扉を開けた瞬間、ふわりと香る清潔な空気と、一糸乱れぬベッドリネン。
ホテルの「清掃の行き届き方」にすら、今の自分たちの関係を投影して、胸がキュッとなってしまうことはありませんか。
あまりに綺麗な部屋にいると、自分たちのドロドロとした複雑な関係が、その神聖な空間を汚しているような気がして、いたたまれなくなる。
そんな風に感じてしまうのは、あなたがそれだけ「純粋なもの」を愛し、大切にしたいと願っている繊細な心の持ち主だからだと、僕は思います。
世間では「背徳的」と言われるような恋の中に身を置いていると、どうしても自分自身のことを「汚れた存在」のように感じてしまいがちですよね。
特にHSPの気質を持っている女性は、周囲の環境や微細な空気の変化を敏感に受け取ります。
真っ白なシーツ、磨き上げられた鏡、埃一つないデスク。
その完璧なまでの清潔さが、かえって今の自分の心の葛藤を浮き彫りにして、鋭く突き刺してくるのかもしれません。
でも、少しだけ立ち止まって考えてみてほしいのです。
あなたがその部屋を見て「綺麗だな」と感じ、同時に「申し訳ない」と感じるのは、あなたの魂が本来、とても美しく澄んでいるからではないでしょうか。
本当に心が濁りきっている人なら、部屋の綺麗さなんて気にせず、ただ便利に使い捨てて終わりにするはずです。
それなのに、清掃してくれた人の手間にまで想いを馳せ、自分の状況と照らし合わせて苦しくなってしまう。
それは、あなたが誰よりも「誠実でありたい」と心の奥底で願い続けている証拠だと僕は思います。
心理カウンセラーとして、多くの複雑な恋愛のご相談に乗ってきましたが、繊細な方ほど、こうした「空間とのギャップ」に苦しまれます。
今の恋が、どんなに複雑で、どんなに割り切れないものだったとしても、それを選ばざるを得なかったあなたの寂しさや、愛されたいと願う切実な想いまでを「汚れ」だと決めつけないでくださいね。
もしも、ホテルの部屋の綺麗さが苦しくなったら、「今の私は、それだけ美しいものを美しいと感じ取れる感性を持っているんだな」と、自分を肯定してあげてほしいのです。
部屋を汚していると感じる必要なんて、全くありません。
むしろ、その部屋の静寂は、日頃の喧騒や心の痛みからあなたを一時的に守ってくれる「シェルター」のようなもの。
あなたがどんな状況にいたとしても、その場所で羽を休める権利は、等しくあなたにあります。
ドロドロした感情も、行き場のない背徳感も、すべてを包み込んでくれる場所として、今はただ、深く深呼吸をしてみてください。
あなたは、あなたが思っているよりもずっと、優しくて、愛おしい存在なのですから。
誰にも言えない苦しさを抱えて、それでも今日を懸命に生きている自分を、どうか責めないでください。
その繊細さは、あなたを苦しめる刃ではなく、いつか自分自身を癒やすための温かな光に変わる日がきっと来ると、僕は信じています。