―「聞いていない」の奥にある、興味と納得の問題―
ギフテッドの子は、先生を無視しているように見えることがあります。
授業を聞かない。
先生の指示に反応しない。
先生の説明を途中で遮る。
ときには、先生の知識不足を指摘してしまう。
これだけを見ると、「失礼な子」「先生をバカにしている子」と思われても仕方ありません。
実際、学校では先生との関係がこじれやすくなることがあります。
しかし、その子の中では、必ずしも「先生を困らせよう」という気持ちがあるわけではありません。
興味のない内容に集中できない。
すでに知っている内容だと、聞く意味を感じられない。
説明に矛盾があると、そこが気になって先へ進めない。
自分の中に別の考えが浮かび、先生の話から離れてしまう。
こうしたことが起きています。
ギフテッドの子は、知的に高度な発言をすることがあります。
一方で、相手の立場や場面に合わせて言葉を調整する力は、まだ育っている途中です。
だから、思ったことをそのまま言ってしまう。
「それは違うと思います」
「もっと良い方法があります」
「先生の説明は不十分です」
本人は事実を言っているつもりでも、先生には批判や挑発に聞こえることがあります。
ここで大切なのは、子どもの言葉をすべて許すことではありません。
相手を傷つける言い方は、やはり学び直す必要があります。
ただし、子どもの問いや違和感そのものを否定してはいけません。
私は、ギフテッドの子には「問いを認め、表現を育てる支援」が必要だと考えています。
「その疑問は大切だね」
「でも、その言い方だと相手は傷つくよ」
「授業中ではなく、あとで話そう」
「質問ノートに書いておこう」
このように、思考と態度を分けて扱うことが大切です。
先生を無視しているように見える子も、本当は世界を理解しようとしているのかもしれません。
問題は、問いの鋭さではありません。
その問いを、どう人に届けるかです。
そこを育てることができれば、先生との関係も少しずつ変わっていきます。