~悪質な手口「囲い込み」「物干し」「高預かり」「値こなし」とは~【不動産売却の裏話と闇】

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【この記事で得られる事】

・不動産業界に潜む悪質な手口「囲い込み」「物干し」「高預かり」「値こなし」の仕組み
・「高額査定」で契約を取る業者の狙いと危険性
・売主を心理的に追い込み、安値で売らせる誘導の流れ
・「囲い込み」を見抜く方法とレインズ確認の重要性
・安心して売却するために注意すべき業者選びのポイント

【悪質な手口「囲い込み」、「物干し」、「高預かり」、「値こなし」とは】

不動産売却において、一部の業者が用いる悪質な手法があります。それは、売主を巧みに誘導し、本来よりも大幅に安い価格で物件を買取業者に売らせるというものです。手口は次のような流れで展開されます。

①「高額査定」で期待を煽る(=高預かり)

まずは、他社よりも高い査定額を提示し、 「この価格なら売れますよ」「大手なので安心です」といった言葉で売主の期待を引き上げます。
売主は「高く売ってくれそう」と錯覚し、その業者に専任媒介を任せてしまいます。
しかし、ここで誤解してはいけないのは、不動産会社がその価格で買い取るわけではないという点。あくまで「その価格で売り出してみましょう」というだけに過ぎず、責任は取りません。

・最初から“売れない”とわかっている
当然ながら、相場より高い価格では物件はなかなか売れません。
しかも不動産会社自身、それが売れないことは最初からわかっているのです。

・焦る売主、誘導する業者
時間が経つにつれて売主は「売れない」ことに焦りを感じ始めます。そこで不動産会社はこう切り出します。
「反響が弱いので、そろそろ価格を下げましょう。」
こうして段階的に値下げが始まり、何度も値下げを繰り返したあと、売主が精神的に疲れ果てた頃を見計らって、「〇〇万円なら買いたいという人がいます」と、相場より安い価格での成約に誘導されるのです。

・売主の心理は「とにかく早く売りたい」
この頃には、売主はもはや「少しでも高く売りたい」よりも「早くこの状況から解放されたい」という心理になっています。その結果、最初に「高く売れる」と言っていた話が嘘だったことに気づかないまま、「ようやく売れてよかった」とホッとし、不動産会社に対してすら感謝の言葉を口にしてしまうこともあります。
実際は、不動産会社の“シナリオ通り”に誘導されてしまっただけ。

※最もやってはいけない媒介契約の選び方

複数の不動産会社に査定を依頼したとき、「一番高く査定してくれた会社に任せる」ことは最も危険です。
もちろん、自分の不動産を高く評価してくれる会社を選びたくなる気持ちはよくわかります。
しかし、不動産の査定は、車や貴金属のような“買取価格”ではなく、“売り出し価格”=予想値にすぎないのです。
いくら高く値札をつけたとしても、その価格で売れる保証は一切ありません。
インターネット時代の今、買主も相場感を持って物件を比較しているため、相場を逸脱した価格設定では売れないのが現実です。

・不動産会社は責任を取らない
高く売れると言って契約を取っておきながら、実際に売れなければ「価格が高すぎた」とだけ言って責任を逃れます。そして、最後には「これが限界価格です」として安値での成約へ。売れなければ困るのは売主だけ。業者は契約さえ取れれば目的達成なのです。

②「囲い込み」で他社からの買主をシャットアウト

物件はレインズに形式的に登録されるものの、他社からの問い合わせには「商談中です」などと対応し、自社で買主を見つけるまでは売らせない=囲い込みが行われます。
これにより、本来現れるはずの買主候補が遠ざけられます。
不動産業界における「囲い込み」とは、売主から売却の依頼を受けた不動産会社が、他社に物件を紹介せず、買主も自社で見つけようとする行為を指します。

・なぜ囲い込みが行われるのか?
理由は単純明快です。
本来、不動産仲介会社は売主・買主のどちらか一方から仲介手数料をもらうことが一般的ですが、売主・買主の両方から手数料を得る「両手仲介」にすれば、手数料収入が倍になるためです。そのため、他社の仲介による買主を意図的に遮断してしまうのです。

・レインズ登録されていても「見せかけ」だけ?
「囲い込み」を行う業者は、レインズ(REINS:不動産流通標準情報システム)に物件を登録していても、表面上だけというケースが少なくありません。
実際には、他の不動産会社から「この物件に興味のあるお客様がいます」と問い合わせが入っても、「すでに商談中です」「契約予定なのでご紹介できません」などと虚偽の説明をして断ることがあります。
こうして物件情報を自社の中だけに閉じ込めてしまい、外部からの買主を排除するのです。

・囲い込みのデメリット
(1)本当なら高い価格で売れたはずなのに、業者の都合で、チャンスが台無しになる

(2)業者が自分で買い手を探したがるために、売却までに時間がかかる

(3)わざと「この価格では内覧に来る人もいない」と売り主に印象づけようとするため、不安な日々を過ごすハメになる

(4)業者の腕が悪ければ、値下げして売るハメになる

・「物件数No.1」は信用できる?
一部の不動産会社では、「物件情報No.1」「地域最多掲載」といった広告を打ち出していますが、実際には自社ネットワーク内の物件のみを表示している場合もあります。
しかし、本来であればレインズに登録された物件は、どの不動産会社でも紹介・仲介できるものです。それを隠して、自社のみで契約をまとめようとする動きは、囲い込みの一形態とも言えます。

※囲い込みを避けるには

・レインズの登録状況を自分で確認する
仲介不動産業者との契約が専属専任媒介契約もしくは専任媒介契約の場合、一定期間内に物件をレインズに登録する義務が仲介業者に課されます。
レインズに登録すると、売り主は書面で登録証明書を交付してもらうことができます。
登録証明書内には、売主専用のIDとパスワードが記載されており、これを使ってレインズへの登録状況を確かめることができます。
この中で、物件に関する取引状況を確認することもできるようになっており、物件が公開されているか、購入の申し込みがあったかどうかなどを知ることができるようになっています。

ただし、実際の取引状況がシステム上に反映されるまでには二日ほどのタイムラグが生じることもあるので、この点は留意してください。悪質な業者の場合、一旦レインズに登録した後にすぐ登録を削除してしまうといったことも考えられます。
従って登録証明書を貰っただけで満足せず、実際にログインして登録状況を逐次確認すると良いでしょう。

・他の不動産会社を通してご自身の物件が募集中か問い合わせてみる
売却依頼から最初の1ヶ月にきた問い合わせがゼロであったり、しきりに値下げの話を持ちかけられたりする場合には、他の不動産会社を通してご自身の物件が募集中かどうかを問い合わせてみましょう。
もし「囲い込み」をされていたら、「すでに商談中のようです」などの回答があるはずです。
万が一、囲い込みをされていたら、契約する不動産会社を見直すべきでしょう。囲い込みをされていなかった場合には、反響が少ない理由は「売り出し価格が相場より高い」など、他の理由が考えられます。

③「販売活動のふり」で時間稼ぎ(=物干し)

不動産業界には「物干し」という業界用語があります。
これは、不動産会社が意図的に販売活動を行わず、物件を放置する行為を指します。

・なぜ「物干し」が行われるのか?
物干しの典型的な流れはこうです。
(1)まず、不動産会社は売主との媒介契約を獲得するためだけに、相場より高い査定額を提示します。

(2)当然、その価格では市場の反応は鈍く、買主からの問い合わせはほとんど来ません。

(3)それにもかかわらず、不動産会社は積極的な営業を行わず、しばらくのあいだ物件を“寝かせる”のです。

・値下げを待って“ようやく営業開始”
時間が経過し、売主が焦りを感じ始める頃、不動産会社はこう切り出します。
「この価格では厳しいので、値下げをしましょう」
売主が値下げに応じると、そこでようやく不動産会社は本格的な販売活動を始めます。
つまり、最初から売れる価格で売る気はなく、“値下げされるのを待っていた”のです。

・売主が損をする結果に
こうした「物干し」によって、結果的に本来の相場よりも安い価格で売却されるケースも少なくありません。
時間と精神的負担を強いられたうえに、価格面でも損をしてしまう可能性があるため、売主にとっては非常にリスクの高い手口です。

④ 徐々に値下げさせる(=値こなし)

「市場の反応がよくありません」「反響はあるんですが…」などの言葉で、段階的に価格を下げるよう圧力をかけてきます。
売主は「そろそろ売れないと困る」と焦り、言われるがまま価格を下げていきます。

⑤ 最後に「買取業者の提案」で仕上げる

十分に値下げが進み、売主が疲れてきたタイミングで、
「買い手が見つかりませんが、○○万円なら買取業者が買いたいと言っています」と提案。
最初に提示された査定額より数百万円安い価格で、売主は半ば諦めて承諾してしまうのです。

結果:業者は「安く仕入れて高く売る」

このような流れで物件を安価に買い取らせ、自社または提携先で高く転売すれば、
業者には巨額の利益が残り、売主は本来得られるはずの資金を失うことになります。
ではまた。
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