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司書のつぶやき:司書に向いている人

ずいぶんとご無沙汰してしまいました。本業が年度末から忙しくなり、4月が終わりようやく落ち着いてきました。前回のブログでもお話しした通り、年度末司書業界は激動のタイミング(フルーツバスケット状態)です。不足してしまった図書館へのお手伝いとか、少人数で現場をやりくりするなどのドタバタ具合でした。さて、そもそも司書の仕事を「貸出返却をしてくれる人」と思っている人が多いのではないかと思います。テレビや映画で図書館で働く人が出てくると、実際の司書は困惑します。「あんなにのんびり仕事してたら仕事が終わらない」「カウンター内で本なんて読めるわけがない!」「そんなふわふわワンピースやパンプスで仕事できないよ~」みなさん、あれはフィクションの世界です。お間違いなく。実態はというと、カウンター担当は貸出返却だけでなく、返ってきた本を元に戻す作業や乱れた書架を揃える作業、破れた本などの修理、予約が入っている本の取り置きと連絡など、結構いろいろな仕事があります。カウンター担当以外の人も、データ集計や展示の準備、受入処理や登録・装備作業などがあります。また図書館によってはかなり高い場所に本を置いている所もありますので、脚立に乗って本を戻すこともあれば、一番下の棚に本を戻すために床に膝をついて作業することも。古くて重たい本を抱えて運ぶような力仕事もしばしば。エプロン着用、パンツにスニーカーがベストだと思います。一般的に図書館で働く人は本が好きな物静かな人…というイメージを持たれているかもしれません。でも、私が考える司書に向いている人は「明るくコミュニケーションが取れる元気な人」です。先程も書いたように意外
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司書のつぶやき:司書求人について

1月を過ぎると図書館司書はソワソワします。年度末が近づくにつれ、司書の求人が増え始め、異動する人も増えるから。一緒に仕事をしていた人が、「3月で辞めることになりました~」とか突然言ってくるのですよ。図書館司書でなくとも、年度末は異動のシーズンなのですが、教育関係は特に年度末が重要なのです。学校司書としての契約が年度末までだったり。担当していた司書教諭の先生が定年を迎えて、来年度からどうやって図書館を運営していくかが問題になったり。とはいっても、「図書館司書」という少ない枠の中で異動することが多いのです。例えば…A大学の司書がB大学の募集に応募して採用決定↓A大学が求人を出し、C大学にいた人が応募↓C大学が求人を出す…といった具合です。私は「年度末フルーツバスケット」と呼んでいます(笑)そこに司書を辞める人、新しく応募してくる人が混ざるわけですね。よく求人情報でずーっと同じ学校から求人が出ています。求人情報を探している身からすると、「何かめっちゃ仕事大変なんじゃ・・・?」とか、「すっごく厳しい人がいるんじゃないか・・・?」とか思っちゃいますよね?そういったことが全く無いとは言いませんが、絶対にそうだとは限らないんですよ。先程も書いたように、年度末までは人の異動がとても多いのです。司書もですが一般の方の異動も多いので、家族の転勤で辞めざるを得なかったりする方もいます。業務委託の場合、学校との契約更新の時期でもあります。体制が変わって人が足りなくなったり、時間帯の変更のため既存スタッフでは回らなくなり改めて募集をすることもあります。新規案件のため、経験豊富な司書をリーダーやスタッフと
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司書のつぶやき:変わってる選書・・・?

あっという間に秋が終わり、冬らしい空気が漂ってきました。大阪も今週末は12月末並みの寒さだとか。今日は暖かかったので、気温差にやられそうです。さて。図書館の仕事の一つに「選書」があります。読んで字の如く「(購入する)書物を選ぶ」ことです。図書館によっては事務系の職員さんが選ぶ場合もありますが、現場の司書が選書する場合が殆どだと思います。購入する本をどう選ぶか。色々な方法がありますが、大体こんなところではないでしょうか?1.新刊案内など、これから出版される本を紹介する本から2.人気作家の新作やテレビなどで取り上げられた話題作から3.利用者からのリクエストから4.書店などのWebサイトから実は新しく発行される本を毎週紹介する雑誌があるのです。書影(表紙の写真)や本の内容、サイズ、価格、ISBNなどが書かれています。それを見て「よさそうだな」と思ったら選書の候補に入れます。他にも、既に出版されている本なら、ネットで中身を確認してみたり、レビューなどを読んだりして、候補に入れるかどうかを考えます。最終的に、ほかの人の選書したものを全部まとめて購入を検討します。図書館には当然予算があります。どんなにいい本だとしても、あまりに高額の本だと買えないこともあります。逆に、高額なので普通の人は買いたくても買えないかもしれないので…という理由で、図書館で購入することもあります。美術全集や文学全集などがいい例ですね。また、その本がどういったジャンルになるのかも重要です。いくら人気があるから、需要があるからといって、小説ばかりを購入する訳にはいきません。いわゆるNDC分類で偏りのないように選書しなけれ
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司書のつぶやき:レファレンスってやっぱりすごい!

11月になりました。阪神タイガースの日本一が決まり、関西は浮かれまくっていると思います。私もテレビを見ながらガッツポーズです。しかし今日は暑かった・・・。私いま半袖です・・・。寒暖差にやられる人も増えていますね。風邪引きさんも続出しているみたいです。みなさまもお気をつけて。さて、先日NHKの深夜帯に面白い番組がありました。「レギュラー番組への道」という、要はまだレギュラー化していない企画段階の番組を紹介する番組だったのですが、なんとその中で図書館司書を扱ってくれたのです。「図書館名探偵の事件簿」タイトルはドラマみたいでしたが、実際に図書館へ持ち込まれた一筋縄ではいかないような難題を、ベテランの図書館司書がどう解決したか。再現ドラマを交えつつ解き明かしている番組でした。番組を観ていた全国の図書館司書はきっとワクワクしていたと思います。だって「レファレンス協同データベース」通称「レファ協」で紹介されていたレファレンスを、実際に受けた司書が解説してくれるんですもの。その中でも結構有名なレファレンスが、「魔法が使えるようになりたい」という男の子の質問です。6歳の彼の質問に困った母親が図書館に連れてきたそうです。みなさんならどう答えますか?その司書さんは、彼と一緒に児童書コーナーを巡り、魔女や妖精関係の本を一緒に見たそうです。魔法が使えるようになりたい彼は、難しい本でも頑張って読む!と、司書と一緒に中身を見ながら「これならよさそう」という本を借りて、お家で修業したそうです。後日、ほうきを作って2秒ぐらい飛べたことを報告に来てくれたそうです。そして、番組では実際の現在中学3年生になった彼へ
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司書のつぶやき:初めての販売

10月になったとたんに涼しくなって、温度差に着るもの迷子になっています。みなさん体調崩されていませんか?大阪は最高気温25度前後。でも最近は曇りがちで風も強く体感温度はもっと低く感じます。街行く人たちの服装もバラバラで、長袖+カーディガンからノースリーブまで。個人的には半袖はもう絶対無理!な気分なのですが・・・。「でも・・・25度って『夏日』なんですよね。」とスタッフに言われて笑っていました。おかしいぞ!今年の気温!さて。今回個人的にうれしい出来事が。なんと、初の商品販売が完了しました!\(^o^)/精一杯取り組ませて頂きました。ご依頼頂けて本当にありがたかったです。図書館業界、司書業界は大変狭いものです。転職して違う会社の業務委託先に行ったら、その前にいた図書館の人がいた・・・なんてことはザラです。勉強会や研修などでお会いすることも多く、そこそこ繋がりがあります。繋がりがある、作れる人は良いですが、初めてこの業界に入る人はなかなかそうもいきません。今はインターネットやSNSで情報を得ることもできますが、不安も多いと思います。そんな方のお力になりたいとずっと思っています。また、図書館勤務を目指している人、図書館業界の人だけでなく、図書館をもっと上手に使いたい人もいると思います。例えば、自分の仕事に関係する本、調べたいことの関連本、そういったものを探す方法が良くわからない時もあります。そういったときにはぜひこちらを。そのほか、自分の本にブッカーを掛けたいけど方法がわからないとか、イベントでおはなし会をすることになったけどどうやったらいいの?とか・・・。単純に「図書館の仕事ってどん
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司書のつぶやき:牧野富太郎との出会い

ここ数日、ようやく朝晩涼しくなりました。風が強いとずっと涼しいです。・・・とはいっても、連日大阪の最高気温は30度近いのですが。30度は真夏日ですよね。9月も終わりそうなのに(笑)NHKの朝ドラ「らんまん」も今月で終了です。出勤の加減で週に1・2回しか観ることができないのですが、大の植物好きとして、毎日のようにネットであらすじを追ってしまっています。神木隆之介くんも、浜辺美波さんも、そしてたくさんの登場人物も、みなさん本当に素晴らしい。脚本も秀逸だと思います。私が植物好きになったのは、何を隠そう牧野富太郎先生との出会いなのです。教室1つ分ぐらいの小さな小学校の図書室。図書の時間に借りたかった本が全て借りられてしまっていて、私は借りる本を探して書棚の前をうろうろしていました。ふと、目に入った薄い小さなサイズの本。確か新書ぐらいの大きさで、筋の入ったビニールのカバーがかかっていました。数巻のセットだったように記憶しています。それが「牧野富太郎植物記」との出会いでした。開いてみると写真ではなく、水彩で彩られた植物の細かいイラストが。何よりもバラや菊のような派手な花ではなく、学校や家の近くで見かけるような素朴な花が描かれている所に惹かれました。その日はそれを借りて帰り、しばらくセットを続けて借りました。大人になっても雑草の名前を知りたくて、何度も図書館で「雑草の名前」の本を借りたり、調べたり。一日でしぼんでしまう可愛い紫の花が「ニワゼキショウ」ということや、これはワスレナグサに違いないと思っていた水色の小さな花が「キュウリグサ」ということもそれで知りました。(「キュウリグサ」は葉っぱが
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【一般向け】図書館豆知識:レファレンスって?

図書館上手に使えていますか?こちらでは一般のみなさま向けに図書館に関する知っておくと便利な豆知識をご紹介します。みなさん、図書館へはどういった目的で行かれますか?本を読むため・借りるため・・・といった方が殆どだと思います。逆にそれ以外に何をしに行くの?と思われるかもしれませんね。図書館は調べ物をするにはうってつけの場所なんですよ。今ではインターネットで何でも簡単に調べられてしまいますが、上手に検索できないと、知りたいことが上手く引き出せないこともあります。マイナーなこと、古いこと、地域的なことなど、見つけるのが難しい事柄が出てきたときは、ぜひ図書館を訪ねてみてください。図書館には古い資料もたくさんありますし、百科事典などの調べるための本も各種取り揃えています。通常だと有料のデータベースを無料で使うこともできます。(データベースの種類は図書館によって違います) 必要ならば条件内でコピーやプリントアウトをすることもできます。 また、図書館の貸出・返却を行うカウンターの近くに「レファレンス」という文字が見えると思います。(場所によっては出ていないかもしれません)「レファレンス」とは、「物事に言及すること、参照することなどを意味する」言葉です。物事を調査するような意味合いです。図書館の「レファレンス」は、どのように調べたらいいのかわからない事柄や、自分で調べたけれどもわからなかった事柄を、図書館の経験豊富な司書が調べてくれるサービスです。例えば読んでいる小説の中に出てきた事柄について。調べてみたけれどもよくわからない。説明はあったが実際はどんなものなのか図が見たい。関連した事柄がどの本
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司書のつぶやき:中学生への読書支援

ずいぶんとご無沙汰してしまいました。実はコロナに罹ってしまいまして…。1週間ほどお休みさせて頂きました。その後も咳がひどくて、まだ若干声がかすれ気味です。みなさまもどうぞお気を付けくださいね。さて、仕事に復帰してから、中学生への読書支援の打ち合わせを始めました。学校図書館では利用者に来てもらうのを待っているだけでなく、先生と打ち合わせをして読書に親しんでもらう工夫をすることがあります。もうすぐ夏休みですので、夏休みの宿題で読書感想文を書かせたいから中学生が読みやすい本のコーナーを作ってほしい…なんて依頼もあります。今回は、授業の時間を使って本を借りに来る中学1年生向けに「ブックトーク」を実施する予定です。ブックトークとは、司書がおすすめ本を数冊選び、それを紹介していくものなのですが、ただ好きな本を「これ、めっちゃ面白いよ!おすすめ!」というのではありません。紹介する本にテーマを設け、ぶつ切りにならないよう、紹介する本と本のつながりがスムーズである必要があります。本の一部を読み聞かせたり、あらすじを説明したり、質問をふってみたりして興味を持たせるように紹介していきます。テーマも時期や聞く人に合わせる必要があります。あまりにマニアックなテーマだと本を探してくるのに苦労してしまいます。今回は中学1年生で夏休み前ですので、「夏」をメインテーマにして、ブックトークをする司書がそれぞれサブテーマを決めることにしました。紹介する本の種類もできるだけ多岐にわたる方がいいのです。小説なら、日本のもの、海外のもの。小説以外のノンフィクション。絵本や写真集など。どんな生徒にも気になる本ができるように
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司書のつぶやき:水濡れ注意報発令中!

ムシムシしたり、暑かったり。急に冷えたり。みなさん体調はいかがでしょうか?北海道以外梅雨入りしたそうですね。図書館内もすっかりジメッ・・・として、コピー用紙に湿気を感じるようになりました。本の帯を切ってPOPを作ったりしていますが、湿気でびよ~んと反ってしまいます。暑くなってきたので水濡れ事故も増えています。ペットボトルの水滴や水着の湿気が影響しています。水筒のお茶をこぼしたのか、ちょっと茶色いシミになってしまったり。以前お話ししましたが、この時期は特に借りた本の持ち運びに気を付けたいですね。ビニール袋やレジ袋のようなものに入れておくと安心です。濡れてしまったときも、濡れているうちに対処するとかなりマシな状態にすることができます。1ページずつ間に新聞紙などを挟んで、辞書のような重たい本を乗せます。新聞紙が水気を吸ってくれますので、しばらくしたら取り換えます。水分がなくなるまで紙を挟んで重しを乗せることをくりかえすと、比較的まっすぐに乾かすことができます。図書館に返却する直前に濡らしてしまったら、必ずカウンターの司書に声をかけて返却してください。まだ濡れていたら司書が上手に対処してくれます。乾いて波打ってしまったら・・・もう元には戻りませんのでご注意ください。その時もちゃんと申し出てくださいね。「雨」とか「梅雨」について書かれている本も多いです。お天気についての本は4類の自然科学の分野です。『雨の名前』という素敵な本もあります。土砂降り。小ぬか雨。五月雨などなど。雨の多い日本は、雨の表現が多様です。微妙な降り加減をうまく表しているなぁ・・・と感心します。写真も素敵な本なのでぜひ見
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【一般向け】図書館豆知識:図書館の本のコーティング

図書館上手に使えていますか?こちらでは一般のみなさま向けに図書館に関する知っておくと便利な豆知識をご紹介します。図書館の本には、背ラベルという本の背に貼ってあるラベルや、図書館のバーコードラベルなどが貼ってあります。そしてそれをカバーするように、本全体がコーティングされていますよね。図書館によっては、本に付いているカバーを取ってしまって、本体に直接ラベルを貼っているところもありますが、公共図書館のほとんどがビニールコーティングされているのではないかと思います。このブックコーティング、通称「ブッカー」といいます。これは図書館用品で有名な「キハラ」さんの商品名になりますが、コーティングすること自体を「ブッカーを掛ける」ということが殆どです。実はこれ、ロール状またはシート状の大きなシールのようなものを使って、1冊ずつハサミやカッターナイフを使って貼っていくのです。そうなんです。1冊ずつ手作業なのです。かれこれ20年近く前、図書館関係の仕事を始めた頃、営業担当者が「そのうちこれも機械化されると思う」と言われていましたが、なんのなんの。いまだに手作業です。需要は沢山あると思うのですが、どうも機械化は難しい点が多いようです。本ごとにサイズも一定ではなく、表紙裏・見返しの図版などを見えるように工夫したり、微妙なズレを修正したり。子ども向けの本などには表紙に穴が開いていたり、角が丸くなっていたり。それに沿わせてきれいにブッカーを掛ける。人が作業するからこそ出来る気遣いがあります。…ただ、人がやることですので、見返しの紙を入れ忘れたり、多めに貼り込んでしまったりという失敗もあります。上手に圧着出
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司書のつぶやき:実は私…本を読むのが苦手です!

いきなりの衝撃発言です(笑)図書館で仕事してるんですよね?本たくさん読んでるんですよね?でないと仕事できないでしょ?…そう思いますよね?本は大好きなんですよ!でも、早くたくさんは読めないタイプなんです。理由はいくつかあります。まず、好きな本を何度も繰り返して読むタイプであること。子どもの頃から児童文学、特に海外文学の翻訳物が好きだったのですが、シリーズを読み終わってもしばらくするとまた読みたくなってしまって。指輪物語や赤毛のアンシリーズを何度読んだことか!また、そういう読書遍歴のため、日本の小説に興味がなかったのです。学校図書館に勤めるようになって、著名な作家の作品は1冊ぐらい読まないとマズい…と、読み始めたぐらいです。名前は知っていても読んだことのない作家さんもたくさんいます。そしてこれが一番の原因なのですが、読むのにとても時間がかかるし、集中して一気に読んでしまいたいタイプなのです。想像力・空想力が比較的豊かな方なので、読んでいるときはどっぷりその世界にひたっています。読んでいる場面の映像も出てきます。場面や状況をまるでその場にいるかのように考えながら読んでしまうのです。なので時間もかかるし中断したくない。分厚いハリーポッターみたいな本も、5時間ぐらい集中して読んでしまいます。トイレも行かずに。時間も体力も必要になります。そのせいか最近は文学よりもさらっと読める実用書とか、自己啓発の本とかが増えています。…あ、老眼も理由の一つかな(汗)図書館の司書になった人にもいろいろなタイプがいます。とにかく乱読・多読、読書大好き!の人もいれば、本そのものが大好きという人、図書館という空
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司書のつぶやき:ガイダンスが始まった!

4月も後半に入ってきました。新入社員のみなさん、新入生のみなさん、少し慣れましたか?まだまだ分からないこともたくさんあると思いますが、どうか焦らずに!みんな同じような道を通ってきているんですから。大丈夫!さて、学校図書館も新入生を迎え、図書館の利用方法を説明する「ガイダンス」を行いました。まずは中学生のガイダンス。やや緊張した面持ちで図書館にやってきますが、そこは先日まで小学生だったみなさん。ちょっとおちゃらけた子もおります。司書としては緊張を適度に和らげながら、ふざけすぎないよう、ポイントを押さえつつの説明になります。あんまりきつく注意すると「図書館は怖い先生がいるところ」と思われてしまうので、できるだけフレンドリーに、時々やや強めに…という感じを心掛けています。何校かガイダンスをしてきましたが、中学生の場合、必ずと言っていいほど一部で小さな笑いが起きるところがあります。「司書の○○です。」と自己紹介するところです。どうも「ししょ(司書)」が「ししょう(師匠)」と聞こえるようなのです。そりゃ笑うよね。そこで「司書」と送り仮名も書いた紙を見せながら自己紹介するようにしました。ついでに「書を司ると書いて司書といいます。いわば図書館や本の専門家です」と名乗るようにしています。図書館の基本的なルールと使い方の説明をして、館内をぐるっとまわります。そのあと好きな本を選んで借りてもらいます。「マンガはどこですか?」と聞いてくる子もいれば、「俳句の本を借りたい」と言ってくる子も。いつも子どもたちの興味の幅に驚かされます。今年は結構早くから在校生たちがやってきて、たくさん本を借りてくれていま
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司書のつぶやき:蔵書点検終了~!

ずいぶん間があいてしまいました。お久しぶりです。無事に蔵書点検が終了しました。(蔵書点検?…と思った方は、ひとつ前のブログを読んでくださいね)今回、自校の図書館だけでなく、新しく委託先となった兄弟校の蔵書点検のお手伝いもしてきました。自校の図書館は約3万8千冊。兄弟校は1万7千冊。倍ほど違うのですが、かかった時間はほぼ同じ。普通なら半分ぐらいで出来そうですが、何故でしょう?理由は三つあります。一つは経験不足。兄弟校の方は初めての蔵書点検でした。まず、図書館システムの蔵書点検のやり方からの説明で、どうしてもスタート前に時間がかかってしまいました。また、初めて蔵書点検するというスタッフもいて、どのようにすればいいか戸惑うこともあったようです。機器の扱いも慣れていない分一つ一つ確かめながら…という感じでした。二つ目は下準備。書架整理が十分でなかったため、あとからポロポロ読み漏れが発見されました。不明…と挙がってきた本のタイトルを見て、しまい込んでいた本に気が付く状況でした。また、書庫スペースの都合で前後二段構えで文庫本などを置いていて、事前に前の段を除けていなかったため、手前の本を読んだ後に除けてから奥の本を読み取ってまた戻し…と大変手間がかかりました。バーコードを読まなければならない本がどこにあるか。読みやすい状況か。その把握が十分ではありませんでした。三つ目は装備方法。「装備」とは、本にバーコードやラベルを貼ったりコーティングしたりする作業のことです。今年度からの委託でしたが、当然それよりも前から図書館は存在し、管理されていました。以前の担当者(恐らく先生)が、「本の裏表紙にバー
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司書のつぶやき:蔵書点検がやってくる・・・

もうすぐ年度末です。お忙しくされているみなさんも多いと思います。実は、学校図書館もこの時期忙しいところが多いのです。蔵書点検。いわば図書館の棚卸です。図書館で所蔵している本が全てあるかどうかチェックする作業です。公共図書館が「館内整理」として長期でお休みすることがありますよね。図書館が大きければ大きいほど、人もたくさん必要ですし、時間もかかる作業です。学校図書館では、お休みが長い夏休みか春休みに行われることが多いです。どのように行うかというと、まず図書館をお休みにして書架(本棚)の整理をします。正しい順番に並んでいるか。ほこりがたまっていないか。本が奥に押し込まれていないか。棚を一段ずつ掃除しながらチェックしていきます。そのあとすべての本のバーコードをハンディーターミナルで一冊ずつ読み取っていきます。そうです。すべての本です。一昔前は「目録カード」というものを一枚ずつ実際の本に挟んでいったりしたそうですが、最近はバーコードを読み取るスタイルが中心です。それでも何万冊もある本を一冊ずつ読み取っていく作業はかなり大変です。ICチップが導入されている図書館では、棚ごとに一気に読み取ってくれる機器があるとか。うらやましい限りです。全部読み取って、特に問題がなければいいのですが、大体読み漏れや紛失があります。それを探すのもまた一苦労です。小さな本が棚の隙間に落ちかけていたり。チェックしたはずなのに本の間に挟まっていたり。どうしても見つからない本は無断持ち出しの可能性が濃厚です。そうやって全ての本のチェックが終了し、不明本が確定してようやく蔵書点検の終了です。重たいハンディーターミナルをず
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【一般向け】図書館豆知識:図書館の本はどこにある?

図書館上手に使えていますか?こちらでは一般のみなさま向けに図書館に関する知っておくと便利な豆知識をご紹介します。図書館にはたくさんの本があります。小学校なら規模にもよりますが5,000~1万冊ぐらい。中高図書館なら2万~3万冊ぐらいでしょうか。大学図書館のなかでも、幅広い学問が学べる総合大学ならその分科目の種類も多くなり、大量の本が所蔵されています。公共図書館も、市町村より都道府県立図書館が、よりたくさんの本を所蔵しています。それだけの本を全てみなさんが入れる場所(閲覧室といいます)に置いておくには無理があります。貴重な本、利用は少ないけれども置いておかなければいけない本などは、「書庫」と呼ばれる倉庫に保管されます。もちろん問い合わせがあればすぐに出せるように、番号順で並んでいます。*番号順・・・?と思った方、これを知っているととっても有利!ぜひこちらの図書館の本の調べ方のコツをご購入ください!大学図書館で実際に書庫に入ったことがある方もいるでしょう。書庫には大量の本を収納するために「集密書架」というものがあります。大きな本棚がいくつも並んでいて、それぞれを動かすことが出来るものです。電動もありますが、小さいものなら手動式のものもあります。棚と棚の間にある通路を、棚を動かして閉じることが出来るのです。同じスペースでも、集密書架なら通路の分を閉じて片方に寄せておけるので、たくさん棚が置けることになります。本がカビなどで傷まないように基本的に温度・湿度が管理されています。公共図書館も同様です。大阪府立中央図書館は「蔵書数日本一の公立図書館」だそうですが、広い図書館の地下に、これまた
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【一般向け】図書館豆知識:図書館の決まりごと ④並び方

図書館上手に使えていますか?こちらでは一般のみなさま向けに図書館に関する知っておくと便利な豆知識をご紹介します。図書館の決まりごと ④並び方図書館をよく利用している方はご存じかと思いますが、基本的な本の並び方は  1.一つの棚ごとに 2.左から右 3.上から下  です。たくさん棚が繋がっているときも、スタートは一番左側の棚の一番上の棚、その左端からです。(サイズの大きな本は別になっていることも多いです)間違っても同じ高さをずーっと右に行ってしまわないように!そしてそれが何の順番で並んでいるかというと、NDC(日本十進分類法)という本の分類方法の順番に並んでいるのです。NDCは日本独自のもので、日本の小学校から大学や公共図書館まで、たいていの図書館がこのNDCを利用してたくさんの本を分類し管理しています。NDCは0から9まで10種類の数字の組み合わせで、3桁プラス小数点以下の数字で分類しています。図書館の本のほとんどには背に1段から3段程度のラベルが貼ってあります。通常「背ラベル」と呼ばれるものです。三段のラベルであれば一番上に数字が書かれていることが多いのですが、その数字というのがNDCの分類番号と呼ばれるものです。(図書館によっては数字以外のカタカナが入っていたり、絵本のようなものは文字の書いてあるラベル自体が無かったりもします。)ご紹介しますと 0類 総記(学問・情報・辞書・辞典など) 1類 倫理・哲学・心理学・宗教 2類 歴史・伝記・地理 3類 社会科学(政治・経済・教育・民俗・国防) 4類 自然科学(数学・物理・化学・天文学・生物・医学・薬学) 5類 工業(建築・土木・
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【一般向け】図書館豆知識:図書館の決まりごと ③著作権

図書館上手に使えていますか? こちらでは一般のみなさま向けに図書館に関する知っておくと便利な豆知識をご紹介します。 図書館の決まりごと ③著作権図書館で扱う本・雑誌・新聞・視聴覚資料などと密接に関わる法律が「著作権法」です。著作権は複雑で、正直司書でも迷うことがあります。自分の持っている本をコピーする私的なものなら、記事を盗用するとかコピーしたものを販売するとかの明らかな違法行為がなければ問題ありません。図書館で本などのコピーをするのは、調査研究目的のためのコピーであることが大前提です。図書館にあるコピー機は図書館内の資料をコピーするために設置されているもので、申込書の記入や職員のチェックが必要になります。図書館によっては図書館職員がコピーをします。コピーは1部のみで2部以上はできません。そしてコピーできる範囲が決められています。例えば雑誌の最新号、当日の新聞はコピーできないことになっています。雑誌は次の号が出るまで、新聞は当日中はコピーできません。本に関しては「全体の半分まで」という決まりがあります。詳しくは「国立国会図書館」の「著作権にかかわる注意事項」をご覧いただくのが良いと思います。図書館からはちょっと外れますが、本の表紙、いわゆる「書影」を利用する時にも著作権が関わってきます。チラシや配布物に書影を載せたい・・・という場合は、その本の出版社に連絡して許諾を取るのが正解です。大抵は著者名や出版社名を入れるという条件で許可してもらえるのですが、問い合わせるのはハードルが高いですよね。そこで利用しやすいのが「版元ドットコム」というサイトです。こちらは登録している出版社の出版
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【一般向け】図書館豆知識:図書館の決まりごと ②個人情報

図書館上手に使えていますか? こちらでは一般のみなさま向けに図書館に関する知っておくと便利な豆知識をご紹介します。 図書館の決まりごと ②個人情報 「自分の息子が借りた本のタイトルをどうして教えてもらえないんですか?」 大学図書館で延滞が続いている学生さんに電話をして、親御さんが出られると時々このように言われるそうです。 個人がどのような本を読んでいるか。それは個人情報に当たります。 ですので、たとえ家族でも図書館からお話しすることはできません。 ましてや他人、例えば先生が生徒の借りている本を聞いたり、リストを出してほしいということもお受けできません。 昔は凶悪な事件が起きたりすると、犯人が読んでいた本・借りていた本などが発表されたことがありました。個人情報保護法ができる前の話です。 現在、特に公共図書館のシステムなどは返却と同時に利用した人の情報が削除されます。個人情報に配慮してデータを残さないようになっています。 利用データは削除されてしまいますから、「私が借りた本の一覧が欲しい」という希望にはお答えできません。読んだ本リストはご自分でメモしておきましょう。 読んでいる本、選んでいる本には、その人の個性が出ます。 興味や考え方、知りたいと思っていること。その本を読んでいる理由があります。 一方、借りている本を知られることで誤解を招くこともあります。 勝手な想像をしてしまうこともあります。 私の体験です。 友人が「うつ」になり、どういったことが出来るのか知りたくて「うつ」の本を図書館で借りてきました。 その帰りに近所のママ友にあったのですが、私の抱えている本を見て「え?あなた
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【一般向け】図書館豆知識:図書館の決まりごと ①貸出

図書館上手に使えていますか?こちらでは一般のみなさま向けに図書館に関する知っておくと便利な豆知識をご紹介します。 図書館の決まりごと①貸出前回の学校図書館編で裏技についてお話しました。そのなかで「図書館で本を借りる」ということは、「一時的に借りた人に責任が移る」ということです・・・というお話をしました。裏技はちょっと反することになってしまうので、そのことについての正しい決まりをご説明したいと思います。本を借りている間はその管理・保管についての責任を借りた人が負うという、至極当たり前のことなのですが、どうでしょう?意識したことありますか?学校図書館、大学図書館ではよく「又貸し」が発生します。友達に貸出カードを借りる。友達に一緒に借りてもらう。借りていた本を返却日までまだ日があるから・・・と、そのまま友達に貸してしまう。これすべて「又貸し」です。仲が良い友達にお願いされて、気楽に「又貸し」を行ったりしていませんか?実はこれ、とっても面倒なことになる可能性があります。Aさんは図書館の貸出カードを忘れたので、お友達のBさんに一緒に借りてもらいました。ところが返却日を過ぎてもAさんが本を返していません。返却が遅れていると新しく本が借りれないことが多いです。返してくれないと本が借りられません。Bさん、Aさんに早く返すようにお願いします。ところがAさん、なかなか返してくれません。「早く返却してください」と督促が行くのはBさんです。でもBさんは持っていないので、Aさんに言うしかありません。いつまでたっても返却されないので、BさんがAさんを問い詰めると、どうやら本を失くしたらしいのです。Bさん
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【一般向け】図書館豆知識:学校図書館編

図書館上手に使えていますか? こちらでは図書館に関する知っておくと便利な豆知識をご紹介しています。今回は私の専門、学校図書館編です。 3. 図書館は個性豊か:学校図書館編小学校・中学校・高校など、教育施設にある図書館のことを「学校図書館」といいます。ご自分の学校の図書館、覚えていますか?「図書館って呼べるほど大きくなかった。図書室だよ。」と思う人もいるでしょう。校舎の中にあるので「図書室」と呼ぶことも多いのですが、大きさの大小は関係なく正式には「図書館」なんです。学校には学びの中心的な施設として図書館を設置することが「学校図書館法」という法律で義務付けられています。そして図書館を管理運営する役割として「司書教諭」という司書と教員の資格を持った教員を置かなければなりません。しかし「学校図書館法」の制定時(1953年)には当面置かなくてもいいことになっていたのです。教員は大変忙しい。通常の業務にプラスして図書館の仕事をするには時間が足りない。司書教諭を置かなくていいなら授業に専念してもらおう・・・。学校の図書館はいつも鍵がかかってた。誰もいなかった。という時代があったのはそういう訳です。しかし、1997年の改正で12学級以上あれば司書教諭を置くことが、2014年の改正で学校図書館でお仕事をしているいわゆる「学校司書」を設置するように努めることが義務付けられました。ほんとうについ最近のことです。予算等の問題もあり、まだまだ十分ではありませんが、司書が常駐している学校図書館も増えてきています。朝から放課後まで図書館がいつでも使える。季節や学校行事に合わせた展示ができる。新しい本が早く入
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【一般向け】図書館豆知識:大学図書館編

図書館上手に使えていますか?こちらでは一般のみなさま向けに図書館に関する知っておくと便利な豆知識をご紹介します。今回は大学図書館編です。2. 図書館は個性豊か:大学図書館編お住いの近くに大学はありますか?大学図書館は学生のみなさん、教授などの教職員のみなさんにとって欠かすことのできない重要な施設です。大学図書館が持っている本は、その大学にある学部に関する本、レポートや論文の資料となる本が中心です。本だけでなく、DVDなどの視聴覚資料や、海外の雑誌や専門的な雑誌などもあります。卒業生の卒論も保管されています。また、研究のためのデータベースなども充実しています。一方で、娯楽のための小説などは少ない傾向にあります。また、大学に関係のない学部の本も少ないはずです。(一般教養として学ぶために必要な本はあると思います)公共図書館が自治体や都道府県で協力していたように、大学図書館間でも協力体制があります。現在は公開されているデータベースなどもあり、それほどではないかもしれませんが、他大学が持っている本や雑誌のコピーを依頼をしてやり取りする「ILL」という大学間での協力体制があります。自分の大学にない古い本の内容が論文に必要である…という時に、どこの大学が持っているかを調べて、手配してもらうことも可能なのです。また、専門的な雑誌のバックナンバーも「製本雑誌」という形で1年分などを1冊の本にまとめて製本して保管しますが、それぞれの大学で全ての雑誌を保管しておくとお金も場所も大変なことになります。 そこで同じ学部を持つ大学図書館で相談し保管する雑誌を決めることもあるそうです。最近では地域住民に開放
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【一般向け】図書館豆知識:公共図書館編

図書館上手に使えていますか?図書館のちょっとした秘密を知ると、より図書館が便利に使いやすくなります。こちらでは司書希望の方ではなく、一般のみなさま向けに図書館に関する知っておくと便利な豆知識をご紹介します。1. 図書館は個性豊か:公共図書館編みなさんのよく利用される図書館はどこでしょう? 各自治体の公共図書館でしょうか?大学図書館?高校の図書館でしょうか?図書館にはその図書館独自の個性があります。 その個性を紐解いてみましょう。公共図書館はその自治体が管理・運営しています。 利用対象者はその自治体に居住している方が中心となります。 赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い年齢層の人が対象になります。 それこそ絵本やレシピ本から時代小説や学術書まで、置いてある本の種類も幅広くなります。 その自治体にある会社にお勤めされている、学校に通っている…といった場合、申し込めば住民でなくても図書館を利用することができます。 学生さんであれば生徒証や学生証、会社員の方は社員証などがあれば、利用者登録することができます。(各図書館の案内に従ってくださいね)公共図書館はその立地によって個性豊かです。例えば公園に隣接していれば子ども向けの本が多かったり、オフィス街ならビジネス書が多かったりします。いつも行く図書館に希望する本が少なかったら、別の図書館を覗いてみるのもいいかもしれません。公共図書館は利用者の幅が広いため、たくさんの本が必要になりますが、全部の図書館に同じだけ…という訳にはいきません。 ですから同じ自治体や都道府県の図書館と協力して、必要があればお互いに提供し合うようになっています。 お近くの
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【一般向け】図書館豆知識:絶対知っておきたい本を調べるコツ

最近はおうちにいながらネットで蔵書を検索できるところがほとんどです。予約なんかも出来ちゃったりして、便利になりましたよね。 一方でこんなことありませんか? 絶対あるはずなのに検索にひっかからない。 逆に大量にヒットして探すのが大変! 自分が本当に欲しい本なのかよくわからない…。 検索にもちょっとしたコツがありますので、今回はそれをご紹介します。 一挙に9つのポイントをお教えします!
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