思考停止編集者が量産する“刺さらない帯コピー”──15秒で忘れられる言葉と、心に残る言葉の違い
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ビジネス・マーケティング
「帯コピー」は本気で考えられているのか?
本屋に行くと、私はつい本の帯ばかり見てしまいます。
職業病です。
出版社で30年以上編集をやってきたので、帯コピーを見ると
「この編集者、相当考えたな」
「うーん……これは思考停止だな」
そんなことまで分かってしまいます。
帯コピーというのは、本来とても重要なものです。
なぜなら、
本は基本的に“15秒以内”に買うかどうか判断される商品だからです。
表紙 → タイトル → 帯コピー。
この3つで興味を引けなければ、
本は棚に戻されます。
つまり帯コピーは
一瞬で心をつかむ言葉でなければいけない。
にもかかわらず、実際には
「何となく作られたコピー」も少なくありません。
玉石混交の帯コピーたち
例えば、こんなコピーがあります。
今売り時だ!新ニーサにも手を出してはいけない
新規上場を導いた弁護士が見てきて分かった目標を完遂する人に共通するコツ
買いのタイミングがドンピシャでわかる!お化け期待ゾーン必見
一流アスリート、上場企業経営者、トップセールス39万人が実践したノート術
コロナショック時の逆転勝利!10倍高ゲットした成功例
占い師・霊能者など限られた人しか知らなかったコミュニケーション術
日本人がいない外国人だらけの環境で習得した武器としてのビジネス英語
年収250万円の保育士さんが株で年間500万円
いくつになっても必要とされる人
あえて玉石混交で並べてみました。
ここで一つ質問です。
次の2つのコピー、
どちらが記憶に残るでしょうか?
いくつになっても必要とされる人
人生100年時代に80歳を過ぎても必要とされる人
おそらく、多くの人は後者を覚えると思います。
なぜか。具体的だからです。
広く狙うコピーは、誰にも刺さらない
編集者がよくやってしまう失敗があります。
それは
「できるだけ多くの人に読まれたい」
という発想です。
するとコピーはこうなります。
「いくつになっても必要とされる人」
一見、良さそうに見えます。
でも実際には、誰の頭にも残りません。
なぜなら
誰の悩みも具体的に想像できないからです。
一方で、例えば
「今売り時だ!新ニーサにも手を出してはいけない」
このコピーは明確です。
株を始めたばかりの人、
新NISAに興味がある人。
その人たちにだけ刺さればいい。
だから、
刺さる人は瞬時に反応します。
情報過多の時代は「深掘り」がすべて
今の時代、
コピーは昔よりもはるかに深く考える必要があります。
少なくとも次の3つは必須です。
① 誰に向けているのか
年齢
職業
経験
状況
ここが曖昧だとコピーは弱くなります。
② その人は何に悩んでいるのか
表面的な悩みではなく、
・なぜそれに悩むのか
・本当は何が欲しいのか
・何が怖いのか
ここまで考える必要があります。
③ 脳内に映像が浮かぶか
コピーは
映像化できるほど強い。
例えば
「年収250万円の保育士さんが株で年間500万円」
このコピーは人物像が浮かびます。
だから読んでしまう。
本屋は無料のコピーライティング学校
実は、本屋は
最高のコピーライティング教材です。
しかも無料。
帯コピーを見れば、
強いコピー
古いコピー
思考停止コピー
全部が並んでいます。
それを見て
「なぜこれは刺さるのか?」
「なぜこれは弱いのか?」
考えるだけで
ものすごい勉強になります。
もしかすると、あなたも…
少し挑発的なことを言います。
もしコピーを書くときに
誰に向けているか考えていない
悩みを具体的に想像していない
映像が浮かぶ言葉になっていない
としたら。
それはもしかすると
思考停止コピーかもしれません。
もちろん、私も昔はそうでした。
だから今でも本屋に行くと
帯コピーを見続けています。
まだまだ勉強中です。
さて、最後に一つ質問です。
もしあなたが編集者だったら
次のコピー、どう変えますか?
「いくつになっても必要とされる人」
ここをどう深掘りするかで、
コピーの強さはまったく変わります。
正解は一つではありません。
だからこそ、
コピーは面白いのだと思います。