学校で“問題児”と呼ばれる“ギフテッド”⑥

学校で“問題児”と呼ばれる“ギフテッド”⑥

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コラム

予定変更で世界が壊れる子


ヒナは、水曜日が好きだった。

水曜日は図工。

図工の前には理科。

理科の後には給食。

それがヒナの中で、きれいに並んでいた。

ある水曜日、先生が言った。

「今日は体育館が空いたので、図工を体育にします」

クラスは喜んだ。

ヒナだけが固まった。

「今日は図工です」

「でも、体育館が使えるから」

「今日は図工です」

先生は少し強く言った。

「わがままを言わない」

その瞬間、ヒナは泣き出した。

体育が嫌いだったわけではない。

走るのも嫌ではない。

ただ、水曜日の形が壊れたのだ。

帰宅後、母親が聞いた。

「何がつらかったの?」

ヒナは言った。

「水曜日が、水曜日じゃなくなった」

母親は次の日、予定表に一つ空欄を作った。

そこには、こう書いた。

「変わるかもしれない時間」

ヒナは最初、その欄を嫌がった。

けれど少しずつ、世界には壊れる場所を先につくっておけるのだと知った。
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