夕暮れの風が、ほんの少しだけ涼しくなったのを感じるとき。
遠くから聞こえる蝉の声が、どこか寂しげに響くとき。
「ああ、もうすぐ夏が終わっちゃうんだな」って、胸がツンと締め付けられるような、言葉にできない喪失感を覚えることはありませんか。
まるで、大切な宝物が指の隙間からサラサラとこぼれ落ちていくような、置いてきぼりにされたような、そんな切ない気持ち。
実は僕も、この季節の変わり目の気配がちょっぴり苦手で、毎年同じように胸をきゅっと痛めています。
心理カウンセラーとして日々たくさんの方の心に触れていると、この「夏の終わりの寂しさ」に心を揺らされている人が本当に多いことに気づかされます。
楽しかった思い出が過去になってしまう寂しさかもしれないし、何かをやり残したような焦りかもしれない。
あるいは、子供の頃の「夏休みが終わってしまうあの憂鬱」を、大人の私たちが無意識に思い出しているのかもしれませんね。
でもね、そんな風に季節の終わりに心がギュッとなるのは、あなたの心がとても繊細で、豊かで、優しい証拠なんです。
それだけ、あなたが出会った景色や、誰かと過ごした時間、あるいは「一生懸命に夏を生き抜いた自分自身」を愛おしく思えているということだから。
心が置いてきぼりになりそうなときは、どうかその寂しさを無理に吹き飛ばそうとしないで、そっと抱きしめてあげてください。
「そっか、寂しいよね」「今年の夏も、本当によくがんばったもんね」って、自分自身に優しい言葉をかけてあげるんです。
夏が終わるということは、新しく心地よい秋が、あなたの元を訪れる準備を始めているということでもあります。
切ない胸の痛みすらも、あなたの人生を彩る大切なひとつの季節。
心がちょっぴりお疲れモードのときは、温かい飲み物でも淹れて、自分をたくさん甘やかしてあげてくださいね。
あなたの心が、一歩ずつ、次の季節へと優しく着地できますように。