「もっともっと、手に入れなきゃ」
そう思って走り続けてきた時間を、少しだけ横に置いてみませんか?
私たちは若い頃から、足し算の生き方を教わってきました。
知識を増やし、スキルを身につけ、人脈を広げ、目に見える成果を積み上げていく。
もちろん、それはとても素晴らしい挑戦の記録です。
でも、人生の折り返し地点を過ぎたあたりから、なんだかその「荷物」が重たく感じてしまうことはありませんか。
心理カウンセラーとして、僕はたくさんの方の心に触れてきました。
そこで感じるのは、人生の後半戦を本当に美しく輝かせている人は、足し算ではなく「引き算」がとても上手だということです。
「あれもやらなきゃ」「これも言わなきゃ」と必死に握りしめていた拳を、そっと開いていく。
すると、空いたその手に、本当に欲しかった穏やかさや幸せが舞い込んでくるのです。
まずは、人間関係の引き算から始めてみましょう。
「誰からも嫌われたくない」「みんなに良い顔をしなきゃ」
そう思って自分をすり減らしてきたのなら、もうその役割は卒業して大丈夫です。
無理をして合わせる関係よりも、沈黙が心地よい関係を大切にする。
気が進まないお誘いに「NO」と言える勇気を持つ。
冷たいようですが、これは自分自身を大切にするための、愛のある選択だと僕は考えます。
人間関係を引き算すると、残るのは「本当に大切な、数少ない人たち」との深い時間です。
次に、「こうあるべき」という執着の引き算です。
「親なんだから」「もういい大人なんだから」「完璧にしなきゃ」
自分を縛り付けてきた透明な鎖を、一つずつ外していきませんか。
少しくらいお惣菜を頼ってもいいし、一日中パジャマで過ごしたっていい。
できない自分を許し、完璧ではない自分と仲直りすること。
それが、人生後半戦を輝かせる最大のコツだと僕は確信しています。
「~しなきゃ」を引き算したあとに残るのは、「~したい」というあなたの純粋な心の声です。
この声に従って生きるようになると、表情は自然と柔らかくなり、内側から滲み出るような魅力が溢れてきます。
それは、着飾った美しさではなく、削ぎ落とされたからこそ見える、あなたの魂の輝きです。
「頑張りすぎていた自分」を手放して、もっと身軽に、もっと自由に。
今のそのままのあなたで、もう十分に素晴らしいのですから。
これからの時間は、余白を楽しみながら、軽やかに歩んでいきましょう。
あなたの心が、明日もっと軽やかになっていることを願っています。