実家に帰るのが気が重いあなたへ ―― お盆の前夜に読む手紙
カレンダーを眺めて、お盆の週に赤い印がつく頃ね。「そろそろ帰らなきゃ」と思うたび、なぜだか胸のあたりが重たくなる……そんな夏を過ごしていらっしゃるのね。嫌いなわけじゃない。ただ、帰ると思うと、なんだか気が重くなる。……わかるわよ。今日はそんなあなたに、少しだけ息のつけるお話をさせてちょうだいね。◆ 気が重いのは、あなたが冷たいからじゃない帰省がしんどいのはね、愛情がないからではないのよ。実家の玄関をくぐった瞬間、大人になったあなたが「昔の子ども」に戻されてしまうから、疲れるだけなの。自分で暮らしを立てて、いろんな判断をしてきた今のあなたと、子ども扱いされる自分。そのふたつのあいだで揺れるのは、ごく自然なことなんだもの。それにね、「実家に帰りたくない」なんて、なかなか口に出せないものだわね。言えば冷たいと思われそうで、罪悪感まで背負ってしまう。その言いづらさごと、まずは私が受け止めますからね。◆ 全部に答えなくていい帰省の疲れの正体はね、「聞かれること」そのものより、「ちゃんと答えなきゃ」と思ってしまうことにあるのよ。「結婚は?」「お仕事は?」「お子さんは?」……ああいう問いは、悪気というより、会話のきっかけであることが多いものなの。だからね、正面から受け止めなくていいのよ。「まだ考えてるところなの」で、そっと置いてごらんなさいな。嘘でもないし、失礼でもないもの。それからね、帰る日と帰らない日を先に決めておくの。「二泊で帰るわね」と最初に伝えておく。終わりが見えていると、人はずいぶん楽になるものだわね。◆ ちょうどよい距離が、いちばん長く続く距離を取ることは、家族との縁を切ること
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