「頭がいい」と一言で言っても、その中身は一つではありません。
知能には、大きく分けて二つの側面があります。
一つは、流動性知能です。
これは、新しい問題に出会ったときに、素早く考え、推論し、解決する力です。
抽象的なパズルを解く。
初めて見る問題の法則を見つける。
数学的に考える。
新しい状況にすばやく対応する。
こうした力が、流動性知能に関わります。
もう一つは、結晶性知能です。
これは、学習や経験によって積み上げられた知識を使って判断する力です。
語彙の豊かさ。
歴史的な知識。
社会や文化への理解。
専門的な経験。
こうしたものが、結晶性知能を支えます。
ギフテッド児は、幼いころから流動性知能の高さを見せることがあります。
発想が早い。
ひらめきが鋭い。
一度見ただけで分かる。
大人が驚くような推論をする。
そのため、「この子は天才かもしれない」と思われることがあります。
しかし、長く伸びる子に必要なのは、それだけではありません。
年齢が上がるほど大切になるのは、知識や経験を活用する力です。
つまり、結晶性知能です。
私は、ギフテッド教育では、ひらめきを称賛するだけでなく、経験を積ませることが大切だと考えています。
調べる。
読む。
書く。
話す。
作る。
失敗する。
仲間と考える。
こうした経験が、子どもの知性を厚くしていきます。
ひらめきは才能の火花です。
でも、経験はその火を燃やし続ける薪です。
保護者の方には、IQの高さだけを見て焦らないでほしいのです。
その子の知性を、急がず、広く、深く育てること。
それが、才能を一時的な輝きで終わらせないために必要なのです。