司書のつぶやき:変わってる選書・・・?

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あっという間に秋が終わり、冬らしい空気が漂ってきました。
大阪も今週末は12月末並みの寒さだとか。
今日は暖かかったので、気温差にやられそうです。

さて。図書館の仕事の一つに「選書」があります。
読んで字の如く「(購入する)書物を選ぶ」ことです。
図書館によっては事務系の職員さんが選ぶ場合もありますが、現場の司書が選書する場合が殆どだと思います。

購入する本をどう選ぶか。
色々な方法がありますが、大体こんなところではないでしょうか?
1.新刊案内など、これから出版される本を紹介する本から
2.人気作家の新作やテレビなどで取り上げられた話題作から
3.利用者からのリクエストから
4.書店などのWebサイトから

実は新しく発行される本を毎週紹介する雑誌があるのです。
書影(表紙の写真)や本の内容、サイズ、価格、ISBNなどが書かれています。
それを見て「よさそうだな」と思ったら選書の候補に入れます。
他にも、既に出版されている本なら、ネットで中身を確認してみたり、レビューなどを読んだりして、候補に入れるかどうかを考えます。
最終的に、ほかの人の選書したものを全部まとめて購入を検討します。

図書館には当然予算があります。どんなにいい本だとしても、あまりに高額の本だと買えないこともあります。
逆に、高額なので普通の人は買いたくても買えないかもしれないので…という理由で、図書館で購入することもあります。
美術全集や文学全集などがいい例ですね。

また、その本がどういったジャンルになるのかも重要です。
いくら人気があるから、需要があるからといって、小説ばかりを購入する訳にはいきません。
いわゆるNDC分類で偏りのないように選書しなければなりません。

学校図書館では読書に重きを置くため、どうしても小説に偏りがちです。
ですが、学習の資料になる本や、利用者の興味に応えられる本も必要です。
社会情勢や新しい技術、美味しそうな料理本や新しい切り口の歴史本、親しみやすい占い本やしっかりした語学本、インターネットやパソコンなどの情報科学関係などなど。ありとあらゆるジャンルが選書の対象となります。

私の勤務している学校では、分類にかなりの偏りがあったため、不足している分類の選書が必須です。
以前図書館を担当していた先生が日本史の先生であったため、日本史の本が山のようで…(笑)
世界史が驚くほど少なくて困りました。

どの本を選ぶか…は、結構カンに頼るところもあります。
司書の経験とでも言えばいいのでしょうか。

まず、タイトルと内容を見て、出来るだけ中身を確認します。
どの程度の年齢層が対象なのかを確認したいからです。
対象年齢層はルビの振り方で判断しています。「山」とかにルビ振っていたらかなり低学年向きですよね?
まぁ、内容が他では出版されていない良いものなら、多少対象年齢が低くても購入することもあります。

そして私は科学系・技術系の本が大好きです。
今話題の事を詳しく書いた本なんかはすぐ入れたくなります。
Chat-GPTとかメタバースについて書かれた本は結構早めに購入しました。
科学系では「身のまわりのありとあらゆるものを化学式で書いてみた」とか、めちゃくちゃ面白かったです。生徒にも人気でした。

あと、ちょっとマニアックな変な本とかダークな本とか。
「世界の偽物大全」とか、面白そうじゃないですか?
「送電鉄塔ガイドブック」を見つけたときには「何これ~!」と大興奮でした。
だって、身近なものだけど絶対近くで見れないし、どういう構造になっているかなんてわからないもの!結構詳しく書かれてたんですよ。この本。
こういう本は、きっといつか調べ物をするときに役立ってくれると思います。

ちょっと変な選書だと自覚症状はありますし、先生に私の選書だと当てられてしまう程度に個性的な選書だと思います(笑)

知らないことを知る。これこそ本の醍醐味ですよね。
あなたの興味に、知りたいことに、少しでも近づけるための本を、毎日私たちは探しています。
願わくば予算がもうちょっと増えると良いのですが…。

今回は選書についてお話ししました。
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