【一般向け】図書館豆知識:図書館の決まりごと ④並び方

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図書館上手に使えていますか?
こちらでは一般のみなさま向けに図書館に関する知っておくと便利な豆知識をご紹介します。

図書館の決まりごと ④並び方

図書館をよく利用している方はご存じかと思いますが、基本的な本の並び方は 
 1.一つの棚ごとに 2.左から右 3.上から下  です。
たくさん棚が繋がっているときも、スタートは一番左側の棚の一番上の棚、その左端からです。(サイズの大きな本は別になっていることも多いです)
間違っても同じ高さをずーっと右に行ってしまわないように!

そしてそれが何の順番で並んでいるかというと、NDC(日本十進分類法)という本の分類方法の順番に並んでいるのです。
NDCは日本独自のもので、日本の小学校から大学や公共図書館まで、たいていの図書館がこのNDCを利用してたくさんの本を分類し管理しています。
NDCは0から9まで10種類の数字の組み合わせで、3桁プラス小数点以下の数字で分類しています。

図書館の本のほとんどには背に1段から3段程度のラベルが貼ってあります。
通常「背ラベル」と呼ばれるものです。
三段のラベルであれば一番上に数字が書かれていることが多いのですが、その数字というのがNDCの分類番号と呼ばれるものです。
(図書館によっては数字以外のカタカナが入っていたり、絵本のようなものは文字の書いてあるラベル自体が無かったりもします。)

ご紹介しますと
 0類 総記(学問・情報・辞書・辞典など)
 1類 倫理・哲学・心理学・宗教
 2類 歴史・伝記・地理
 3類 社会科学(政治・経済・教育・民俗・国防)
 4類 自然科学(数学・物理・化学・天文学・生物・医学・薬学)
 5類 工業(建築・土木・機械工学・手芸・料理)
 6類 産業(農林水産業・商業・運輸・通信)
 7類 芸術(彫刻・絵画・書道・工芸・音楽・演芸・スポーツ・娯楽)
 8類 言語(各言語の文法・会話など)
 9類 文学

日本の小説をよく読まれる方は「913.6」という番号が書かれているのをご存じかもしれません。
実はこれだけで「日本の現代の小説」であることが判るのです。
「9」・・・文学
「1」・・・日本
「3」・・・小説
「.6」・・・現代の小説
という感じです。

小説のところは「913.6」ばかりですから、次に並べる指針となるのが著者名となります。
3段のラベルであれば2段目に書かれているのが「著者記号・図書記号」と呼ばれるものです。カタカナなどが多いですが、アルファベットを利用することもあります。

図書館内ではこのNDCの順番に棚が配置されていることがほとんどですが、レイアウトの都合で場所が飛んでいたり、絵本コーナーの近くに料理のレシピ本が置いてあったりと、各館で工夫されていることがあります。


イレギュラーな並び方といえば、「TSUTAYA方式」で有名な配置の仕方もあります。
感覚重視というか、関連のありそうな本を一か所に集める方法です。
色々な意見がありますが、あえてメリット・デメリットを挙げてみます。

<メリット>
 ・ふらっと来た時にイメージしやすく楽しい
 ・NDCだと離れるものが一か所に集まりやすい
 ・様々な本が一緒に置かれるので出会いが期待できる
<デメリット>
 ・自分のイメージした分け方が該当しないと迷う
 ・「この本がほしい」と具体的なものがある時に探すのが大変
 ・図書館スタッフが返却した本を戻すときに迷わない工夫がいる

例えば日本の着物の本が見たいとしましょう。
イメージで「服飾」なのか「日本文化」なのか。
「服飾」なら、着物の歴史から着方や種類などと一緒に他国の洋服に関する本もあるかもしれません。
「日本文化」なら、一緒に茶華道の本や民芸品や和食の本もあってもおかしくないですよね。
ひとつのきっかけで、ほかのジャンルの本を手に取る可能性が高くなります。
でも、もしこのキーワードが両方あったら、どっちに着物の本があるのか迷ってしまいます。

NDCだと民族衣装としてなら3類、着物の着方・縫い方などなら5類と別れてしまいますが、どちらを必要としているかハッキリしているなら探しやすくなります。
そして順番はNDCなので、背ラベルをたどっていけば目的の本に行きつくことが出来ます。また、同じ「テーマ」の本が近くに並びます。
3類なら諸外国の民族衣装の本もありますし、5類なら洋服の作り方も近くにあります。

どちらの方式でも、探している本の周辺の本にも目を向けると、世界が広がったり、新しい出会いがあると思いますのでおすすめです。
NDCの一桁目だけでも覚えておくと、図書館に行ったときに格段に本が探しやすくなると思います。
ぜひ図書館に行かれた時は、館内にあるNDCの一覧表を探してみてくださいね。

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