部屋の片付けをしていたら、ふと目に入った古いアルバム。
あるいは、引き出しの奥に眠っていた、何年も前の手紙。
「懐かしいな」なんて軽い気持ちでページをめくっただけなのに、気づけば当時の記憶や感情が、ものすごい勢いで心の中に流れ込んできてしまう。
楽しかった空気、切なかった想い、胸が締め付けられるような痛みがリアルに蘇ってきて、胸がいっぱいになり、半日は何も手につかなくなってしまう。
そんな経験はありませんか?
実は、僕のもとにも、このような繊細な心についての相談がよく寄せられます。
過去の思い出に触れた途端、まるでタイムスリップしたかのように感情が溢れ出して、動けなくなってしまう。
そんな自分に対して、「どうして私はこんなに引きずってしまうんだろう」「もっと強くなれたらいいのに」と、自分を責めてしまう人も少なくありません。
でもね、僕は、それは決して悪いことでも、あなたが弱いからでもないと思うのです。
むしろ、それだけ過去の瞬間を、一つひとつ丁寧に、全力で生きてきた証拠なんですよね。
古い写真や手紙を見て心が動けなくなるのは、あなたの心が人一倍ピュアで、豊かな感受性を持っているからに他なりません。
それだけ、当時の嬉しさや悲しみ、愛おしさを、肌で、心で、深く深く受け止めていたということです。
いわば、あなたの心には、当時の感情がそのまま美しい状態で保存されている「タイムカプセル」がたくさん眠っているようなもの。
だからこそ、そのカプセルが開いたとき、当時のエネルギーに圧倒されてしまうのは当然のことなのです。
心理カウンセラーとして、これまで多くの繊細な心に触れてきましたが、感情に深く共鳴できるというのは、本当に素晴らしい才能です。
ただ、その豊かな感性ゆえに、日常の中でちょっぴり疲れやすくなってしまうのも事実ですよね。
もしも次に、古い思い出に触れて心が動けなくなってしまったときは、どうか無理に立ち上がろうとしないでください。
「あぁ、私はあのとき、こんなに一生懸命誰かを愛していたんだな」 「こんなに一生懸命、毎日を生きていたんだな」
そうやって、当時の自分をそっと抱きしめてあげる時間にしてほしいのです。
半日動けなくなってしまったその時間は、心が過去のあなたと対話をして、大切なエネルギーを回収している神聖な時間。
心が落ち着くまで、ただただその感情の波が過ぎ去るのを、温かい飲み物でも飲みながら待ってあげてくださいね。
あなたのその豊かな感受性は、これから先の未来でも、たくさんの温かい幸せを感じ取るための大切な宝物です。
自分の心に備わったその優しさを、どうか愛してあげてくださいね。