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第29回 資金繰りが不安でも、誰にも相談できない人へ

「資金繰りのことは、なかなか人に話せないんです。」経営者の方から、こうした言葉を聞くことがあります。それも無理のないことだと思います。資金繰りの話は、売上のこと手元資金のこと支払いのこと生活への影響こうした、かなり現実的な話につながるからです。だからこそ、不安があっても、一人で抱え込んでしまうことが少なくありません。「まだ大丈夫」が相談を遠ざける資金繰りの不安は、本当に厳しくなってから突然始まるわけではありません。むしろ、少し手元資金が減ってきた来月の支払いが少し気になる売上の見通しが読みにくいそんな、“何となく気になる”段階から始まることが多いです。ですが、この段階では、「まだ相談するほどではない」と考えてしまいやすい。結果として、一人で考える時間だけが長くなっていきます。一人で考え続けると、視点が狭くなる資金繰りが気になり始めると、頭の中では、売上を増やさなければ経費を削らなければ今月を乗り切らなければという考えがぐるぐる回り始めます。もちろん、必要な視点です。ですが、一人で考え続けていると、選択肢が少しずつ狭くなっていくことがあります。本当に売上の問題なのかタイミングの問題なのか資金の流れの問題なのかこうした整理ができないまま、焦りだけが強くなっていくこともあります。資金繰りの不安は、「整理」されていないことも多い実際には、資金繰りの不安の正体が、必ずしも「お金が足りないこと」とは限りません。先の見通しが見えていない数字が頭の中だけで動いているどこが山場なのか分からないこうした状態だと、不安は必要以上に大きくなります。逆に、今、手元資金はいくらあるかいつ、何が出ていくかど
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第30回 創業の不安は『気合』では解消しない

「結局、覚悟の問題ですよね。」創業の話になると、時々こうした言葉を聞くことがあります。もちろん、・一歩踏み出す勇気・続ける覚悟・行動する力は大切です。ですが、創業準備を進めている方のお話を聞いていると、不安の原因は、必ずしも「気合が足りない」ことではないと感じます。不安があるのは、真剣に考えている証拠でもある創業前には、・本当に生活していけるのか・売上は作れるのか・今のタイミングでいいのかといった不安が出てきます。これは、決して珍しいことではありません。むしろ、現実と向き合おうとしているからこそ出てくる不安とも言えます。気合で乗り越えようとすると、整理が止まる不安が強くなると、「考えすぎず、とにかくやってみよう」という言葉に救われることもあります。確かに、考えすぎて動けなくなることはあります。ですが一方で、気合だけで進もうとすると、・売上の見通し・生活とのバランス・資金の持ち方・判断の基準といった、本来整理すべき部分が曖昧なままになってしまうことがあります。不安の正体は、「未整理」であることも多い創業の不安は、能力不足や覚悟不足ではなく、・何が不安なのか分からない・どこまで準備できているのか曖昧・判断材料が頭の中だけにあるという状態から生まれていることも少なくありません。実際には、言葉にしてみる。数字にしてみる。条件を並べてみる。それだけでも、不安の見え方が変わることがあります。「やるか、やらないか」だけではない創業準備は、「今すぐ始めるか、やめるか」の二択だけではありません。・まず小さく始める・半年準備する・条件が揃うまで待つこうした選択肢もあります。ただ、ここで詰まりやすい
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第24回 相談相手がいないまま一人で考え続ける創業準備の落とし穴

創業準備をしていると、多くの方が一度はこう感じます。「何から手をつければいいのか分からない」「これで本当に大丈夫なのか不安」ですが同時に、「まだ相談するほどでもない気がする」「もう少し整理してから相談しよう」そう考えて、一人で考え続けてしまうことも少なくありません。一人で考える時間が長くなる理由創業準備は、正解がはっきりしない比較対象が見えにくい自分で決めるしかないという特徴があります。そのため、情報収集をしながら、頭の中で何度もシミュレーションを繰り返す。気づけば、ずっと考えているのに、前に進んでいないという状態になっていることがあります。見落としやすい“思考の偏り”一人で考え続けていると、無意識のうちに都合の良い前提だけを採用してしまう不安な部分を後回しにしてしまうリスクを過小評価してしまうといった偏りが生まれます。これは能力の問題ではなく、誰でも起こり得ることです。数字や条件が“曖昧なまま進む”怖さ特に創業準備では、売上の見通し初期投資生活費とのバランスこうした部分が曖昧なままでも、なんとなく話は進んでいきます。ですが、この“なんとなく”の積み重ねが、後から資金繰りや判断の迷いにつながることがあります。相談は「整理してから」ではなく「整理するため」に「もう少し整理してから相談しよう」そう思うのは自然です。ただ実際には、相談は“整理が終わってからするもの”ではなく、整理するために使うものです。頭の中にあるものを言葉にするだけでも、何が不安なのかどこが曖昧なのか何を決める必要があるのかが見えてきます。創業は、一人で進めるものではない最終的な判断は、ご自身で行うものです。ただ、
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第28回 創業計画を立てたのに、不安が消えない理由

「創業計画も作ったし、数字も考えた。それなのに、なぜか不安が消えないんです。」創業準備を進めている方から、こうした言葉を聞くことがあります。創業計画を作ると、やるべきことが整理される必要な数字が見えてくる方向性が明確になる確かに、これは大きな前進です。ですが実際には、計画を立てたからといって、不安がゼロになるわけではありません。不安が残るのは、珍しいことではない創業計画を作ったあとに、「これで本当にやっていけるのか」という気持ちが強くなることがあります。これは、計画が失敗しているわけではありません。むしろ、現実が見えてきたからこそ生まれる不安でもあります。計画を作ると、「責任」が見えてくる創業前は、「まずはやってみたい」という想いが中心になりやすいものです。ですが、計画を立てると、毎月どれくらい売上が必要か生活費をどう維持するかどこまで資金が持つのかといった、“現実の条件”が見えてきます。すると今度は、「本当にこの数字を実現できるのか」という不安が出てきます。不安が消えない本当の理由ここで見落としやすいのが、不安の原因は「計画がないこと」ではなく、“計画をどう実行するか”がまだ曖昧なことにある場合が多い、ということです。例えば、集客をどう始めるかどこで見込み客と出会うか売上が予定より遅れたらどうするかこうした部分が整理されていないと、計画はあっても、行動につながりにくくなります。「数字がある安心」と「動ける安心」は違う創業計画を作ると、数字の整理はできます。ですが、実際に動く場面では、判断優先順位不安との向き合いが必要になります。ここは、計画書を作っただけでは埋まらない部分です
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第27回 やりたいことはあるのに、決断できない人が見落としていること

「やりたいことはあるんですけど、なかなか決めきれなくて…」創業準備や事業の見直しの場面で、よく聞く言葉です。やりたい方向はなんとなく見えているでも、踏み出す決断ができない気づけば時間だけが過ぎているこの状態は、決して珍しいものではありません。決断できないのは、意志が弱いからではない決断できないと、覚悟が足りないのではないか自分は向いていないのではないかと感じてしまうことがあります。ですが、多くの場合それは違います。決断できない理由は、意志の問題ではなく、判断材料が整理されていないことであることがほとんどです。「やりたい」と「できる」がつながっていないやりたいことがあっても、どれくらいの売上が必要かどれくらい時間がかかるのか生活とのバランスはどうかといった現実の条件と結びついていないと、判断の土台がないままになります。その状態では、進んでいいのかもう少し待つべきかの判断ができません。決断できない人ほど、情報は持っている意外かもしれませんが、決断できない方ほど、情報はたくさん持っているよく考えているリスクも理解していることが多いです。ただ、それが“自分の状況に落とし込まれていない”ために、判断につながらないのです。「完璧な判断」を求めると動けなくなるもう一つ見落としやすいのが、失敗したくない間違えたくない正しい選択をしたいという気持ちです。ですが、創業や経営においては、最初から正解の選択肢が用意されていることはほとんどありません。完璧な判断を求めるほど、決断は遠のいてしまいます。決断の前に必要なのは「整理」決断できないときに必要なのは、新しい情報を増やすことではなく、何が不安なのか
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第26回 「今月はなんとかなる」が続くと危ない理由

「今月は、なんとか回りそうです」資金繰りのご相談を受けていると、この言葉をよく耳にします。もちろん、今月を乗り切ることは大切です。ただ、「今月はなんとかなる」が何か月も続いている状態は、少し注意が必要かもしれません。“なんとかなる”は、悪いことではないまず大前提として、「なんとかなるように頑張る」こと自体は悪くありません。入金を待つ支払いを調整する経費を抑える売上を増やすために動く経営では、こうした工夫が必要な場面もあります。問題なのは、毎月“その場しのぎ”になってしまうことです。判断が「今月」だけになる怖さ資金繰りが苦しくなると、どうしても視点が短くなります。今月の支払いをどうするか来週の入金までどう持たせるか今回だけ、どうにか乗り切れないかもちろん、それ自体は必要な判断です。ですが、“今月だけ”を見る状態が続くと、来月の支払い税金や賞与借入返済季節要因による売上の波といった、少し先の問題が見えなくなっていきます。「なんとかなる」が続くと、感覚が麻痺する最初は不安だった状態でも、毎月なんとか乗り切れてしまうと、まだ大丈夫だろう来月も同じように回るだろうもう少し様子を見ようという感覚になりやすくなります。ですが、資金繰りは“急に悪くなる”ことがあります。大きな支払いが重なる売上が想定より落ちる入金が遅れる税金や更新費用が重なるこうした出来事は、突然起きるものではなく、実は前から予兆が出ていることも少なくありません。「なんとかなる」の前に、整理する今月を乗り切ることは大切です。ただ、手元資金はいくらあるのか来月・再来月に何があるのかどこが山場になりそうかを見えていないまま、“なん
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第21回 資金繰りの不安は、社長一人で抱えなくていい

資金繰りの話になると、多くの経営者の方がこう言います。「これは自分が背負うしかないことだから」「家族や周りに迷惑や不安をかけたくないから」確かに、最終的な判断は経営者の役目です。誰かに代わってもらえるものではありません。また、現在のキャッシュの状況は、会社の体力を示すものでもあるので、なかなか開示をためらうのもすごくよく分かります。ですが――一人で抱え込む必要まではありません。資金繰りは、見えない不安を生みやすい資金繰りの怖さは、お金そのものよりも、“見通しが分からないこと”にあります。・来月は大丈夫だろうか・このまま続けていいのか・判断を間違えていないかこうした不安は、一人で考えているとどんどん膨らんでいきます。誰にも見せられない数字資金繰りの数字は、先に申したように・従業員にも・取引先にも・家族にもなかなか簡単には見せられないものです。だからこそ、社長一人の頭の中だけで回り続ける状態になりやすい。これは、多くの経営者が経験していることです。整理されるだけで、不安の質は変わる資金繰りの不安は、「問題の大きさ」よりも、整理されていないことから生まれる場合が少なくありません。・手元資金はいくらか・支払いはいつか・入金はいつかこれを紙の上に並べるだけでも、漠然とした不安が“扱える問題”に変わります。経営者には、壁打ち相手が必要です経営の判断は、最終的には一人で行うものです。ただ、考えを整理する相手がいるだけで、・見落としに気づく・判断が冷静になる・不安が言語化できるこうした変化が起こります。資金繰りの整理は、必ずしも難しい計算が必要なわけではありません。むしろ、一緒に状況を見直す時
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第18回 資金繰りが不安なとき、最初に見るべき数字は3つだけ

資金繰りが不安になるとき、多くの方はこう感じます。・何から確認すればいいのか分からない・決算書を見るべき?・売上を増やすことを考えるべき?数字が並ぶと、それだけで気持ちが重くなります。ですが、最初から難しい資料を見る必要はありません。まず見るべき数字は、たった3つだけです。① 今、手元にいくらあるかまず最初に確認したいのは、「今すぐ使えるお金がいくらあるか」です。・普通預金の残高・すぐ引き出せる資金これがスタート地点です。決算書よりも、将来の売上予測よりも、まずは「現在地」を知ることが大切です。② 今後1〜3か月で、いくら出ていくか次に見るのは、「近い将来に確実に出ていくお金」です。・家賃や人件費などの固定費・仕入れや外注費・税金や社会保険料・借入返済ポイントは、「理想」ではなく「確実に出る金額」を出すことです。ここが見えると、・どれくらい持ちこたえられるのか・どのタイミングが山場かが見えてきます。③ いつ、いくら入ってくるか最後に見るのは、**「入金の予定」**です。・請求済みで入金待ちの売上・定期的な入金・ほぼ確実な受注予定ここで重要なのは、「見込み」と「確定」を分けること。楽観的に見積もりすぎると、見通しはすぐに崩れてしまいます。この3つが分かるだけで、不安の質が変わる資金繰りが不安なとき、多くの場合は「全体が見えていない」ことが原因です。ですが、・手元資金・近い将来の支出・入金予定この3つが整理されるだけで、・本当に危ないのか・少し余裕があるのか・どこで手を打つべきかが、見えてきます。売上の前に、流れを整える不安になると、「もっと売上を増やさないと」と考えがちです。です
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第17回 資金繰りが苦しい=経営が失敗、ではありません

「最近、資金繰りが少し苦しくて…」そう口にするとき、多くの経営者の方はどこか申し訳なさそうな表情をされます。・自分の経営判断が悪かったのではないか・やり方を間違えたのではないか・向いていないのではないか資金繰りが厳しい、という言葉には、どこか「失敗」の響きがつきまといます。ですが、はっきり言えることがあります。資金繰りが苦しい=経営が失敗、ではありません。資金繰りは「構造」の問題資金繰りが不安定になる理由は、能力や努力不足とは限りません。・売上は立っているが、入金が遅い・仕入や外注費は先に支払う必要がある・設備投資や税金が重なる・想定外の支出が出るこうした「お金の流れの構造」によって、一時的に苦しくなることは、どんな規模の事業でも起こります。問題は、苦しいことそのものではなく、先の見通しが見えていないことです。一番つらいのは「見えない不安」資金繰りが苦しいときに本当にしんどいのは、・いくら足りないのか分からない・いつまで続くのか分からない・どこで底を打つのか分からないという“見えない状態”です。見通しが立たないと、・判断が先送りになる・必要以上に守りに入る・逆に無理な攻めをしてしまうといった極端な行動につながることもあります。創業者も、既存事業者も同じです創業間もない方であれば、・想定どおりに売上が伸びない・手元資金が減っていくスピードが怖い既に事業を続けている方であれば、・決算は黒字でも現金が少ない・来期の着地が読めない立場は違っても、悩みの本質は同じです。「見通しが持てないこと」が不安の正体です。苦しいときほど、感覚ではなく整理を資金繰りが苦しいと感じたとき、・とにかく売上
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第14回 数字が苦手な人ほど、創業計画を後回しにしてはいけない理由

創業計画の話をすると、こんな反応をされることがあります。「数字が本当に苦手で……」「計算が得意な人がやるものですよね」「もう少し事業が動いてから考えようと思っていて」数字に苦手意識がある方ほど、創業計画を後回しにしてしまいがちです。ですが実は、数字が苦手な人ほど、早い段階で創業計画に向き合っておいたほうがいいというケースは少なくありません。「数字が苦手」なまま進むと起きやすいこと数字が苦手な状態で創業準備を進めていくと、こんな感覚に陥りやすくなります。・なんとなく不安だけど、理由が分からない・売上がどれくらい必要か、実感が持てない・お金の話になると考えるのをやめてしまうこの状態が続くと、・判断が感覚頼りになる・問題が起きてから初めて数字を見る・「こんなはずじゃなかった」と後から気づくという流れになりがちです。創業計画は「正確な数字」を作るものではありませんここでよくある誤解があります。創業計画というと、「正確な売上予測」「細かい数字の積み上げ」を求められるものだと思われがちです。ですが、最初から正確な数字を出せる人はほとんどいません。創業計画の本来の役割は、・どれくらい売上が必要か・どれくらい支出が出そうか・どこで資金が足りなくなりそうかを大まかに把握することにあります。精度よりも、「考えたかどうか」が重要です。数字が苦手な人ほど「見えない不安」を抱えやすい数字を見ないまま進むと、不安は消えるどころか、むしろ大きくなります。なぜなら、・何が不安なのか分からない・どこが危ないのか見えない状態になるからです。逆に、ざっくりでも数字に触れてみると、・不安の正体が少し分かる・想像より大
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第25回 事業計画に『想い』しか書けていないときの危険信号

創業のご相談を受けていると、とても熱い想いを持っている方に出会います。この事業で誰かの役に立ちたいこういうサービスが必要だと思う自分の経験を活かしたいその想いは、とても大切なものです。実際、想いがなければ事業は長く続きません。ただ――事業計画に「想い」しか書けていないときは、少し立ち止まって考えた方がいいサインでもあります。想いが強いほど、見えにくくなるもの想いがあると、行動力が上がる判断が早くなる周囲を巻き込めるという良い面があります。一方で、数字の現実時間の制約資金の限界といった部分が、後回しになりやすくなります。これは意識していないだけで、誰にでも起こり得ることです。「なんとかなる」は、計画ではない事業計画の中でよく見かけるのが、最初は厳しいかもしれませんが、頑張ります口コミで広がっていくと思います徐々に売上が伸びていく想定ですといった表現です。これらはすべて、想いとしては正しいです。ですが、計画として見ると、どれくらいのペースでどのくらいの売上になりいつ黒字化するのかが見えていません。これでは、「うまくいかなかったときに、どこを直せばいいのか」が分からなくなってしまいます。想いと現実をつなぐのが「計画」事業計画は、想いを否定するものではありません。むしろ、想いを現実につなぐための道具です。どれくらい売上が必要かどのくらい時間がかかるか資金はどこまで持つのかこれを整理することで、想いが“実行可能な形”になります。想いだけの計画が危ない理由想いだけで進めてしまうと、うまくいかない理由が分からない改善の方向が見えない不安だけが大きくなるという状態に陥りやすくなります。これは、
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第23回 資金繰り表は“苦しくなってから”作るものではない

「資金繰りが厳しくなってきたら、作ろうと思っています」資金繰り表についてお話しすると、こう言われることがあります。確かに、資金繰りという言葉自体が「苦しくなったときに使うもの」というイメージを持たれやすいのは自然です。ですが実際には――苦しくなってからでは、遅いことがあります。なぜ“後回し”になってしまうのか資金繰り表が後回しになる理由は、難しさではありません。まだ大丈夫そう今はそこまで困っていないなんとなく先送りこうした感覚です。そして気づいたときには、手元資金が減っている支払いが重なっている判断の余裕がないという状態になっていることもあります。本当に怖いのは「余裕がない状態での判断」資金繰りが厳しくなってから動くと、焦って売上を取りにいく条件の悪い取引でも受けてしまう本来避けたかった判断をしてしまうということが起こりやすくなります。これは能力の問題ではなく、時間的な余裕がなくなっていることが原因です。資金繰り表は“余裕があるとき”にこそ意味がある資金繰り表の価値は、苦しい状況を説明することではなく、先に気づくことにあります。どのタイミングが山場かどこで資金が減るかどれくらい余裕があるかこれが見えていれば、早めに手を打つ無理な判断を避ける選択肢を残すことができます。完璧な表は必要ありません資金繰り表というと、難しいものを想像されるかもしれません。ですが、最初は今の手元資金近い将来の支出入金予定この3つが分かるだけで十分です。完璧な精度よりも、続けて見直せることの方が価値があります。守るための準備は、早いほどいい資金繰りは、攻めるためのものではなく、守るためのものです。生活を守
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第19回 売上を増やす前に、止血を考えたほうがいい理由

「売上を上げないといけない」経営をしていると、この言葉が頭から離れなくなります。広告を出す。新サービスを作る。単価を上げる。営業を増やす。確かに、売上は大切です。けれど、私は現場で何度も見てきました。売上を追いかける前に、止血が必要な状態の会社を。売上が増えても、お金が残らないことがある売上が上がっても、・回収サイトが長い・仕入れが先払い・固定費が重い・借入返済が重なっているこうした状態では、むしろ売上増加が資金繰りを悪化させることもあります。「忙しいのに、お金が減っている」これは珍しい話ではありません。本当に見るべきは“流れ”です経営で怖いのは、売上が低いことではなく、お金の流れを把握しないまま動くことです。今、手元資金はいくらか。来月の支払いはいくらか。入金はいつか。これを整理するだけで、“漠然とした不安”は“扱える問題”に変わります。止血とは、守るということ止血というと、後ろ向きな印象を持つかもしれません。でも違います。止血は、防御です。生活を守るため。事業を続けるため。冷静な判断を取り戻すため。まず守る。それから攻める。売上を増やすのは、その後でも遅くない資金繰りが整理されていない状態で売上を追うと、焦りが判断を鈍らせます。一方で、流れが見えていると、攻めるタイミングも、退くタイミングも、選べます。もし今、「売上を上げなきゃ」と焦っているなら、一度立ち止まってみてください。止血が必要な状態かもしれません。資金繰りは、苦しくなってからのものではなく、安心して攻めるための土台です。まずは整理から。(あなたの事業のお金の巡りを整理するためにお役に立てるメニューを下に挙げておき
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第15回 黒字なのに不安が消えない理由は、資金繰りを見ていないから

「黒字のはずなのに、なぜか安心できない」創業間もない方や、事業が少し軌道に乗ってきた方から、こうした声を聞くことがあります。・売上は立っている・利益も出ている・でも、なぜか不安が残るこの感覚には、はっきりとした理由があります。利益とお金は、同じではありません会計上「黒字」であっても、手元にお金が十分あるとは限りません。・売上は立っているが、入金はまだ先・仕入れや外注費は先に支払う必要がある・設備投資や税金の支払いが控えているこうしたタイミングのズレによって、利益は出ているのに、お金が足りないという状況は、珍しくありません。この仕組みを知らないままだと、・なぜ不安なのか分からない・とにかく売上を増やさなければと思ってしまうという判断につながりやすくなります。不安の正体は「見えていないこと」黒字なのに不安が消えないとき、多くの場合、不安の正体は「お金の流れが見えていないこと」にあります。・今、いくら手元にあるのか・来月、どれくらい出ていくのか・入金はいつ入るのかこれが整理されていないと、感覚だけで「大丈夫だろう」「危ないかもしれない」と考えることになります。感覚だけでは、不安は消えません。売上を増やす前に、流れを確認する不安を感じると、多くの方は「もっと売上を上げなければ」と考えます。もちろん売上は重要ですが、その前に確認したいのは、・いまのお金の流れはどうなっているか・どのタイミングで不足しそうか・何か月分の余裕があるかという点です。ここが見えるだけで、不安の大きさはかなり変わります。資金繰りは「苦しくなってから」では遅い資金繰りというと、「厳しくなってから考えるもの」というイメ
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第32回 固定費を見直す前に、必ず整理しておきたいこと

資金繰りが気になり始めると、「まずは固定費を削減しよう」と考える方は少なくありません。確かに、家賃通信費サブスクリプション広告費システム利用料などの固定費は、一度削減できれば効果が続きます。そのため、経営改善の第一歩として考えやすい項目です。ですが、私は固定費を削る前に、必ず整理しておきたいことがあると思っています。本当に問題は固定費なのでしょうか?資金繰りが苦しくなると、どうしても支出に目が向きます。ですが実際には、売上の減少入金の遅れ一時的な設備投資季節的な売上変動など、原因はさまざまです。ここを整理しないまま固定費削減を始めると、本来見るべき問題を見落としてしまうことがあります。固定費は「悪者」とは限らない固定費という言葉を聞くと、削減対象として考えられがちです。ですが、事業を支えている固定費もあります。例えば、ホームページ運営費顧客管理システム会計ソフト広告費業務効率化ツールなどです。毎月お金は出ていきます。しかし、その支出によって問い合わせが増えている作業時間が短縮されているミスや手戻りが減っているのであれば、単純に「削れば良い」とは言えません。削った結果、売上や効率が落ちることもある実際に、固定費削減によって苦しくなるケースもあります。例えば、広告費を止めたことで、数か月後に問い合わせが大幅に減った。システム利用料を削ったことで、手作業が増え、業務負荷が高まった。ホームページ更新をやめたことで、新規顧客との接点が減った。こうしたケースです。支出は減った。しかし、売上や生産性も下がった。これでは本来の目的から離れてしまいます。本当に見るべきなのは「費用対効果」固定費を
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