私は、家にいる間、過去のことをずっと思い返していた。
今自分は周りの目からはどうやって見えているのか
仕事をクビになって喜んでいるだろう
元旦那も再婚して幸せなんだろう
私には幸せになる権利はない
だけど、子どもだけには幸せになってほしい
ふと思った
私を愛してくれた人がいないのに
私が子どもを愛するなんてできるんだろうか
一緒に遊んでもらった記憶もない
私は「自分がしてもらいたかったこと」を子どもに押し付けているだけなのではないだろうか…
私は「最低な親」なのでは…
逃げる場所なんてどこにもない
それでも朝はやってくる
私は引っ越しのことを保護課の方に相談して、とても優しく対応してもらったと思う。
さぁ、物件探しだ…
あ…仕事していないんだった…
どうやって借りればいいんだろう…
私は誰に相談できるハズもなく
再度、保護課に電話してみた
アパートや貸家を借りる時は保護を受給しているとどうなるのか
借りられないとなったら、この先お隣の人とずっといなければならない…
担当の方が電話に出てくれた、ことの詳細を話すと
「そうですよね~、皆さん引っ越しの際は悩まれますが、仕事をしている方より保護を受給している方が審査が通りやすかったりします。家賃の保証があるので、だから安心して探してくださいね!もしなんかトラブルになったらまた連絡くださいね!物件探し一人で大変でしょうが、コチラはお手伝いすることができないので、お母さんココは少し頑張ってくださいね」
と優しく言ってくれた。
物件探しまで甘える気はなかったが、とても救われた。
すこし「目標」が見えた気がした。
不動産屋さんにいくのも本当に身体が追い付かないくらいの体力しかなく…
不動産屋さんに行くのも怖かった
不動産屋さんに保護のことを言わなければならないのか…
恥ずかしい…、軽蔑されたらどうしよう
緊張と安堵と不安が入り混じった感情
それでも考えなければいけないことはたくさんあった。
息子の支援学校の送迎
他の姉妹の学校の行事や友達のこと
それに家事…
そろそろ息子の病院にも通院しなければならない
自分の病院
私は不動産屋さんを通すのではなく
「個人」で貸している物件を探すことにした。
アパ〇ンショップのような店舗にいくことに勇気がでなかった
パニック発作や保護のこと、色んなことに自分が答えられる自信がなかった
今住んでいる貸家のトイレが「簡易水洗」だったので今ではあまりみない「トイレの汲み取り」業者に頼んでいた。
その業者さんは引っ越しがあったり浄化槽の掃除や管理をする時に物件のことをよく知っているらしい、という話を聞いた。
今度お願いするときに聞いてみよう。
自分で探すこともそれなりにしていた。
車で子どもを送迎の少しの時間などを利用して…
学校のこともあって範囲が決められている。
そんなに狭い範囲ではないが、学校は「小学校/中学校」は近くにあるので下の娘のことも考えると遠くには借りられない。
日に日に「焦り」を感じてきた。
私にとって「1日」は10日くらいの感覚があった。
引っ越ししたい、けれど物件をどうやって探そう…
アパートになると狭いうえに家賃が高くなる…
今回のようなトラブルも避けたい…
これ以上狭い家は限界だろうと感じていた。
探してみても「空いているような家」はあるが、どこに連絡したらいいのかわからない物件や、もはや「貸し出していない」可能性もあった。
どこからどう手を付ければいいのかサッパリわからなかった。
やっぱり不動産屋さんに行くしかないのかな…
それでも送迎は毎日だからその間を色んな範囲を広げてみたりはしていた。
そうこうしているウチにトイレの業者の人が来た。
いつも現金でのやり取りなので必ずピンポンを押す。
早速聞いてみることにした。
そうすると…
「あ~物件ね、そうだねぇ、お子さん3人いたらココでは狭いよね~、そういえば、近くだけどあったよ、教えてあげよっか!すぐ近くだからもしよかったら今そこまで連れて行ってあげるよ!」
と言ってくれた!!
私はそんなことまでしてくれるとは思ってもいなかったので
「ありがとうございます!!お仕事に影響がなければぜひお願いしたいです!」と答えた。
業者さんは「通り道だし、ホント近くだからいいよ」
と気軽に言ってくれた。
私はすぐにバックを持って自分の車に乗った。
「ついてきて!」と言われたからだ。
私はすぐに見失わないようについていった
車で3分くらいのところでその業者さんの車は止まった
「ココだよ!ココは汲み取りじゃないし、自分仕事で洗浄した時にきたところだから知ってるんだよ!車庫もあるし、連絡先はホラ!そこに看板あるから連絡してみな!」
と言ってくれた。
私は、何度も何度もお礼を言った。
業者の人は、笑顔でその場を去った。
私は業者の人を見送ってから、看板を確認した。
確かに「貸します 連絡先…」
と書いてある。
こんな道のところで電話するより一度帰ろうと思い、家に帰った。
見た目なんかどうでもよかったが、割と広そうに感じた。
一軒家、隣までの距離も結構ある
これなら子供たちが少しくらい騒いでも問題ないな…
なんか特殊な作りをしているようにも感じたが、そんなことはどうでもよかった。
「やった!」という気持ちのほうが強かった。
もちろんまだ「決定」ではない。
家に帰り、記録した電話番号を登録した。
どうやって話そう…
またパニック発作のような呼吸と動悸がしてきた。
「落ち着け…落ち着け…」
そう自分に言い聞かせて…
自分の頭の中で聞きたいことなどを整理しよう…
聞きたいこと
お家賃・初期費用・部屋数、内見できるか
まず、それだけ…
全部わかって、相手の方の話し方なども視野にいれよう…。
長いお付き合いになるのに高圧的な人だと怖い…
いい物件でも先のことを考えると気が進まなくなる。
少しづつ…少しづつ…
深呼吸をして…
思い切って電話をかけた。
電話の相手は、男性だった。
割と年配な感じの声…
私は物件の話を伺ってみた
「あ~あの○○町の家ね、家賃は4万円で更新手数料とかもめんどくさいからしてないよ」と話してくれた。
私は内見できるかと聞く前に…
「あ~お宅さんよければ自分今からそっちにいくから中見てみる?」
と言い出してくれた。
そんな急でいいのかと私の方がビックリした。
私の方は構わないことを伝えると
「そう、じゃあ今から20分くらいでそっちに着くから家の前で待っててください~」
と言って電話が切れた。
私はポカンとしてしまった。
まぁ…まだ「契約した」わけじゃないから…と自分に言い聞かせた
ことがポンポン進んでしまっていることに私は拍子抜けしたような感じになっていた。
以前の自分なら「白黒ハッキリ!今すぐ!」という考えでフットワークも軽かったのに…
今は、こんなにスムーズに事が運ぶことに躊躇してしまっている。
待て待て…
焦るな…
自分を必死に抑えた。
内見しても焦って決めないように自分に言い聞かせた。
家からは3分くらいで着いてしまうので
少し待ってから向かうことにした。
ほどなくして、大家さんであろう人が車でやってきた。
お互い挨拶をして、早速「内見」することとなった。
玄関を入るととても広い玄関がお出迎えしてくれた。
玄関から車庫に出入りできるようになっていた
リビングとお風呂、キッチンや部屋などをみて色々説明を受けた。
全リビング以外「和室」だったが車庫の上にある部屋は洋室となっていた。
部屋も1つ1つが広い部屋だった。
トイレも男女に分かれていて水洗だった。
お風呂は今までとは比べものにならないくらい広い「足を伸ばして入れる」お風呂だった。
これは灯油がガスかはわからないけど高そうだな、と思っていたが大家さんが察知したのか
「お風呂の給湯などは全部”都市ガス”に変えたんだよ、賃貸はそっちのほうがいいって言われたからさ~」と。
都市ガス!!これは魅力的な話ではあった。
今の半分の料金で済む計算になる…
家賃と足して引いてもだいぶ抑えられる…
問題は「保護」のことだった。
大家さんが畳みかけるように
「今、お仕事は?」と聞かれてしまった…
そうなるよね…
私は隠すこともせず
「実は今生活保護を受給していて…」というとすかさず
「あ~そうなの?うちは保証人つけてもらう契約だけど、保護もらっているならいらないよ」とサクッと言われた。
私は驚いて「そうなんですか?!保護受給していると借りにくいかと思って増ました」と正直に言うと
「いや~このご時世、働いててもわからないからね~保護もらっている人のほうが安心だよ~」と言っていた。
深くは聞かなかったが、前に「夜逃げ?」をされたことがあったようだ。
全然お家賃の延滞がなかったのにいきなり連絡が途絶えて職場に連絡したときには退職していたようで、相当困ったことがあったらしい。
被せるように「子どもいたら、この家はいいと思うよ~考えてみて~」と。
私は「わかりました、ありがとうございます」
と言って、お互いにその家を離れた。
私は、家に帰り今見てきた物件のことを思い出しながら間取りを書いてみた。
何畳かまでは把握しきれなかったが、おおよその部屋の間取り。
学校などの関係や家賃など…。
その日は一気に色んなことがありすぎて、子供たちが帰ってきて息子を迎えに行ってからのご飯などを終えお風呂やなんかを終わらせて、自分がベットに入る頃にはクラクラしていた。
緊張が一気に解けた気がした