【一般向け】図書館豆知識:図書館の決まりごと ②個人情報

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図書館上手に使えていますか?
こちらでは一般のみなさま向けに図書館に関する知っておくと便利な豆知識をご紹介します。

図書館の決まりごと ②個人情報

「自分の息子が借りた本のタイトルをどうして教えてもらえないんですか?」
大学図書館で延滞が続いている学生さんに電話をして、親御さんが出られると時々このように言われるそうです。

個人がどのような本を読んでいるか。それは個人情報に当たります。
ですので、たとえ家族でも図書館からお話しすることはできません。
ましてや他人、例えば先生が生徒の借りている本を聞いたり、リストを出してほしいということもお受けできません。

昔は凶悪な事件が起きたりすると、犯人が読んでいた本・借りていた本などが発表されたことがありました。個人情報保護法ができる前の話です。
現在、特に公共図書館のシステムなどは返却と同時に利用した人の情報が削除されます。個人情報に配慮してデータを残さないようになっています。
利用データは削除されてしまいますから、「私が借りた本の一覧が欲しい」という希望にはお答えできません。読んだ本リストはご自分でメモしておきましょう。

読んでいる本、選んでいる本には、その人の個性が出ます。
興味や考え方、知りたいと思っていること。その本を読んでいる理由があります。
一方、借りている本を知られることで誤解を招くこともあります。
勝手な想像をしてしまうこともあります。

私の体験です。
友人が「うつ」になり、どういったことが出来るのか知りたくて「うつ」の本を図書館で借りてきました。
その帰りに近所のママ友にあったのですが、私の抱えている本を見て「え?あなたうつなの?」と驚いて聞いてきました。

学校の生徒で犯罪に関する本ばかり借りるので気にかけていた生徒がいましたが、彼は検察官になりたかったのです。

有川浩さんの小説「図書館戦争」のなかに、「図書館の自由に関する宣言」というものが出てきます。
この宣言自体がフィクションと思われている方も多いようですが、これはちゃんと図書館に掲示されているリアルなものです。

何よりも、どんな本を読んでも構わない、個人の自由があります。
そして図書館はそれを守る使命があります。
利用者の秘密を守る。
個人情報を守る大切さに通じる、図書館としての強い意志の表れなのです。

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