司書のつぶやき:牧野富太郎との出会い

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ここ数日、ようやく朝晩涼しくなりました。風が強いとずっと涼しいです。
・・・とはいっても、連日大阪の最高気温は30度近いのですが。
30度は真夏日ですよね。9月も終わりそうなのに(笑)

NHKの朝ドラ「らんまん」も今月で終了です。
出勤の加減で週に1・2回しか観ることができないのですが、大の植物好きとして、毎日のようにネットであらすじを追ってしまっています。
神木隆之介くんも、浜辺美波さんも、そしてたくさんの登場人物も、みなさん本当に素晴らしい。脚本も秀逸だと思います。

私が植物好きになったのは、何を隠そう牧野富太郎先生との出会いなのです。

教室1つ分ぐらいの小さな小学校の図書室。
図書の時間に借りたかった本が全て借りられてしまっていて、私は借りる本を探して書棚の前をうろうろしていました。
ふと、目に入った薄い小さなサイズの本。
確か新書ぐらいの大きさで、筋の入ったビニールのカバーがかかっていました。数巻のセットだったように記憶しています。

それが「牧野富太郎植物記」との出会いでした。
開いてみると写真ではなく、水彩で彩られた植物の細かいイラストが。
何よりもバラや菊のような派手な花ではなく、学校や家の近くで見かけるような素朴な花が描かれている所に惹かれました。
その日はそれを借りて帰り、しばらくセットを続けて借りました。

大人になっても雑草の名前を知りたくて、何度も図書館で「雑草の名前」の本を借りたり、調べたり。
一日でしぼんでしまう可愛い紫の花が「ニワゼキショウ」ということや、これはワスレナグサに違いないと思っていた水色の小さな花が「キュウリグサ」ということもそれで知りました。
(「キュウリグサ」は葉っぱがきゅうりのような匂いがするそうです。)

友人が生け花をしていることもあり、年に数回いけばな展を見に行きますが、どちらかというと「まだ出会ったことのない植物を見に行く」気分です。
まさにドラマで万太郎が「おまんだれじゃ?」と言っていたのと同じ気持ちです。
そしてその名前を知った時の喜びといったら。
私の中に万太郎・・・いや、牧野富太郎先生に通じるものがあるのかもしれませんね。

宅地開発などで雑草が生える場所も減ってきました。
現在の住まいに来た頃には見かけていたジュズダマやメヒシバも見かけなくなりました。
それでもヒッソリと雑草たちは命を繋いでいきます。
またどこかできっと会えるでしょう。

植物図鑑は自然科学の4類、470のところにあります。
図鑑を覗くと近所で見かける植物の名前がわかるかもしれませんよ。

ちなみに私は今、朝井まかてさんの『ボタニカ』を読んでいます。
牧野富太郎先生の生涯を書かれた小説です。
高知の牧野植物園、いつか行ってみたいです。
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