AI時代の教育相談は、「学校へ戻す」ことではなく、子どもが自分らしさを取り戻すための支援である

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コラム
AIになろうとしていた人間が、AIになり切れることなどない。その考えそのものが、ひとつの「バグ」だったのではないか。私はそう感じています。効率よく、間違えず、感情を挟まず、迷惑をかけず、正しく振る舞う。そのような生き方は、一見するとスマートに見えます。しかし、人間は本来、迷い、傷つき、喜び、怒り、誰かを求め、誰かに支えられながら生きる存在です。

子どもたちは、その矛盾の中で苦しんでいます。学校では空気を読み、家庭では心配をかけまいとし、SNSでは比較され、社会からは「早く自立しなさい」と言われる。けれど、その子の心が本当に何を感じているのかを、丁寧に聞いてくれる人は意外と少ないのかもしれません。不登校は、その子の弱さではなく、「今のままでは苦しい」という心からのサインである場合があります。

ここで大切なのは、教育相談の目的を「学校へ戻すこと」だけにしないことです。もちろん、学校に戻ることで元気を取り戻す子もいます。学校の友達、先生、行事、授業が、その子にとって大きな支えになることもあります。しかし、すべての子どもにとって、学校に行くこと自体が価値になるわけではありません。価値があるのは、その子が学校や学校以外の場を通して、自分らしく学び、人とつながり、生きる力を取り戻していくことです。

学校は、目的ではなく手段です。人と関わるための手段。学びを広げるための手段。自分の役割を見つけるための手段。社会とつながるための手段です。だからこそ、学校をどう使うかが重要になります。全部参加する必要がある子もいれば、一部だけ関わることで十分な子もいます。今は学校以外の場所で力を蓄えた方がよい子もいます。

教育相談で私が目指したいのは、子どもを無理に型にはめることではありません。その子の中にある感情、言葉、興味、強みを見つけ、もう一度「自分はここにいていい」「少し学んでみたい」「誰かと関わってみたい」と思える状態へ近づけることです。学校を使うか、学校以外の場を使うかは、その子の状態に応じて考えればよいのです。

お子さんの不登校、学習の遅れ、親子関係、学校との関わり方に悩んでいる方は、一人で抱え込まないでください。答えは一つではありません。大切なのは、「学校に行かせるかどうか」ではなく、「この子がどうすれば元気を取り戻し、自分らしく学び、人とつながれるか」です。その道を、ご家庭と一緒に丁寧に探していきたいと思います。
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