けんかはしない⁈

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今から数年前のオンライン授業でのこと。小学校3年生の生徒さんのテキストに「クラスメイトとの仲がうまくいかず戸惑っている」という物語文の一節があった。そこでの「気持ち」の問題があったので、私は「たとえばさ、○○さんがお友達とけんかしちゃった後に仲直りしたいな、と思ったらどうする?」と問いかけた。生徒さんは「うーん・・・。」と答えない。すると、生徒さんの近くにいらしたらしいお母さんから、「先生、今の子はお友達とけんかとかしないので・・・」とのお声が。 「え?あ、そうなんですね。」と私。びっくりした。そうなんだ、今の子供たちはけんかはしないのか。みんな塾やお稽古事に忙しくて友だちとけんかしている暇はないのかな。そんなふうに一応納得したのだが、今でもよくその時の驚きを思い出す。

現代の子供たちだっていろいろあるだろう。親に叱られたり、兄弟姉妹で争ったり、思い通りにいかないこともあって・・・。そこでいろいろな「感情」を学ぶことになる。怒り、焦り、寂しさ、悔しさ。言いたいけど言い出せない、ためらい、後悔。きっと今だっていろいろな思いがあるだろう。ただ、この時のお母さんの言葉で、もしかしたら、私たちが普通に経験してきたことを現代の子供たちは「知らない」ということがあるのかもしれないなと感じ、それ以来、より注意深く「登場人物の気持ち」が伝わっているのかどうか確認するようにしている。

国語の物語文の問題では、「ここではこういうことがあったから、登場人物はこういう気持ちになり、だからこういう行動をしている」・・・と一応の前提の下で出題される。それが必ずしもそうとは限らないとしても、そのように答えないと「正解」として認められない。悩ましいところでもあるが、そうやって人間の気持ちを二世代も違う生徒さんたちと話していくのはとても楽しい。生徒さんが違う意見を持っていたとしても、「あ、そうだね~。そういう可能性もあるよね。でもさ、こういうこともあるんじゃない? どう思う?」などと話してみると、「ああ、確かに。そうかもしれない。」と納得してもらえたりする。そんな反応があるととても嬉しい。こちらの考えを押し付けるのではなく、意見の交換をして「あ、それもあるね。」と思ってもらえることを目指したい。
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