新しい人生の幕開け…15

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やっとの思いで家に帰ったときはもう日付は過ぎていた。

私は子供たちを部屋に運び布団へと寝せた。
そしてI子さんも、なにも言わずに寝た。

旦那はまだ泣いている。
「明日どうしよう…」
と…。

そんなことまで私が指示しないといけないの?
とほとほと呆れてしまった。

そして「明日も早いから」と言い残して私の寝た。

次の日の朝、私はいつも通り家の掃除をし朝ごはんを作っているとI
子さんが起きてきた。

「昨日はお疲れさん」と慰めの言葉をくれた。
こっちこそ、本当は楽しませてあげたかったのに…
と申し訳ない気持ちだった。

子供たちを保育園に送って帰ってくるとまだ旦那は家にいた。
もう出勤の時間だ。

旦那はガクッと肩を落とし、「会社になんて言おう…」とブツブツ言っていた。
それを見たI子さんは
「こら!男だったらしっかりしなさい!!」
と叱ってくれたが
本人はボーッとしているだけだった。

そうしているうちに会社から電話がきたようだ。

そりゃそうだよな…出張先からいなくなったんだもんな…。

旦那はビクっとしながらも電話にでた。
色々話していたようだが、ただ「はいはい…」としか答えない旦那。
そして何を話したのか
「もう自分はできません…辞めさせてください」と言っていた。

電話を切った後、
「なんていってた?」と聞くと
「自分のものを取りにいくのと退職届だしに行ったりしなきゃいけない…会社行くのいやだなぁ…」と子供のようなことを言っていた。

私は「事務処理とかもあるからいかなきゃだよ」とチクリと言った。

私は多分、その頃から旦那に対しても色々な考え方が変わったように思う。

旦那が渋々会社に行くのを見届けてから、私はI子さんを家に送って行った。

I子さんは帰りの道中、旦那のことを庇うように、そして私の気持ちを察してくれながら話をした。

なんとなく気持ちは軽くはなったけど、腑に落ちない。

I子さんを自宅に送り、そのまま私はまた家に帰った。
その日は私は珍しく仕事の休暇を取っていた。
本来なら、I子さんと楽しく話したり、懐かしい話をしたり、家庭菜園のことを教えてもらうはずだったから休みを取っていたのだ。

それが全部台無し…。

このブログを読んでくださっている方ならわかると思うが、I子さんは「女性相談所」で出会ってから本当にお世話になった人だ。
だから大切にしたい、という思いがあった。

私は家事をしていると旦那は帰ってきた。
「辞めてきた」といい
「俺はどうすればいいんだ…」とずっと言っている。
「無職だ…どうしよう」などと…ずっと。

そんな旦那を横目に、私は家事をしていた。
そうすると旦那は
「仕事探すしかないけど…俺、なにをやったらいいんだろう」

私は「また長距離やれば?」と言った。
すると旦那は
「長距離なんかやってられっかよ!お前は毎日帰ってきて寝たい時に寝て、土日休みで!!」といった瞬間、旦那はハッとしたと思う。

多分、私も普通の表情ではいられなかったと思う。

そして無言で仕事を探し始める旦那。

私はいつも通り子供たちを迎えに行ってご飯を食べさせ、お風呂に入れて寝かせた。

旦那は部屋にこもったきりでてこなかった。

私は特に責めることはしなかったと思うが態度には出ていたと思う。

数日経っても一向に仕事を探すような素振りも仕事のことも触れない旦那に私から切り出した。

「今月の支払い、どうするの?」と…。
もちろん、余裕が全くないわけではない。
けれど私は、すでに旦那の借金を返している。

それなのに、バカにされたような口を聞いた挙句、泣きながら辞めたことをどう考えているのか。
謝ったからって、日常が待ってくれるわけでもない。

外壁の営業は結局1か月も持たないうちに辞めてしまっているため、給料がいくらくるのかもわからなかった。
そのうえ、成績もあげれていない。

旦那は「なんとかするしかないだろ…」とボソッと言っていたが
「毎月、いくらの支払いがあるかわかる?」と聞いた。
「家で5万、車は俺のだけで5万…携帯に1万ちょっと…あとは…」
と言った切り出てこなかった。
以前にも「毎月これくらいかかる」という話はしていたはずだった。

またここから言わなきゃいけないのか…。
今まで、家計のことなどなにも考えていなかったんだろうか

通帳などみたこともないという。
全部ATMでお金をおろし何にどう引かれているのか分からない
足りなかったら今までの会社では「前借」していたりしていたそうだ。

「無ければ借りればいい」

その考えも本当に母親を見ているようで嫌だった。

ここに夫婦生活のことを書くのも憚れるが
夜の営みも「自分勝手」だった。

けれど、私は子供たちのためにしてくれたことだけを思い出してグッと我慢した。
もちろん感謝もしている。
自分では「好きになった人」だとも思っている。

けれどなにか違う。
言いようない違和感。

もう少しで会社を辞めて1か月になろうとしていた。
旦那はハローワークに行ったり携帯で検索したりしていたようだった。
けれど給料面や時間など自分の条件に合うところなど、そうそうない。

支払いの前日くらいになってから旦那は急に「現金」を私に寄こした。
私は驚いて「どうしたの?!このお金!!」と聞いた。
「親父から借りた…これでなんとかしてくれ」
と…。
私は一瞬「サラ金」を疑ったが、お義父さんに「お礼の電話するね」と言って確認することにした。
早速お義父さんに電話をすると「息子が申し訳ない」と謝られてしまった。
ひとまず、サラ金ではないことがわかったから安心したが、私もお礼を言って電話を切った。

そして無事、支払うことができた。
その数日後、旦那は
「いいのあった!ここに行く!資格も持ってるし!」
と言って見せてきた求人票。

秋田ではかなり大きい企業の求人だった。

「運転手兼作業員」
とあった。

旦那の条件には合ったらしい。

面接の日にちも、その場で決めてきたらしい。
そして、あっという間にその会社に決まった。

けれど一つ、心配なことが…。

旦那は「集団」で仕事をしたことがない。
コミュニケーションの取り方もそんなに上手いほうではないし、まして「上司のご機嫌や先輩の云々」など…

と考えたが、止めるまでもない。

そんな中…

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