短編:さようならのかわりにありがとうをもういちど
何も言ってくれなければ何もわからないよ。
なにを失敗したのかわからないよ。
僕は君を傷つけることしか出来ないのかな?
君の夢を見たよ。
夢の君は、笑っていた。
今の君は笑えてるのかな?
それとも別の誰かとなら笑えるのかな?
鳴り止まない胸の鼓動。
君もまたバイバイなのかな?
出会いと別れのこの場所で、僕は君と出逢い、そして僕は君と別れる。
ただそれだけの人生。
君は僕が変わらないって言ったけど、君は変わったね。
人は変わっていくものだけど、変われない人もいる。
変わりたくても変われない。
変われば壊れる気がして変われない。
ただ失うことだけを考える。
ただ失うことの恐怖と不安の繰り返し
、今までもこれまでもこれからも
変えることのできない僕。
すぐに変われる君が羨ましい。
そして、君がそばにいるあの人が羨ましい。
ひとりは楽だ。
ひとりが楽だ。
でも、それはひとりよがり。
ずっとひとり。
いつもひとり。
ひとりじゃないって気づいた時。
「お前はひとり」
とあの人に言われ、その後の言葉に信じている人すべてに裏切られたことに気づく。
離れていくなら来なければいいのに。
傷つけるだけなら近づかないで欲しかった。
人を傷つける人は嫌い。
なのに僕は傷つける側の人間にもなってしまった。
消えゆく命のままに。
僕も消えれたらいいのに。
生きるってなんだろう?
死ぬのと違いはあるのかな?
死後の世界があるのなら、生きている世界と違いはない。
生きている世界で、これだけ傷つけられた。
なら死後の世界では傷つけられないのかな?
答えは誰にもわからない。
わかっているのはただひとつ、死後の世界に他
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