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なぜ、法人は「1人以上」になっているのか?

現行、社会保険の加入において、法人は「1人以上」加入要件を満たした者がいれば、強制的に加入が必要になります。この「1人以上」ですが、代表1人でも、取締役1人でも、正社員1人でも、パート1人でも加入要件を満たせば、法人として社会保険に加入しなければいけないって事になります。では、この「1人以上」になった変遷はどういったものかは以下の通りです。①昭和17年6月1日:常時10人以上の労働者を使用する工場・事業場・事業所に限る。②昭和19年10月1日:常時5人以上の事業所に適用拡大。③昭和61年4月1日:5人未満の法人については、昭和64年3月まで段階的に適用拡大されるとされた。④昭和62年4月1日:常時3人又は4人の従業員を使用する法人事業所に適用拡大。⑤昭和63年4月1日:常時1人又は2人の従業員を使用する法人事業所に適用拡大。つまり、昭和63年4月1日以降は、常時1人以上の従業員を使用する法人事業所は、社会保険の加入義務があるということです。今、昭和100年ですから、実に37年前から「1人以上」になっているわけですが、未適用事業所の事業主の反応としては、「え?そんな前から1人以上なの?」というのが割と多かった感じです。適用拡大していった結果が「1人以上」になったわけですが、事業主1人の法人においては、折半負担というよりは全額事業主負担の感覚となるので、あまり加入したくはないというのが正直な感想だとは思います。社会保険は、本人負担分と事業主負担分という折半負担の形式が取られています。一般的には、事業主負担分は法定福利費で費用計上するので、全額事業主負担というのは言い過ぎですが、しか
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新規加入時に遡及したい場合に添付する書類は?

新規加入時に年金事務所に届出をする際に必要な書類は、新規適用届と資格取得届と登記簿謄本の原本(提出日から遡って90日以内に発行されたもの)の3点が原則必要になります。本来は、加入要件を満たした月から加入するのが原則ですが、年金事務所の運用上は、届け出た日が属する月から加入という手続きでも構わない事になっています。加入要件を満たした月から加入することしか許されないと、時効が2年なので、最大2年遡及して加入しなければならなくなり、事業主負担が大きいことから運用上は届け出た日が属する月からの加入でもいいことになっています。例えば、令和7年12月24日に窓口に提出した場合は、加入年月日は12月24日になります。ただ、もう一つの選択肢として、届け出た日が属する月の1日が選択できる事から、12月1日を加入年月日にする事も出来ます。いずれの加入年月日であっても社会保険料としては同じであり、それは社会保険料は月単位であって、日割り計算はしないからです。この場合においては、12月分の社会保険料から発生することになります。ここまでは通常パターンの話ですが、事業主の意向でぜひ遡及して加入したいという場合があります。出し忘れていたので、加入要件を満たした月から加入したいという場合などで、必要書類さえ添付すれば遡及は可能です。必要書類は、役員と従業員では少し異なります。役員の場合は、都道府県により若干違うかもしれませんが、「役員会議事録」を添付する事になります。従業員の場合は、遡及月から直近までの「出勤簿」と「賃金台帳」を添付する事になります。これらの書類を提出して貰う理由は、遡及月から直近まで出勤状態
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70歳と75歳に到達した場合の資格喪失ってどうなの?

みなさんもご存じのように、厚生年金保険の被保険者資格は70歳未満であり、健康保険の被保険者資格は75歳未満になります。厚生年金保険法においては、70歳未満と規定されてますが、健康保険法においては、特段75歳未満とは規定されていなく、恐らく後期高齢者医療制度が75歳以上であることから、必然的に健康保険は75歳未満という話になっていると思います。まず、厚生年金保険ですが、70歳到達時に資格を喪失することになります。70歳到達とは、70歳の誕生日の前日になりますが、誕生日が仮に9月15日であれば、厚生年金保険の被保険者資格喪失日は9月14日になるということです。また、それ以降、厚生年金保険の加入要件を満たす場合には、引き続き70歳以上被用者に該当することになるので、70歳以上被用者該当日は9月14日になります。これは、「喪失日=該当日」という考え方が適用されるわけですね。次に、健康保険ですが、75歳到達時に資格を喪失すると思いきやそうではなく、75歳到達日の翌日に資格喪失することになります。「なぜか?」ですが、後期高齢者医療制度において、資格取得日が誕生日と決まっているからです。よって、「取得日優先」という法則があるので、健康保険の資格喪失日は、後期高齢者医療制度の取得日に引っ張られて75歳到達日の翌日になるというわけです。これにより、75歳を迎えて1日だけ健康保険制度にお世話になるという話になります。社会保険には、こういった「年齢到達」による資格喪失という手続きがありますが、厚生年金保険については70歳到達日時点の標準報酬月額相当額が、70歳到達日の前日における標準報酬月額と異なる
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70歳以上被用者と被保険者の違いは?

社会保険において、「70歳以上被用者」と「被保険者」という言葉はよく出てきますが、どういった違いがあるかは判然としない感じがあります。ただ、漠然と70歳以上は被用者と呼ばれていて、70歳未満は被保険者と呼ばれているなあという認識かと思います。被用者とは、「雇われて働く立場の者」であり、被保険者とは、「保険制度に加入する立場の者」であると言葉上はそう言えると思います。つまり、70歳以上被用者は、雇われて働く立場であるが保険制度に加入する立場ではない者で、被保険者は雇われて働く立場であり保険制度に加入する立場の者、と言えると思います。便宜上、70歳以上の者は被用者、70歳未満の者は被用者でもあるけれど被保険者、と呼んでいるのだと思います。ここで、なぜ70歳以上被用者と社会保険上は呼んでいるのか?厚生年金保険制度においては、加入できるのは70歳未満と法律上は決められています。ですから、大雑把に言えば70歳以上の者は厚生年金保険に加入できないので関係ないと言えますが、「在職老齢年金制度」というのがあって、その為にどうしても70歳以上で厚生年金保険の加入要件を満たす場合には届出をして欲しい事から、「70歳以上被用者」というカテゴリーを設けて、届出をして貰っているというわけです。70歳以上被用者の「報酬額(総報酬月額相当額)」と「年金受給額(基本月額)」の合計額が51万円(令和7年度)を超える場合には、(総報酬月額相当額+基本月額-51万円)÷2で算出された額が、調整額として減額されるというのが、在職老齢年金制度と呼ばれるものになりますので、70歳以上被用者が年金事務所に届出をしてくれない
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一人代表の法人でも社会保険の加入義務はあるの?

法人を設立し、代表しかいない場合はよくある話で、その代表が報酬を得ているのであれば、法人として1人以上加入要件を満たした者がいる事になるので、加入義務はあります。なぜ、法人の代表は使用者側と思われるのに、加入義務があるのか?それは、・・・経営という労務提供をし、その対償として報酬を得ているので、代表は「法人格に使用される側」になるので、被保険者になるということです。これとは反対に、個人事業所の個人事業主は、使用者側に当たることから被保険者にはなり得ませんので、社会保険に加入できないことになります。法人の代表者と何度か話を伺った中でも、「個人事業所から法人成りしただけなので、法人ではあっても個人経営だから社会保険への加入義務はないと思っていた。」と仰る方も多かったですね。感覚的には個人経営だけれども、形式的には法人なので加入要件を満たせば加入義務があるということなんです。代表の場合は、報酬の有無がポイントになるので、報酬ゼロであれば加入要件を満たしません。法人によっては、経営が軌道に乗るまでは報酬ゼロにしています、という代表もいるので、その場合の一人代表の法人は、社会保険加入義務はないということになります。今回は、一人代表の法人についての素朴な疑問についてお話しました。
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2以上勤務者の社会保険料って、どう計算する?

社会保険制度において、複雑にしている一つが「2以上事業所勤務」という概念だと思います。これは、「被保険者が同時に2カ所以上の適用事業所に使用されることとなった場合に、被保険者の届出により、主たる事業所を選択して管轄する年金事務所または保険者等を決定する」というもの。今回は、2以上事業所勤務者の社会保険料の計算方法について説明したいと思います。以下の図を見て頂ければと思います。ポイントは、A社、B社での報酬月額を合算し、合算額で保険料額表から標準報酬月額を割り出し、各保険料率を乗じた上で、報酬月額で比例按分するという事です。A社、B社がいちいちこの計算をしなければならないかと言われれば、そうではありません。「二以上事業所勤務被保険者標準報酬決定書」が各々の会社宛てに通知されるので、そこに記載してある保険料額に基づき給与計算をすることになります。あと、補足ですが、社会保険料というと一般的に報酬の30%と言われる事が多いかと思います。今回の事例でも、30.16%になっていて、内訳として、厚生年金保険料、健康保険料、介護保険料、子ども・子育て拠出金になるということになります。厚生年金保険料の18.3%は上限に達しているので原則変わることはないのですが、健康保険料、介護保険料、子ども・子育て拠出金は見直しが行われれば変更されるという仕組みです。補足の補足として、社会保険料は本人負担と事業主負担の折半負担になっているので、1/2したものが給与から控除されることになりますのでご注意を。今回は近年、2以上事業所勤務者が増えているという話もあり、その社会保険料の計算方法について紹介しました。
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年金事務所から社会保険新規加入の手紙が来る意味は?

年金事務所に約8年勤務し、ずっと「新規加入手続き担当」をしていた経験から色々と新規加入に関する年金事務所事情は知っているつもりです。担当名は、通称「新適担当」又は「未適担当」と呼ばれていました。未適というのは、「未適用事業所」の略です。社会保険の加入要件を満たした法人は、適用事業所になるので、法律上当然に新規加入しなければならないという事になります。ただ、年金事務所側も法人であったとしても、その法人が社会保険の加入要件を満たしているかどうかは直接聴き取り等をしないと分からないので、勝手に新規加入手続きをするわけにもいかないのです。ですから、定期的に、又は不定期に手紙を送るわけです。角2封筒や長3封筒を使って送るわけですが、角2の場合は新適セットと呼ばれるものを封入する場合が多く、長3の場合は調査票と呼ばれるものを封入する場合が多いです。新適セットとは、新規適用届を含めた加入のセットを指します。こういった手紙で接触を図る場合は、呼び出しをかけたり、期限を切って提出を促したり、調査票というアンケートの返信を促したり、を主に行います。もちろん、連絡先の電話番号を把握していれば、電話をして加入勧奨をしたりする場合もあります。要は、加入要件の有無を確認し、加入要件を満たすのであれば、加入義務という観点から新規加入を促すというのが年金事務所がやりたいことです。この加入勧奨が続き、なかなか加入手続きに応じない場合には、最終的には「立入検査」という局面に変わります。概ねで言うと、内容証明書で通知し、指定した日に立ち入りして新規加入手続きをして貰うというもの。ここまで来ると、基本的には拒めない状
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法人設立の際の社会保険手続き②

例えば、”一人社長で奥様が扶養に入る場合”における会社設立時の年金事務所への提出書類には、以下の通りです。①新規適用届・所定労働日数、所定労働時間:パートやアルバイトの社会保険加入要件に大きな影響があるため、将来、後悔することがないように慎重に決定することをおススメします(※正社員の1ヵ月あたりの所定労働日数など、3/4以上の労働実態があれば被保険者となる)。【添付書類】・提出日より90日以内に発行された謄本(履歴事項全部証明書):コピーは不可です・法人番号指定通知書のコピー or 国税庁法人番号公表サイトのスクショ②被保険者資格取得届・(従業員の場合)事業主による被保険者の本人確認が必要 ・個人番号or基礎年金番号の記入必須 ・報酬月額には、通勤手当や残業手当などの各種手当の支給見込み額も含めた控除前の総支給額を記入③被扶養者(異動)届・国民年金第3号被保険者関係届・被扶養者の収入を確認できる書類が必要(除く、所得税法上の控除対象配偶者、扶養親族のケース)④保険料口座振替納付(変更)申出書・ネット銀行は金融機関お届け印の押印不要※法人口座開設手続き完了後に提出(①~③と同時でなくて良い)
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法人設立の際の社会保険手続き①

法人を設立した際に、個人事業主時代にはほとんどの方が必要の無かった年金事務所への手続きが必要となります(【強制適用事業所】:全ての法人組織、法律会計業務を行う士業など)。我が国でも、設立時の縛り(要件)が緩い合同会社が整備されたことにより、一人社長の会社も増加傾向にあります。そんな一人社長の会社も(従業員を雇っていない状態であっても)、年金事務所への手続きは必要です。GビズIDを取得すれば電子手続きも可能ですが、年金事務所の職員さんの指導・添削付きというメリットを考えると、窓口への紙ベースでの提出&訪問もまだまだ捨てたものではございません。※事実、窓口で赤ペン指導を受けるとその場で訂正が効くため、差し戻し&再提出の手間を省くことができます。【被保険者(加入者)】原則:役職や雇用形態、年齢や国籍、報酬額に関係なく、適用事業所に”常時使用される人”は、すべて”被保険者(加入者)”となる。常時使用される(常用的試用関係にある)人・正社員、一部のパート・アルバイト・法人の代表者、役員など※老齢年金を受給している人であっても、常時使用される人は被保険者となる
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