憧れの雑誌やSNSで見た、洗練された空間。こだわりのインテリアに、淹れたての香ばしいコーヒー。そんな「おしゃれなカフェ」で優雅なひとときを過ごしている自分を想像すると、なんだか背筋が伸びるような、素敵な自分になれたような気がしてワクワクしますよね。
でも、いざお店の扉の前に立つと、なぜか足が止まってしまう。
「せっかくここまで来たんだし」と自分を奮い立たせて中に入ってみても、次々と入ってくるお客さんの足音、店内に響き渡る賑やかな話し声、そして耳の奥にまで突き刺さってくるような大きめのBGM。
一気に心拍数が上がって、急に息苦しくなり、コーヒーの味なんて分からないまま、結局いつものチェーン店に駆け込んでしまう。
そんなとき、あなたは自分を責めていませんか?
「せっかくの休日なのに、なんで私ってこうなんだろう」「もっと普通の人のように、どこでも楽しく過ごせたらいいのに」なんて、自分を小さく見つめてしまうかもしれません。
でもね、そんなことは決してありません。
あなたが「おしゃれなカフェ」から足が遠のいてしまうのは、心が弱いからでも、社交的じゃないからでもないんです。
それは、あなたが自分の心と体を守るための「とても鋭く、繊細なセンサー」をしっかりと働かせているからに他なりません。
心理カウンセラーとして、たくさんの繊細な心の声に触れてきましたが、多くの人はこの感覚を「ダメなもの」だと誤解してしまっています。
でも僕は、そんなセンサーこそが、あなたの人生を豊かにするための宝物だと信じています。
周りの音を拾いすぎてしまうこと、多くの人の気配に圧倒されてしまうこと。それは、それだけあなたが周りの状況を細やかに感じ取り、深く受け取ることができるという証です。
大きな音やたくさんの情報にさらされたとき、心が「もうこれ以上は受け取れません!」とSOSを出してくれているのは、あなたが自分自身を壊さないようにするための正常な防衛反応です。
だから、無理をしてその空間にいようとする必要なんてないんです。
「チェーン店でいいや」と思える場所は、あなたにとっての「安全基地」です。
席の間隔が広く、店員さんの距離感も心地よく、何より「何をすればいいか」というルールが明確なチェーン店は、繊細な心にとって最高に落ち着けるオアシスなんです。
そこでゆっくりと温かい飲み物を飲んでいるとき、あなたの心は「ようやく一息つけた」と安らぎを感じているはず。
その感覚を、何よりも大切にしてあげてください。
「おしゃれなカフェ」に行けない自分を嘆くのではなく、「自分にとって心地よい場所を見つけられた自分」を、どうか褒めてあげてほしいのです。
無理をして憧れに合わせる必要はありません。
たとえチェーン店であっても、そこであなたが自分らしく穏やかに過ごせているなら、その時間はどんな高級なカフェでの時間よりも、あなたにとって価値のある、心を満たす時間になります。
もし、どうしてもその「洗練された空間」を体験してみたいと思ったら、無理をせずに空いている時間帯を狙ってみたり、耳栓やノイズキャンセリングイヤホンで少しだけ音を遮断してみたりして、工夫をしながら自分を守ってあげてくださいね。
あなたの繊細さは、あなたを守るための大切な力です。
だから、自分の心の声に、これからも正直に生きていきましょう。
あなたが自分を認めてあげたとき、これまでとは少しだけ違う、もっと優しい毎日が待っているはずですから。