今日の絵:夜を見上げる瞳
ずっと昔、まだ私が精神的に幼い小娘だった頃、星を眺めている私を眺めている人がいて、そんな彼女が、私の隣でぼそりと言いました。「星よりもそれを見つめるあなたを見ていたいと思う」私は、びっくりして思わず振り返りました。なんてうつくしい言葉だろう、と思ったのです。今の私は、そういうあまったるい台詞を臆面もなく言えてしまう記憶の中の彼女を、真正面から思い出すほど純情ではないけれどそれでも、その言葉を発した彼女が、あの時、大真面目だったことを、私は知っています。その言葉は、ときおり腐った私のもとに現れて、ほんの少し、やさしい気持ちにしてくれるのです。彼女はもう私の世界から消えてしまったけれど、うつくしいものや好きなものを、照れることなく真っすぐに言葉にしては、世界にやさしさを増やしている彼女を、私は今でも、尊敬しています。
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