新しい人生の幕開け…25

記事
ライフスタイル
引っ越しできる「貸家」があったようだ。
色々考えてはみたが、物件が他にないのでまずは見てみることにした。

数日後、引っ越し先の物件を「内覧」することにした。

子供たちを学校や保育園に送った後、旦那が電話をしていた。
その相手はこれから行く物件の方の不動産屋さんだった。

時間は今すぐどうぞ、とのことだったので、すぐ二人で向かった。

その家はすぐ着いた。

今の家から車で5分ほど。

着くと玄関で不動産屋さんらしい人が立っていた。
とても人の良さそうな感じがした。

建物の外観は…今の家と比べると、それはやっぱり古く見えた。

そして軽く挨拶をして中を見せてもらうことになった。

玄関は広いな…
すぐ右はお座敷か…
真っすぐがリビング!!すごい広い!!
換気扇もリフォームされてる!
窓も大きくていいな!
続き間があるのね。便利そう。
そして二階や色んな所をみて
最後に「お風呂とトイレ」だった。
不動産屋さんも申し訳なさそうに
「工事したいんですけどね…ここは住宅街で簡単にできないんですよ…」
などと言っていた。
最初から水洗は可能らしいが、その工事も住宅が密集していると簡単ではないらしい。

お風呂はよくアパートなどで使われているタイプの「手動」のガスの「追い炊き機能」
そして、洗い場は「石畳」だった。
お風呂のドアは「木」でできていた。
昭和の木の枠に擦りガラス。
その向かいにトイレがあるから擦りガラス越しに誰が入っているのかがわかる。

そして旦那と不動産屋さんはとても仲良く話をしているが…パッと私の顔を見ると
「キッチンや水場は奥さんのお城ですからね」などと不動産屋さんは話しかけてきた。

そうよ、旦那なんかほとんど家事しないし朝晩だけいる人じゃん…
と思いながら私は笑顔で「そうですね」などと話していた。

そしてある程度内見したころ、旦那が
「じゃあここでお願いします!」
と言った。

はい??もう決める前提の内見だったの?

私はビックリしたが、不動産屋さんがいる前ではとても言えなかった…。

不動産屋さんも「ではこちらで~」と言って事務所に案内される…と
不動産屋さんはその貸家の隣に事務所があった!

なんと近い(;^_^A
家だけ見て周りを見るまで余裕がなかった…。

なんか見張られそうな感じがする…と思いながらも私もどうすることもできずに一緒についていくことになった。

そこではもう「引っ越し」の話になっていたが、今の不動産屋さんのことも話してあるようで、「協力します」と言ってくれていたが…
もはや、私には「誰の言葉を信じていいのか」わからなかった。

もう考えるのも疲れていた。
自分の体もままならない状態で、なんだかんだと言う気力すらなかったと思う。

そして、流されるままその不動産屋さんをでた。

家に帰ると旦那は「どうだ?場所もいいし…ボットンはしかたないだろ…」
と言っていたが
「これからトイレトレーニングもしなきゃだし、これから生まれてくる赤ちゃんだって…どうするの?」と聞いた。
すると旦那は「昔はそんなの当たり前だっただろ!やり方を考えるのがお前の役目だろ!」と半ばキレ加減で言われた。

結局、私が全部しなきゃじゃん…。

もう…なんでこうなるんだろう…。

なんで「幸せになろうとする」とこうやって色んなことが起こるの?!

ふと思い出した…母親の言葉…
「お前なんか絶対幸せになんかしてやるもんか」
「お前は幸せになんかなれないよ」
「お前は人殺しなんだからな」

鮮明に記憶に蘇ってきて一瞬、目の前が真っ暗になった。
あの表情…
言い方…
憎しみがこもった態度…

私は頭をブンブン振り払った…

旦那には「なにしてんの」と言われたが、言いたくもないし行ったところで
「まだ昔のことを引きずっているのか」と言われることはわかっていたから言わなかったし言えなかった。

この時だけではない…
フラッシュバックは…
今でこそ「フラッシュバック」などと言われているが、その当時はそんな言葉もなく…
ただ、「過去に縛られている人」扱いだったのだ。

それはたまにヒョンなことで思い出された…。

子供たちがゲームをしている時、
食事をしているとき、
…あの子たちはご飯もロクに食べれていたなかったな…
…ゲームは子供より母親が麻雀していたな…

私は反発するかのように
レトルト食品は一切出さなかった。
ゲームも時間を決めてはいるが親がやるものではないと、子供たちがゲームで喧嘩でもしない限り「口出し」すらしなかった。

歯磨きも保育園や学校の定期健診にくる歯医者さんに「モデルさんみたいな歯」と言われるくらいに綺麗にさせていた。

私のココロのどこかに「いつも母親が監視」しているような気がしていた。
そしてそれに反発するように生きていた。

あ…旦那が何か話してる…
とふと我に返って聞いたりしていた。

なにがなんだかわからないが「引っ越し」はもう今日行った物件に決まってしまったようだ。

旦那が自分のお父さんに電話をしていた。
引っ越しの日にちや、荷物の梱包などを手伝ってほしいとお願いしていた。
私も黙ってはいられないので「お願いします」と伝えた。

いまの家の家賃はもう支払ってあるから、今月中に出ていくというのだ。

もちろん私も今の不動産屋には腹が立っていたが、旦那はもっと腹が立っていたんだろうな、と思う。
旦那のお父さんは大工さんで、家もお父さん手で建ててもらおうと思っていたから尚更…。

子供たちにはあんまり前から言わないようにしようと思った。せっかくできた近所の友達もいる。
学校が変わるわけではないが、あんまり早くから言うと周りの人にも良くは言われない…。

もっともまだ契約も成立していないんだけど。

そして引っ越しの準備がまた始まった。

私のバイトはもう少しで終了となるため出る回数も減っていた。

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す