前回は、「その言葉、誰のもの?」というテーマで、
私たちの中に知らず知らずにしみ込んだ“他人の言葉”に気づくことの
大切さをお話ししました。
今回はさらに一歩ふみこんで、
**その言葉が、勝手に頭に浮かんでしまう“クセ”**について見て
いきましょう。
たとえば、こういう経験はありませんか?
・ちょっとした失敗で「私はダメだ…」とすぐ思ってしまう
・誰かに無視されただけで「嫌われたかも」と感じてしまう
・何か頼まれた瞬間に「断ったら悪いよね」と考えてしまう
こうした「すぐに出てくる思考」は、心理学では自動思考と
呼ばれています。
まるで、心のクセ反応。
考える前に、もう“思って”しまっている。
でも、ちょっと待ってください。
本当にそれ、事実でしょうか?
たとえば「私はダメだ」という思考が浮かんでも、
それは「ただ思っただけ」であって、
“本当のこと”とは限らないんです。
ここで、脱・自動思考のためのシンプルなレッスンをご紹介します。
誰でもすぐにできます。
【レッスン1】思考に“さん”をつけて呼ぶ
たとえば「私はダメだ」と思ったとき、
それをすぐに信じるのではなく、こう言ってみましょう。
「“私はダメだ”さんがまた来たな」
ちょっとふざけたように思えるかもしれませんが、
これだけで**その言葉と自分のあいだに、ちょっとした“すき間”**が
できます。
そのすき間が、思考に飲み込まれないコツなんです。
【レッスン2】「そうか、そう考えたんだな」と言ってみる
これもおすすめの方法です。
「またダメだった」
→「そうか、私は“またダメだった”って思ったんだな」
これは“思考の実況中継”のようなもの。
そうすることで、自分が何を信じこもうとしているのかが
見えてきます。
そして、「それって本当?」「ほかの見方はあるかな?」と問いかける
余地が生まれます。
思考に巻き込まれないと、時間の流れが変わる
思考に飲み込まれているとき、
心はいつも「過去の後悔」や「未来の不安」に引っ張られます。
でも、思考から少し距離をとると、
“今”という時間に戻ってこれるんです。
これは、まるでテレビのリモコンのようなもの。
ずっと「過去チャンネル」や「不安チャンネル」に切り替わっていた
テレビを、自分の手で「今ここチャンネル」に戻すことができる。
あなたの手の中に、ちゃんとリモコンはあるんです。
ただ、「無意識で握られていた」だけ。
さて、あなたは今日、どんな思考チャンネルにチューニングして
いましたか?
そのチャンネル、今のあなたに合っていますか?
それとも、そろそろ切り替えてみてもいい頃でしょうか?