表題の言葉を職場で言われたら、迷わず、逃げてください。
「お前のために、期待しているからこそ厳しく言っているんだ」
「お前、他の会社だったら、もう見捨てられているよ」
そんな言葉の刃を「お前のため」という甘いオブラートに包み、毎日しつこく突きつけられる。
それは決して指導などではなく、明らかな精神的攻撃であり、立派なパワーハラスメントです。
もし今、そのような苦しみのなかにいるのなら、どうか逃げてください。
相手はあなたの困った顔や萎縮した態度を見て、歪んだ満足感を得ているに過ぎないからです。
令和の時代になっても、世間の目はまだ冷たいところがあります。
「気合が足りない」「気が弱いからだ」と公言する昭和気質の人は絶えず、守ってくれるはずの労働組合やハラスメント窓口さえも、形骸化していることが珍しくありません。
窓口に専門知識のない職員しかおらず、せっかく訴えたのに突き放され、うつ病への坂道を転がり落ちてしまう被害者は後を絶たないのが現状です。
ただでさえ心が弱り切っているときに、自ら「パワハラ」を立証して戦うなど、到底不可能なことのように思えてしまうでしょう。
だからこそ、私たちは心に硬い防壁を張らなければなりません。パワハラをする側は、あなたを「傷つけよう」「いじめがいがある」とすら思っているかもしれないのです。
相手に悪意があるのなら、こちら側もしっかりと鎧兜をまとい、武器を手にして後退しながら戦うべきです。
そして何より大切なのは、周囲の「加勢」に頼ることです。パワハラに理解を示し、味方になってくれる仲間がいるなら、これほど心強いことはありません。日頃の記録や証言を後ろ盾にしてもらいましょう。
一見すると正当な「注意」に見える発言でも、「毎日1時間、個室で同じ説教をされた」という時間と回数の記録があれば、それは業務の適正範囲を超えた過度な攻撃を示す強力な証拠になります。
その記録を綴る日記やメモには、ちょっとしたコツがあります。言われた事実をただ書き連ねるだけでなく、「今日はこのようなニュースがあった」「今日は〇〇の日だった」といった、世間一般の出来事も併記しておくのです。
その日、その時にしか知り得ない外部の事実が混ざることで、後から改ざんしたものではないという客観性が生まれ、証拠としての信頼性は格段に高まります。
戦い方にも知恵が必要です。第三者や人事に相談する時は、「指導自体はありがたいのですが、その方法や頻度が過度で精神的に参っています」と、あえて「方法の妥当性」に焦点を絞って伝えてみてください。そうすることで、たとえ形骸化した組織であっても、客観的なハラスメント事案として動きやすくなります。
理不尽な「悪」に、あなたの心を壊されてはいけません。
冷徹な記録としなやかな受け流し、そして少しの知恵。それだけが、暗闇から抜け出すための確かな道標となります。
適応障害やうつ病にかかってしまう前に、「助けて」と一言つぶやく勇気を持てたなら、あなたの未来はきっと違う方向へ動き出すはずです。
沙門蒼俊 合掌