調整し、伝わる順番を考える。
それがプロのライターや編集者の仕事です。
AIはあくまで“補助輪”です。
それを「エンジン」だと勘違いした瞬間、文章は薄っぺらくなります。
そして、そんな勘違いを助長するような講座が存在することに、私は強い憤りを感じます。
フォロワー数=信頼ではない
この講座に50万円を支払った人たちは、「フォロワーが多い」「影響力がある」という理由でそのインフルエンサーを信用したのでしょう。
けれど、フォロワー数と専門性はまったく別物です。
本当に学ぶ価値があるのは、「現場を知っている人」からです。
長年、読者と向き合い、言葉の力で信頼を積み重ねてきた人。
そういう人から学ぶことこそが、あなたの財産になります。
SNSでは、誰でも簡単に情報発信ができます。
それは素晴らしいことですが、同時に“ドシロート”でも講師を名乗れてしまう副作用もある。
「この人、実績は?」「読者のことを本当に理解している?」。その確認を怠ると、今回のような悲劇が繰り返されます。
プロが守るべき「信用」の重み
人に読んでもらってお金をいただく。
これは簡単なことではありません。
技術と経験と、そして読者への誠実さが求められます。
私たちのように出版・編集を仕事にしてきた人間にとって、最も大切なのは「信用」です。
クライアントから信用されること。
そして、そのクライアントが出す電子書籍が“読者から信用される本”になること。
それを常に意識して、日々プロデュースをしています。
出版とは「信用の媒介」だと思います。
だからこそ、軽い気持ちで講座を開いてお金を集めるような人たちには、強く言いたい。
業界を汚すような真似は、やめてほしい。
最後に──見抜く目を持とう
AIを使うこと自体は悪ではありません。
むしろプロこそ、積極的に活用すべきだと思います。
ただし、それを教える側が「AIを使えば誰でも稼げる」と誤解させるような売り方をしてはいけない。
そして、学ぶ側も“誰から学ぶか”を見極める必要があります。
実績、姿勢、現場経験──そこに誠実さがあるかどうか。
この目を養うことこそ、これからの時代に最も必要なスキルではないでしょうか。
私たちの電子書籍プロデュースでは、クライアント様と信頼関係を築きながら、読者の信頼を得る価値ある本を生み出すことを何よりも大切にしています。