新しい人生の幕開け…21

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私は勇気を出して「トイレ」にいった。

判定は…。

「陽性」…。

え…。今仕事始めたばかりなのに、まだ旦那は子供たちとそんなに多くの時間を過ごしてないのに…。

どうしよう…。

パニックになった。

その話はすぐにRさんに報告した。
仕事のこともあるからだ。
Rさんは「やっぱり…。おかしいと思ったよ。で、堕すんでしょ?」
と当然のように聞いてきた。

え?なんで他人からこんなこと言われなきゃいけないんだろう。

やっぱりRさんは苦手だ。

「ちょっと考えるし、旦那にも相談しなきゃだから」
と濁した。
「仕事は出てもらうからね」といい、Rさんは電話を切った。

溜息しかでなかった。

嬉しいことだけど、今じゃないような気がする。

けれど私ももう28歳だ。多分これが最後の妊娠となるだろう。

まずは旦那に相談だ!

夜になり、子供たちが寝静まってから私は旦那に切り出した。
「あのね…最近体調が悪かったんだけど…調べたらね、妊娠してた」
と。
旦那は「まじ?ホント?おう!そうか!やった~!」
と喜んでいたが
「ん、でもね、ちょっと考えてる…今の子供たちだけでも大変でしょ、経済的にも色々…それに私、息子の産後の時も無理してしまってるから体力的にも自信ないんだよね」
と気持ちそのままを伝えた。

「え?それっておろすってこと?1人くらい増えたって変わらないだろ!せっかくの命なのに…それに俺にとっては初めての子だし…」
と。
確かにそうだ。
今の子供たちは旦那の子供ではない、だからこそ、もっと今の子供たちと触れ合ってほしかったし、「自分の子供はかわいい」みたいに産まれたら、今の子供たちへの態度が変わってしまうんじゃないか、という不安もあった。

それも伝えた。
けれど旦那は
「この子たちを引き取る時点で、俺はこの子たちの父さんだと思ってる、確かにできないことも多いけど、自分の子だって周りにも言ってる!」
と強く言われた。

普段、あまり大声を出さない人だから、この件に関しては本当に悩んだ。

どっちにしろ病院には行かなければ…。

「まず、病院にいってくるね」と言ってその場はおさまった。

そして数日後、バイトが休みの日に産婦人科に行った。
そこでも結果は変わらず「陽性」
「おめでとうございます」と言われたが
「あの、もしおろすとなったらいつまでが可能ですか…」
と聞くと先生は少し驚いた様子で
「そうですね…早ければ早いほどいいですが…。今6週なので15週が限界ですね」
といった。
「そうですか…ありがとうございます…」
といい診察室をでた。

時間はあまりないな。

私の気持ちも自分でもわからなくなっていた。

旦那のことを考えると産んであげたいし、産みたいとも思う。
けれど実際経済面や、今の子供のことを考えると、手放しに喜べなかった。

毎日帰ってくる旦那と何度も話し合った。
言い合いにもなった。

もう「つわり」も起きている。

そんな夜、旦那はこういった
「今週、俺の親父がくるから親父の話を聞いてくれ」
というのだ。

なんでお義父さん?
と思ったが「うん、わかった」
といい、その日は終わった。

その間も何度も話し合い、私がこれまで「妊娠、出産、産後」
どう過ごしてきたか、を事細かく言った。

本当に辛かった。
あの時はそんなことは普通、というかアテにもしていなかったし姑の嫌がらせにも耐えてきたけど、今、それをされたら自分を制御できないような気もしていた。

妊娠の時、介護と仕事と育児と家事、出産は立ち会ってもくれない。
産後は母親に居たときは退院すぐに家事をさせられ…、ミルク一つ買うお金も与えられず…。
出産一時金は母親に全部使われた。だから出産費用も払えなかった。
もう散々だった。

あんな思いは二度としたくない。

その話を聞いた旦那は「やっぱりお前の母親は人間じゃないな」
と言った。

母親の話は大体してきたが、事細かく言うのは私も「恨み」でしかないし、私の人生に関わってほしくない。

そして数日後、旦那のお義父さんが家に来た。

入ってくるなり「体調大丈夫か?」と気遣ってくれた。

そして子供たちと少し遊んでくれたが、夜の時間もあり、寝せることにして二階へ上がった。
そこで、どんな会話があったのかは私にはわからない。

寝静まったのを見計らって、私はリビングに下りた。

リビングにいくと、二人で神妙な面持ちで座っていた。

私はそこに対面するように座った。
「なんでしょう…お義父さんがわざわざ…」
というと
いきなり二人で
「頼む!!産んでくれ!!産前産後、全部俺らがやるから!!責任もって見させてもらうから!!」
と土下座された!!

私はまさか、そんなことをされるとも思っていなかったため、本当に驚いた。

旦那はともかく、お義父さんにまで頭を下げさせてしまった…。

私は「いやいや、お義父さん、頭を上げてください!やめてください!そんなこと!」
と慌ててしまった。

旦那は「親父にはお前の今までの出産のこととか話した、そしたらなんでもしたいって、もちろん俺も同じだけど…」
と。

私はここまでさせてもまだ「自分の意地を張りたいか」と自分に問いかけた。

それでもやっぱり怖かったから「約束」として
産前産後、出産立ち合い、上の子供たちと絶対に比べない、と約束してくれるなら…

と、出産することを決めた。
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