不動産売却か賃貸に出すかお悩みの方へ。賃貸をおすすめしない5つの理由――知らないまま始めると「資産が減る」不動産投資の現実

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家を手放すか、それとも貸すか――。
不動産を所有していると、必ず一度は直面するこの選択。
「毎月家賃が入ってくるなら、賃貸のほうが得では?」
そう考える方は少なくありません。
しかし、実際の現場ではこうした“甘い期待”が、思わぬ落とし穴になることが多いのです。
入居者が決まらない。家賃が下がる。修繕費が想定外にかかる。
さらには、資産価値そのものが下がってしまう――。
つまり、「貸せば得」は幻想です。
むしろ、“知らないまま始めた賃貸経営”が、あなたの大切な資産を確実に減らしていく現実があります。
本記事では、不動産のプロの視点から、賃貸をおすすめしない5つの理由を、実例を交えながらわかりやすく解説します。
迷っている今こそ、「売るか・貸すか」の正しい判断基準を知ってください。


【賃貸をおすすめしない理由①】 オーナーチェンジ物件は価格が下がる

「すでに賃貸中だから安心」「家賃が入ってくるからリスクが少ない」
――この言葉に惹かれて購入する人が多いのが「オーナーチェンジ物件」です。
しかし、実態は真逆です。
オーナーチェンジ物件は、“自由に使えない不動産”です。
つまり、自分で住むこともリフォームすることもできません。
すでに入居者がいるため、実需(マイホーム)層の購入希望者からは候補外になります。
需要が限られる分、市場価格は確実に下がります。
相場より1〜2割安くなることは珍しくなく、出口(売却)時も買い手が限られます。

さらに、家賃収入の割に利回りが低いケースが多く、
「入ってくるお金」より「出ていく修繕・税金」が上回ることもあります。

◇体験談:家賃が入っているのに“損をした”
あるオーナーの話。
地方の1Kマンションを「利回り8%」の広告につられて購入。
実際は共用部の修繕積立金や管理費、固定資産税を差し引くと、
手取りは月にわずか1万円。
さらに、数年後に退去が発生。
原状回復と設備交換に30万円以上かかり、2年分の利益が吹き飛びました。

◇ポイント
オーナーチェンジ物件は、「入居中だから安心」ではなく、「自分で動かせない=価格が下がる」物件だと理解すべきです。


【賃貸をおすすめしない理由②】 定期借家契約は入居者がつきにくい

オーナーの中には、「定期借家にすれば安心」と考える方もいます。
一定期間で契約が終了し、トラブル回避や再利用がしやすい――たしかに理屈は正しい。
しかし、入居者の立場から見るとどうでしょうか。
「2年後に確実に出ていかないといけない」
この条件だけで、多くの入居希望者は敬遠します。
実際、賃貸ポータルサイトで検索しても、“定期借家”と表示された瞬間、閲覧数が激減する傾向があります。

◇体験談:想定外の“空室期間6ヶ月”
あるオーナーは、自宅を転勤中だけ貸すため、2年限定の定期借家で募集。
しかし、想定より入居希望者が集まらず、
6ヶ月間も空室のまま。
結局、家賃を2万円下げてようやく入居が決まりました。
戻ってきたときには、家賃収入よりも空室損失の方が大きく、「これなら貸さなきゃよかった」と後悔しています。

◇ポイント

定期借家はオーナーに都合がよくても、市場のニーズとはズレることが多い。
“貸せる”ではなく、“借りてもらえる”かを基準に考えることが重要です。


【賃貸をおすすめしない理由③】 空室と修繕のリスクは避けられない

「入居さえ決まれば安定収入が得られる」
――この考えが、賃貸経営の最大の落とし穴です。
現実は、入居者が出た瞬間にすべての支出がオーナー負担になります。
・家賃収入ゼロ
・広告費・仲介手数料(1ヶ月分)
・クリーニング・原状回復(数十万円)
・新規募集時の設備交換(エアコン・給湯器など)
特に築年数が10年を超えると、修繕費の発生頻度が一気に増えます。

◇失敗談:年間収支が“マイナス25万円”
東京都内の区分マンションを貸していたオーナーの例。
家賃9万円で貸していたが、1年目に給湯器が故障(交換費用12万円)。
2年目に退去発生でクリーニング・広告費など計18万円。
結果、年間の実質利益はマイナス25万円。
しかも確定申告上の「赤字」は経費にはなるが、現金は確実に出ていきます。
“帳簿上の節税”では“現金の流出”は防げません。

◇ポイント
賃貸経営は、「毎月入る家賃」ではなく「毎年出ていく修繕費」で判断すべきです。
空室リスクと修繕リスクは“運”ではなく“必然”です。


【賃貸をおすすめしない理由④】  戸建はマンションより借り手が少ない

「戸建を貸したい」という相談も多くあります。
しかし、戸建賃貸には特有の難しさがあります。
ファミリー層向けで家賃帯が高くなるため、入居ターゲットが限定的。
マンションのように共用管理もなく、設備メンテナンスの責任はすべてオーナーにあります。
また、入居者が決まっても長期入居とは限りません。
子どもの進学や転勤などで2〜3年で退去するケースも多い。

◇体験談:退去時の“修繕地獄”
築20年の戸建を賃貸に出していたオーナー。
入居者は3年間住んだ後に退去。
その際、壁紙・フローリング・水回りを全交換。
修繕費は合計で120万円。
3年間の家賃収入が約300万円だったため、実質的な手取りは年間60万円以下。
しかも次の入居が決まるまでに5ヶ月の空室。
結果として、トータルで赤字になりました。

◇ポイント
戸建賃貸は「長く住んでくれれば…」という願望に左右されやすい。
しかし実際は、“入るときも出るときもコストが大きい”ビジネスです。


【賃貸をおすすめしない理由⑤】 住宅ローンの残債がある場合は、基本的に貸せない

住宅ローンは、「自ら居住すること」を前提に融資されています。
そのため、勝手に貸し出すことは契約違反(ローン契約違反)になります。
「転勤だから一時的に貸したい」という場合でも、金融機関の許可が必要です。
許可が下りる場合でも、「転勤期間中のみ」「家賃収入を申告すること」など、条件付きの承認が一般的です。
また、許可を得ずに貸した場合、一括返済を求められるリスクもあります。

◇実例:黙って貸して“契約違反”に
住宅ローン中のマンションを黙って賃貸に出していたAさん。
入居者の住民票の移動で銀行に発覚。
銀行から連絡があり、「契約違反」として残債一括返済を求められました。
結局、売却せざるを得ず、損失200万円で手放すことに。

◇ポイント
住宅ローンを利用している場合、「貸す前に必ず金融機関へ確認」が鉄則です。
黙って貸すのは“最悪のリスク”です。


【まとめ】 ― 「賃貸」は資産形成ではなく“経営”

「賃貸経営」という言葉に惑わされがちですが、実態は“経営”そのものです。
家賃収入=売上、修繕・空室=経費。
損益管理ができないと、気づけば資産を減らす側に回ってしまいます。
賃貸経営を検討するなら、
まず次の3つを自問してください。
「入居が決まらなくても維持できる資金力があるか」
「修繕・退去費を積み立てているか」
「出口(売却)戦略を決めているか」
これらを明確にできないうちは、
“賃貸はおすすめしない”というのが現実的な答えです。

◇最後に:持つことより“守ること”
賃貸経営は、成功すれば安定収入を生みます。
しかし、失敗すれば「持っているだけで減っていく資産」になります。
「貸せる」かどうかではなく、
「守れる」かどうか――。
その視点で考えることが、
あなたの不動産と未来を守る最初の一歩です。


ではまた。
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