―私が提唱する、学校不適応を防ぐための支援―
ギフテッドの子が学校で苦しむとき、そこには子どもだけの問題があるわけではありません。
先生だけが悪いわけでもありません。
子どもには子どもの見え方があります。
先生には先生の立場があります。
そして、その間に大きなズレが生まれることがあります。
子どもは、難しい質問をしているだけかもしれません。
でも先生には、授業を妨害しているように見える。
子どもは、興味のない内容に集中できないだけかもしれません。
でも先生には、授業を無視しているように見える。
子どもは、矛盾に気づいて指摘しているだけかもしれません。
でも先生には、反抗的で生意気に見える。
このすれ違いが続くと、子どもは先生から否定的に見られます。
「扱いにくい子」
「態度が悪い子」
「生意気な子」
そう見られた子どもは、さらに学校に居づらくなります。
やがて、先生との関係が苦しくなり、不登校につながることもあります。
私は、こうした子どもたちに必要なのは、子どもと先生の間に立つ「翻訳者」だと考えています。
翻訳者とは、特別な資格を持つ人だけを指すのではありません。
保護者、支援者、スクールカウンセラー、理解ある先生、外部の教育相談者。
誰でも、その役割を担うことができます。
翻訳者の役割は、子どもの行動を先生に分かる言葉へ変えることです。
「この子は先生をバカにしているのではなく、説明の矛盾が気になっています」
「授業を聞いていないのではなく、内容が簡単すぎて知的に飢えています」
「反抗しているのではなく、納得できないと動けません」
同時に、先生側の事情も子どもに伝える必要があります。
「先生は一人でクラス全体を見ている」
「今は全員に説明する時間だから、質問はあとで深めよう」
「あなたの考えは大切だけれど、伝え方を工夫しよう」
この橋渡しがあるだけで、関係は変わります。
ギフテッドの子に必要なのは、特別扱いではありません。
その子の特性が誤解されないための通訳です。
私は、ギフテッド、不登校、2E、発達特性のある子どもたちには、家庭と学校の間に「第三の理解者」が必要だと提唱しています。
子どもを責めるのでもなく、先生を責めるのでもなく、すれ違いを翻訳する。
その役割があることで、子どもは学校の中で孤立しにくくなります。
そして保護者も、一人で学校との関係を背負わなくてよくなるのです。