新しい人生の幕開け…22

記事
ライフスタイル
私は決意した。
「この子を産む!」

それはお義父さんが帰った次の日に旦那に言った。
旦那は嬉しそうに
「ありがとう!俺も協力するから!絶対今までのようにはさせない!」
と強く言ってくれた。

そして、私は仕事に行った。
Rさんに伝えなければ…。

その日は私は早番だった気がする。
Rさんは私と一時間シフトが被っていた。
その時Rさんに
「この間のことなんだけど、病院に行ったらやっぱり妊娠してた…
それで私も迷ったんだけど、お義父さんもきて頭下げられちゃって…。今までのようにはさせないって言葉、信じてみようと思うし、旦那の子供が初めてだから産もう思ってる。迷惑かけるかもしれないけどよろしくお願いします」
と伝えた。
Rさんは「もし今の子供たちと比べられたらどうすんの」などと言われたが、それも説明した。

Rさんはなんだかんだいいつつも
「わかった。けど臨月ギリギリまで働いてもらうから」
と言った。
「それは大丈夫です」
と答えた。

そんなに家計だって余裕があるわけではない。
少しでも働いていた方がいい。
雇ってもられるなら私としても助かることだった。

その日の仕事からは本当に辛かった。
つわりが襲ってきて、フラフラしながら仕事をしていた。

その日やっとの思いで仕事を終え、少し休んでから子供たちを迎えに行った。
その夜、旦那が帰ってきたのを見計らって、子供たちにも報告した。
「ねぇねぇ!○○たち!お姉ちゃん、お兄ちゃんになるんだよ!」
というと、上の娘は「やった~!!女の子がいいな~!」と喜んでくれた。
下の息子はあまりわかってない様子だったが、お姉ちゃんが喜んでいるのをみて喜んでいるようだった。

けれど、それからも旦那は「家事」をしてくれるようなことはなかった、というか、家事をするような時間にいないから必然的に私がやっていた。
それに関して私も特に「苦痛」と感じることはなかったが、さすがに重いものや高いところなどは頼んだりしていた。

産婦人科に一緒に行くことはなかった、それは別に私の家だけではなく、あの当時一緒に旦那さんと一緒に婦人科にくる人はいなかった。

エコー写真を旦那や子供たちに見せたりしていた。

そうやって数か月が過ぎ…。

引っ越した家にも慣れてきて子供たちも周りに住んでいる友達もできて順調だった。
来年、一年生か…。

怒涛のように過ぎたな…と振り返っていたところに、今度は
「不動産屋」から電話がきた

なんだろう…家賃も滞納してないし…。
もしかして家の購入の話かな…
と思いつつ電話にでた
「どうも、○○不動産です。旦那さんに電話したけどでなくて奥さんにしました。」
と。当たり前だよ…仕事中だ。
と不信に思いながら用件を聞くと…
「えっとお宅の今の家の話だけど、ちょっと社長から言われたことがあって…」
と話し始めた。
「なんでしょう?」
「私がその家を賃貸として貸す時に家賃の『一万円』を頭金にするってそんな話、しませんでしたよね」
はい?
「え?そういう約束じゃなかったんですか?私たち三人で話しましたよね、頭金貯金するの大変だろうからって…どういうことですか?」
と…。
なんだいきなり…話が全くちがう!!

「え、それはおかしいですよね…」と言ったが、全く聞く耳も持たない。
痺れを切らした私は
「それでは近いうちに旦那とそちらに伺います!」
と半ばキレ気味で電話を切った。

なんなんだ!詐欺じゃないの!!

その夜、旦那が帰ってきて早々、その話をした。
旦那にも電話がきていたから掛けなおしたが、出なかったようだ。
時間外だったのかもしれないが。

私は話の内容を旦那に話した。
そうすると旦那も驚きと怒りが込み上げてきたようだった。

「うまいことやられたのかな、俺たち」
「まず、今度は社長さんを交えて話に行こう」
ということで話は終わったが私たちは本当に騙された気分だった。

引っ越して数か月では、もし頭金がなかったとかあったとかの問題ではなく当初と全く違く話をいかにも「当然」のように話してきたことも腹が立った。

私はハッとして家賃の「領収書」をみた。
今までは細かく見ることがなかったが、改めてみると…
最初の数か月くらいは「頭金1万」と領収書の下に記載があったのが、記載が無くなっていた。

なんだこれ…。

なんの説明もされてない。

とにかく社長さんと会うまではどうにもできない。
それでも苛立ちは込み上げてきた。それは旦那も同じだった。

そして、なんとか時間を作り、不動産屋に向かった。

そこでは張本人はシレッとしていて尚更腹が立ったが、まだ話し合いもできていないから我慢した。

話し合いすること2時間ちょっと…。

領収書も持って行って社長さんに見せてやったが
その不動産の人はなんだかよくわからない「言い訳」をし始めた。
その話を黙って聞いていた社長さんが
「それはお前の責任だろう、俺は聞いていないしお前が勝手にやったことだろう」
と私たちに賛同してくれた。

けれど、それでも引き下がらないその社員…。

私たちも呆れてしまったのと、疲れたのでもう話すことが無くなってしまった。

社長さんは「で、どうするの?これはこれとして今の家や家を購入する気はあるの?」
と聞いてきた。

私がキレそうな瞬間、旦那が
「今の話を聞いていて、俺たちは騙されたように感じます。今後家を建てるとか本当はコチラにお願いする予定でいたのですが、こうなっては信用できませんね、頭金として預けていたのも戻っては来ないみたいだし、俺たちももちろんその頭金だけに頼る気持ちはなかったので自分たちでもなんとかしようと思ってましたが、まだ数か月と言えどもお金はお金です。はっきり言って詐欺にあった気持ちでいます。今後のことはまだ考えれていない状態なので、これから考えます。」
とピシャリと言ってくれた。

そしてどうにも「答え」が見つからないまま不動産を後にした。

その夜は色々話した。

けれどどの道、この家にいても意味がないよな、という結論に至った。

不動産屋はもう信用できないし、今今自分たちでどこかにすぐ家を建てれるわけでもない

そんな問題を抱えながらも、季節は春になっていた。

お腹もちょっと目立つようになってきた。

3月になり、卒園式があった。
卒園式の時は泣いた。
児童養護施設から今までのことを思い出して…。

保育園の先生たちも「お母さんよく頑張ったね!」と声を掛けてくれた。
「おめでとう」ではなく「がんばったね」という言葉にまた泣いてしまった。


サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す