絞り込み条件を変更する
検索条件を絞り込む

すべてのカテゴリ

16 件中 1 - 16 件表示
カバー画像

誰にも話せないまま

誰にも言えない気持ちってあると思うんです。正しいとか間違っているとかそんな言葉だけでは整理できない気持ち。誰かに聞いてほしい。でも否定されるのが怖い。責められるのが怖い。だから誰にも話せないまま一人で抱え込んでしまう。私自身も誰にも言えない苦しさを抱えていた時がありました。話せなかったからこそ今でも苦しくなる事があります。だからこそ今一人で抱え込んでいる人の気持ちを否定せずに受け止めたいと思っています。そんな思いから新しいサービスを作りました🌙▼私はここにいますよ🌸
0
カバー画像

【連載】vol.8 “重いかも…”と思って言いたいことを飲み込む♡言いたいことが「重い」わけじゃない。 それは、あなたのやさしさと大切な想い。 

「“重いかも…”と思って言いたいことを飲み込むとき」「こんなこと言ったら、重いって思われるかな……」「嫌われたくないから、今は我慢しよう」恋をしていると、本当は伝えたい気持ちがあるのにぐっと飲み込んでしまうこと、ありませんか?相手にどう思われるかばかりが気になって、自分の本音を隠してしまう――。でも、言いたいことをずっと我慢していると、心の中に小さなモヤモヤが積もっていって、いつの間にか苦しさに変わってしまうことも。あなたが言いたかったことは、決して「重い」わけではなくて、**「大切にしている気持ち」**だったのかもしれません。この回では、言いたいことをうまく伝えられないときの心の背景や、やさしく気持ちを届けるヒントをお話ししていきます。あなたの恋が、少しずつ「安心できる場所」に変わっていくように――そんな願いを込めてお届けします。次回予告(vol.9)ちゃんと想っているのに、本音を伝えるのがどうしてこんなに怖いんだろう。ほんの少しのすれ違いで、嫌われてしまいそうで、大事な気持ちほど言葉にできなくなる。次回は、「本音を伝える怖さ」にそっと寄り添いながら気持ちを伝えるための小さなヒントをお届けします。楽しみしていてくださいね♡恋をするたび、言いたいことを飲み込んでしまう。それでも「ちゃんと伝えたい」と願うあなたへ。カードと数秘術を通して、相手の気持ちや本当の望みに寄り添うヒントをお伝えします。ひとりで抱えず、心の声を聞かせてくださいね。あなたの恋が、やさしく進んでいきますように。
0
カバー画像

女の子、とっかえひっかえしてるみたいに見えるよ

翌日の放課後。教室の空気が、どこかざらついていた。悠真が席を立った瞬間、女子のひとりが、ふいに言った。「ねえ、ちょっとさ。」教室の視線が、ゆっくり集まる。「どういうつもりなの?」笑ってはいなかった。「陽菜とも帰ってるよね? 凪とも帰ってるよね?」空気が固まる。「女の子、とっかえひっかえしてるみたいに見えるよ。」ざわ、と小さな波。男子が軽く茶化す。「ひがむなよ。」笑いが起こる。でも、悠真は笑わなかった。ただ、一瞬だけ目を伏せた。その顔を、凪は見た。傷ついた顔だった。弁解も、反論も、しない。「そんなつもりじゃない」その一言さえ、飲み込んだ。凪の胸が、強く締めつけられる。“わたしのせいかもしれない”その考えが、頭を離れない。好きでいることが、悠真を追い詰めるなら。一緒に帰った時間が、彼を責める材料になるなら。わたしは——いないほうが、いいのかな。窓の外では、夕焼けが沈みかけている。悠真は静かに教室を出た。凪は、立ち上がれなかった。好きなのに。好きだから。動けない。それがいちばん苦しい。教室に残った夕陽が、赤いリボンを、やわらかく照らしていた。まるで、ほどけそうな糸みたいに。
0
カバー画像

――どう考えても、陽菜のほうが・・・

廊下の窓から、夕方の光が長く差し込んでいた。教室の床に、細い光の線がのびている。凪は、その光の中をゆっくり歩く。さっき更衣室で見た自分の顔が、まだ頭に残っている。普通。それだけ。でも。悠真は、そんな自分のことをどう思っているんだろう。ふと、後ろから声がする。「凪。」振り向く。悠真だった。窓の光を背にして立っている。凪は、少しだけ笑う。「どうしたの?」悠真は、少し困ったような顔をする。「さっきから、なんか変だろ。」その言葉に、胸がきゅっとする。やっぱり。気づいている。凪は、少し目をそらす。「そんなことないよ。」でも、声は少しだけ弱い。悠真は、少しだけ近づく。廊下の光が、二人の間に落ちる。「ある。」はっきり言う。「凪、今日ずっと変だ。」凪は、何も言えない。言ったら、全部こぼれてしまいそうだった。好き。でも。それ以上に、胸の奥にある言葉。――どう考えても。陽菜のほうが。その瞬間、階段のほうから、女子の声が聞こえる。陽菜だった。友達と話しながら笑っている。その笑顔が、廊下にふっと広がる。凪は、そちらを見てしまう。そして、悠真も、同じ方向を見る。ほんの一瞬。でも、その一瞬が、凪の心を大きく揺らす。胸の奥で、何かがゆっくり決まっていく。――やっぱり。わたしは、その言葉が、もうすぐ口から出そうになっていた。でも、その前に、悠真が、静かに言う。「凪。」凪は、顔を上げる。悠真の目は、まっすぐだった。「逃げるなよ。」その一言で、凪の心は、また大きく揺れ始める。
0
カバー画像

またあの言葉が浮かぶ

階段の前で、陽菜が立ち止まる。「やば、着替え遅れる。」陽菜は笑う。「先行くね!」返事を待たずに、軽く手を振る。「またあとでー。」そう言って、駆けていく。階段を下りる足音が、すぐに遠くなる。廊下に残るのは、凪と、悠真。急に静かになる。窓からの光が、床に落ちている。凪は、視線を落とす。さっきまで三人だった空気が、急に、狭くなる。悠真が言う。「凪。」その声は、さっきより少し低い。凪は顔を上げる。「……なに?」悠真は少し迷う。言うか、言わないか。そんな顔。それから、少しだけ笑う。「今日、元気ない?」凪の胸が、強く鳴る。気づいてほしくない。でも。気づいてほしかった。「そんなことないよ。」凪は言う。でも、声が、ほんの少しだけ揺れる。悠真は、そのまま凪を見る。真っ直ぐ。「凪ってさ。」言葉が止まる。凪は、少しだけ息を止める。「……なんでもない。」悠真は、そう言って笑う。その笑い方は、少しだけ、寂しそうだった。凪の胸の奥で、またあの言葉が浮かぶ。どう考えても。でも。もし。ほんの少しだけでも――違ったら。階段の向こうから、体育の笛の音が聞こえる。凪は、ゆっくり歩き出す。悠真も、隣を歩く。さっきまで半歩あった距離が、今は、ほんの少しだけ近くなっていた。
0
カバー画像

どう考えても・・・

理科室の空気は、少しだけやわらいでいた。器具はほとんど片づき、机の上には、まだ温度の残った実験の気配だけがある。陽菜は、最後のスポイトを棚に戻す。「これで全部かな。」そう言って振り返ると、悠真がうなずく。「たぶん。」そのやり取りは、特別なものじゃない。でも、どこか自然で、すっと空気に溶ける。凪はノートを閉じる。紙の擦れる音が、やけに小さく聞こえる。悠真がふと、凪を見る。「凪、まとめ助かった。」短い言葉。やさしい声。凪は、少しだけ顔を上げる。「うん。」それだけ返す。もっと何か言えた気がする。でも、言葉はそこまでだった。陽菜が笑う。「ほんと、凪って字きれいだよね。」まっすぐな言葉。悪気なんて、ひとつもない。それが、いちばん胸に残る。理科室の窓から、昼の光が入る。まだ、明るい。なのに。凪の胸の奥では、ゆっくりと影が伸びていく。どう考えても。その言葉が、また浮かぶ。どう考えても――陽菜のほうが、悠真の隣に似合う。そんな考えをしてしまう自分が、少し嫌になる。悠真が、もう一度だけ凪を見る。何か言いかけて、でも、やめる。その一瞬を、凪は見逃さなかった。気づいてほしいのか。それとも、気づかれたくないのか。自分でもわからない。理科室の時計が、静かに秒を刻んでいる。同じ机。同じ時間。なのに。凪の心だけが、ほんの少しだけ、遠くへ行き始めていた。まだ、誰も気づかない距離。でも。その距離は、確かに、ここにある。
0
カバー画像

言えない言葉のほうが、ずっと多い。

理科室の空気は、まだ静かだった。水道の音が、奥のほうで小さく響く。悠真が、流し台でビーカーを洗っている。蛇口の水が、ガラスに当たってやさしく跳ねる。陽菜は、スポイトを一本ずつ水で流している。「これ、乾かすところどこだっけ?」「そこ。」悠真が顎で指す。ほんの少しの会話。自然な距離。凪は、ノートを閉じる。ページの中には、細胞の図。きれいに書けている。でも。その“きれい”は、誰の記憶にも残らない気がした。陽菜は、試験管を棚に戻す。動きが軽い。迷いがない。理科室の空気に、すっと溶けている。「今日の実験、面白かったね。」悠真が言う。「うん。」陽菜が笑う。「顕微鏡って、ずっと見てられる。」その笑顔は、明るい。でも派手じゃない。ただ、自然。凪は思う。どう考えても。陽菜のほうが――その言葉が、胸の奥でまた形になる。悠真が、ふと凪を見る。「凪、どうだった?」声はやさしい。ちゃんと、聞いてくれている。「……うん。」凪はうなずく。「面白かった。」それは、本当。でも。言えない言葉のほうが、ずっと多い。三人は、同じ机にいる。同じ時間。同じ実験。それなのに。凪の胸の奥では、少しずつ、何かが静かに崩れていく。理科室の窓から、やわらかい光が入る。昼の光。でも凪の中では、まだ名前のない小さな“たそがれ”が、ゆっくりと始まっていた。
0
カバー画像

その距離が、 恋のはじまりをじっくり温めてくれる

翌日の放課後。凪は胸の奥がふわっと軽くなるのを感じた。(今日、また話せるかな……)図書室へ向かう廊下を歩く足取りが、自分でも驚くほどゆっくりになっていく。そのときだった。教室前の掲示板で、悠真が見知らぬ女の子と話しているのが見えた。長い黒髪。落ち着いた雰囲気。柔らかく笑って、何か差し出している。「これ……頼まれてたプリント。返すね」「ありがとう。助かった」悠真は自然に笑って受け取り、その柔らかさが凪の胸にチクリと刺さった。(……誰?)そんな疑問の前に、心の奥で別の声がささやいた。――ああ、こういう笑顔もするんだ。凪は立ち止まり、少し胸の奥がしんと冷える感覚を抱えたまま、気づかれないようにその場を通り過ぎた。遠まわりをして、たどりついた図書室。窓際の席に座っていたのは、やっぱり悠真だった。「凪、今日も来たんだ」「うん……」凪の返事はいつもより小さかった。悠真はすぐ気づいたようで、少し顔を覗き込む。「なんかあった?」(言えるわけないよ。あの子、誰?なんて)胸の奥で、言葉が喉につかえる。“本音を話したい”のに、“怖い”も同時にある。凪は目を伏せたまま、かすかに首を振った。「……なんでもないよ」悠真はしばらく凪の横顔を見つめていたが、それ以上追及しなかった。代わりに、緑茶の缶を机に並べた。「とりあえず、飲む?今日、風が冷たいし」そのさりげない優しさが、逆に胸を締めつけた。(やさしいな……でも、だから余計に言えないんだよ)頬に触れた風が少し冷たくて、凪は気づかないふりをして、缶を開けた。沈黙が、いつもより重く落ちる。ふたりで同じ景色を見ているのに、心の距離だけがほんの少しずつ離れていくよ
0
カバー画像

どう考えても・・・

校庭には、春の風が流れていた。女子の列が、グラウンドの端に集まり始めている。凪は、フェンスのそばで足を止める。少し離れたところで、悠真も男子のほうへ歩こうとしていた。そのとき。凪の視線が、ふとグラウンドの向こうに向く。陽菜が、女子の友達と話している。何か言って、くすっと笑う。その笑顔につられて、周りの子たちも笑っている。凪は思う。やっぱり、明るい。無理をしている感じがない。ただそこにいるだけで、空気がやわらかくなる。そのとき。陽菜の視線が、ふっとこちらに向いた。悠真と目が合う。ほんの一瞬。陽菜は、小さく手を振る。呼ばない。ただ、それだけ。でも。悠真の表情が、少しだけやわらぐ。凪は、それを見てしまう。胸の奥が、きゅっとする。どうしてだろう。嫌なわけじゃない。むしろ、二人とも、いい人だと思う。でも。それでも。――どう考えても。その言葉が、また胸に浮かぶ。陽菜のほうが、明るくて、自然で、悠真の隣に似合う。凪は、そっと目をそらす。風が、制服のスカートを揺らす。体育の笛が鳴る。女子の列が動き始める。凪は、ゆっくり歩き出す。でも。胸の奥では、さっきよりもはっきりと、ひとつの考えが形になり始めていた。――やっぱり。わたしが、離れたほうがいい。まだ誰にも言わない。でも。その決意は、凪の心の中で、静かに、確かに、芽を出していた。
0
カバー画像

この気持ちは、もう消えない気がした

校庭の風が、やわらかく吹いていた。グラウンドでは、もう体育の準備が始まっている。女子のグループの中で、陽菜が笑っているのが見えた。その笑い声は、ここまで届くような気がした。太陽の下で、陽菜はやっぱり明るかった。凪はフェンスのそばで立ち止まる。悠真も、少し遅れて足を止めた。「凪。」悠真の声。凪は顔を上げる。悠真は、少しだけ心配そうに見ている。「ほんとに大丈夫?」その言葉が、胸に落ちる。凪は、ほんの少しだけ笑う。「うん。」でも。その笑顔の奥で、もう一つの声が、静かに響いていた。――やっぱり。どう考えても。陽菜のほうが、似合う。あんなふうに笑える人が、悠真の隣には、きっといい。凪は、グラウンドを見る。陽菜が友達と走り出す。髪が風に揺れる。みんなの視線が自然に集まる。凪は思う。ああいう太陽みたいな人を、人は好きになるんだろうなって。凪は、そっと息を吸う。胸の奥で、静かに言葉が形になる。わたしが、引けばいい。まだ誰にも言わない。でも。この気持ちは、もう消えない気がした。悠真は、まだ気づいていない。凪の心の中で、小さな決意が、ゆっくり芽を出していることに。体育の笛が鳴る。グラウンドに声が広がる。凪は、ゆっくり歩き出す。その背中は、さっきより少しだけ、静かだった。
0
カバー画像

どう考えても・・・

階段を下りると、校庭から春の風が流れ込んできた。体育の授業の声が、遠くで聞こえる。陽菜はもう、先にグラウンドへ向かっているはずだった。凪と悠真は、まだ体育館の前を歩いている。少しだけ、静かな道。悠真が言う。「さっきさ。」凪は顔を上げる。「理科のとき。」言葉が少しだけ止まる。「元気なかった?」凪の胸が、少しだけ強く鳴る。気づいてほしくなかった。でも。気づいてほしかった。そんな気持ちが、胸の奥で混ざる。「……そんなことないよ。」凪は言う。でも。その声は、ほんの少しだけ小さい。悠真は、少しだけ眉を寄せる。「そっか。」それ以上は、聞かない。それが、悠真のやさしさだった。でも。凪の胸の奥では、別の言葉が、ゆっくり形になっていく。どう考えても――陽菜のほうが、明るくて、かわいくて、悠真の隣に似合う。自分より、ずっと。凪は、グラウンドを見る。陽菜が、クラスの女子と笑っている。風に髪が揺れる。その姿は、遠くからでも目立つ。太陽みたいだと思った。自分とは、違う。凪は、胸の奥で静かに思う。――やっぱり。その言葉が、心の中に落ちてくる。好きだから。好きだからこそ。邪魔になりたくない。悠真の時間を、曇らせたくない。凪は、小さく息を吸う。そして、誰にも聞こえないくらいの声で思う。――わたしが、引けばいい。まだ、言わない。でも。その決意は、凪の胸の奥で、静かに、確かに、形になり始めていた。悠真は、まだ気づかない。凪が、少しずつ、離れようとしていることに。
0
カバー画像

好きでいることが、少しだけ、苦しくなる。

先生の声が遠くで響いている。「観察できた班から、考察を書いていってください。」ペンが紙の上を走る音。凪は、静かに書く。字は整っている。乱れない。感情と違って。「ここ、どう書く?」陽菜が悠真に小さく尋ねる。「えっと……」悠真が考える。「分裂の段階で、核が――」ふたりの声は、低く、近い。凪は、書きながら聞いてしまう。聞かなくていいのに。陽菜は、うなずきながらメモをとる。「なるほどね。じゃあ、こうかな。」さらりとまとめる。自然に。凪は思う。わたしは、まとめる前に、迷う。言葉を選びすぎる。空気を気にしすぎる。陽菜は、まっすぐ。悠真は、そのまっすぐさを見ている。その目は、やさしい。凪は、胸の奥が少しだけ冷えるのを感じる。どうして。どうして、比べるんだろう。比べたくないのに。「凪、ここどう思う?」ふいに、悠真の声。顔を上げる。視線が、ちゃんと向いている。「え……」言葉が、一瞬遅れる。「いいと思う。」それだけ。もっと何か言えたはずなのに。陽菜が笑う。「凪、ほんと冷静だよね。」褒めている。ちゃんと。でも。凪の胸は、なぜか少し痛む。冷静。それは、明るくない、ということ。場を変えない、ということ。実験は、まだ終わらない。光は変わらない。三人は同じ机にいる。でも。凪の中で、“どう考えても”が、また一枚重なる。好きでいることが、少しだけ、苦しくなる。
0
カバー画像

でも今日は、少しだけ好きになれそうです。

次の日、僕は少し早く登校した。なんとなく――あの子に「ありがとう」を伝えたくて。だけど、教室に彼女の姿はなかった。机の上には、一枚の紙だけが置かれていた。「体調不良のため欠席します」それだけの、淡々とした文字。昨日の雨が嘘みたいに晴れた空を、僕はただ、ぼんやりと眺めていた。放課後。下駄箱の前で、僕は立ち止まった。あの日、彼女が残した言葉。「……手紙、書けたら返して」――どうして、あんなことを言ったんだろう。そう思った瞬間だった。下駄箱の脇、小さな掲示板の影に、折りたたまれた白い紙が落ちているのに気づいた。何気なく拾うと、宛名が書かれていた。「山本 拓(やまもと たく) くんへ」――僕の名前だった。手紙はごく短く、たった三行だけ。『昨日、助けてくれてありがとう。 本当は、ずっと雨が嫌いでした。 でも今日は、少しだけ好きになれそうです。』差出人の名前はなかった。だけど、わかった。きっと、あの子だ。その日。僕は初めて、手紙を書くために机に向かった。『傘、ありがとう。 本当は、僕も雨が苦手だった。 “傘を貸してください” って、 あの日、言えたらよかったのにな。』書き終えた便箋を、制服の内ポケットに忍ばせた。出すつもりは、まだなかった。でも、いつか渡そうと思った。――「雨の日を、好きになった日」として。心が濡れていたのは、雨のせいじゃない。傘を差せなかった、自分のせいだ。
0
カバー画像

『ポイズン♪』

♪言いたいことも言えないこんな世の中は〜♪ ​ 毎朝5:55の朝活。 今週は「過去をふりかえって、書き換える」という時間でした。 ​ 思い出したのは―― 学生のころのわたし。 ​ 言いたいことはあった。 でも、言葉にならなかった。 ​ 自分の意見を言う=反論すること 反論するなんて「子どものくせに」「女のくせに」生意気だ―― そんな思い込みに、口を閉ざしていた。 ​ 「口答えするな」 「子どものくせに」 親にそう言われた記憶が、どこかにあるのかもしれない。 ​ それを真に受けて、 心では反発していても、 「まぁいいか」と飲み込んで。 本音なんてどうせ、伝わらないと思ってた。 ​ でも、 言わなきゃ、本当に伝わらない。 ​ 言わないままにしてたら、 自分の気持ちすら、わからなくなっていく。似たような場面が 何度も、何度も、繰り返されていた。 ​ でも、いまの私はわかってる。 ​ ちゃんと、言葉にしたほうがいいってこと。 まとまってなくても、感情が先に出てても 声に出せば、 たとえ相手には伝わらなかったとしても、 自分にはちゃんと繋がれるから。 ​ 「言えないんじゃなくて、    言ってないだけだよ」 ​ そんなふうに 過去の自分に、声をかけたくなった朝でした。
0
カバー画像

「大丈夫」と言い続けて、心が疲れていませんか?🌙

こんばんは、小春です🌸毎日頑張って、笑顔で過ごして、「大丈夫」と自分に言い聞かせて…。でも本当は、誰にも言えない寂しさや心の奥にしまい込んだ悲しみを抱えている方も多いのではないでしょうか。人は、「もう無理…」と口に出せたときよりも、「まだ頑張れる」と自分に言い聞かせているときの方が、実は心が限界に近づいていることがあります。無理に強くならなくて大丈夫🌙泣きたい日は泣いていい。弱音を吐きたい日は吐いていい。誰かに「つらい」と伝えてもいい。あなたの心が少しでも軽くなることが、何より大切です🌸もし今、誰にも話せない想いを抱えているなら…そっと聞かせてくださいね🌙小春は、あなたの心の声を大切に受け取ります🍀
0
カバー画像

語れなかった性は、誰が決めたのか ――決断と選択のあいだで

性について考えようとすると、言葉が止まってしまうことがあります。「本当はどう思っているのか」「自分は何を望んでいるのか」考えようとするほど、何もわからなくなる。⸻ー  性の場面で起きている「決断」ーエリエザー・スタンバーグは、人の決断についてこう示しました。人は、決めたと自覚する前に、すでに脳の中で決断している。過去の経験、傷ついた記憶、恥や恐れ、「こうあるべき」という空気。それらが積み重なり、ある地点を越えたとき、身体や行動は先に反応します。 • 断る • 黙る • 合わせる • 何も感じないふりをする性の場面では、この「無意識の決断」がとても強く働きます。⸻ー 語れなさは、意志の弱さではない  ー「ちゃんと話せばよかった」「自分で選べなかった」そう責めてしまう人は多いけれど、スタンバーグの視点から見れば、それは脳が生き延びるために下した決断だったのかもしれません。⸻ー それでも、キルケゴールは「選択」を置く ーキルケゴールの言う選択は、性の場面で「うまく言えること」でも「正しく主張すること」でもありません。彼の選択とは、語れなかった沈黙も含めて、それを自分の生として引き受けることです。⸻ー 沈黙のあとに残る、かすかな自由 ーあのとき黙ってしまったこと。感じなかったふりをしたこと。わからないまま終わったこと。それらは、すでに起きてしまった決断です。でも、今ここで、「あれは、私が生き延びるために選ばれた反応だった」と理解し直すことはできる。その理解の姿勢こそが、キルケゴールの言う選択なのだと思います。⸻ー 性は、あとから引き受け直していい ー「決断」は、その瞬間にしか起きない。
0
16 件中 1 - 16