技術士2次試験 初チャレンジ および 実務経験証明書 記載法

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 技術士2次試験にチャレンジするにあたって最低限押さえておくべき前提知識、および受験申込時に提出する実務経験証明書について、記載ノウハウを解説したいと思います。
 技術士2次試験を受験するにあたっては、受験申込書に加えて、実務経験証明書の提出が求められます。
 この実務経験証明書は合格にむけては非常に重要なものです。なぜなら、技術士2次試験の最終関門である口頭試験では、この証明書をもとに質疑応答がされるためです。
 技術士2次試験合格を目指す方々は、最難関の筆記試験に目が行きがちですが、せっかく苦労をして筆記試験に合格したのに、実務経験証明書の記載が適切でなく、口頭試験にて厳しい質問をうけて不合格、筆記試験からやり直し、といったことにならないよう、受験申込時から、口頭試験も見据えた準備をしておくことが重要です。

1.技術士とは何かを理解する

 技術士試験は、技術士法に基づき、技術士という国のお墨付きを得るに相応しい人材を認定する国家資格制度です。
 試験に効率的に合格するためには、まず、どのような人材が求められているかを理解する、ということが大事です。試験で「何を求められているか」を押さえず、ご自身の知識経験を我流でアピールしようとしても、試験官に響かないことが多いので注意が必要です。
 まず技術士とは何か、ですが、技術士法第2条において、科学技術に関する高等の専門的応用能 力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務をおこなう、と定められています。さらに、技術士法は、その業務の適正な履行のために技術士の義務、責務を定めています。代表的なものとしては、技術士等の公益確保の責務(同法45条の2)が挙げられます。
つまり、技術士とは、国家によりお墨付きを与えられた技術コンサルタント、ということになります。
 そのため、技術士試験においては、自分は国家からお墨付きを与えられる技術コンサルタントに相応しいですよ、と試験官に効果的にアピールすることが必要、ということです。

2.技術士の資質能力(コンピテンシー)とは何かを理解する

 国家からお墨付きを与えられる技術コンサルタントに相応しいか否かについて、技術士試験にて何を基準に判断されるのか、についてです。これは、技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)として定義されています。具体的には、専門的学識、問題解決、マネジメント、評価、コミュニケーション、リーダシップ、技術者倫理、継続研さん、の8つの視点です。この8つについて、定義をしっかり押さえて、自身がこの定義に基づく資質十分有していると、試験の中でアピールすることが合格のために必要となります。

コンピテンシー.png

※文部科学省HP内:技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)より

3.資質能力(コンピテンシー)が、試験の中でどのように問われるか理解する。

 技術士2次筆記試験、および口述試験においては、各8つのコンピテンシーを受験者が、国家によりお墨付きを与えられる技術コンサルタントに相ふさわしいレベルで保有しているかが問われます。ただし、各試験において、すべてのコンピテンシーが問われるわけではなく、各々の試験によって評価項目となるコンピテンシーが示されています。以下に、各コンピテンシーと試験の対応表を示します。

図表3-1: 各コンピテンシーと試験の対応表
9_コンピテンシー設問比較.png
※文部科学省HP内:"平成 31 年度技術士第二次試験に関する出題内容等について"、に基づいて作成

ここで、注目していただきたいのは、専門的学識、問題解決については、筆記試験のみで問われ、口述試験においては評価対象になっていない、ということです。口頭試験で評価されるのは、マネジメント、評価、コミュニケーション、リーダシップ、技術者倫理、継続研さんの6項目です。 ただし、これは評価項目になってないだけであって、口頭試験において、専門的学識、問題解決に関する質問もされることがある、と捉えておく必要があります(実際、私も口頭試験にて専門的学識に関する質問もされました)
 また、筆記試験においては、マネジメントとリーダシップについては、選択Ⅱ-2のみしか評価項目になっていないです。したがって、Ⅱ-2の回答においては、(およびそれ以外の設問においても)、これら該当するコンピテンシーが問われていることを念頭に回答をする必要があります。
 たとえば、令和元年 機械部門 機械設計 Ⅱ-2では以下の設問が出題されました。

10_出題例.png

どのようにでも回答できそうな、ある意味で曖昧な問いですが、上述のように問われているコンピテンシーを踏まえて回答する視点を持つことが合格にむけては重要です。つまり、留意・工夫を要する点、関係者の調整方策については、特に、Ⅱ-2 でしか問われていない、マネジメント、リーダシップが問われていることを忘れずに回答することが肝要ということです(および他の設問でも問われている、専門的学識、コミュニケーションも同様に押さえることも必要です)。
 より具体的には、上記の(3)であれば、問われている「関係者との調整方策」について、コンピテンシー:リーダシップにある、「多様な関係者の利害等を調整し取りまとめること」といったあたりを踏まえ、複数の利害関係者を取り上げて、それらの間で相反する利害を、技術コンサルタントとしてどのような工夫をして取りまとめたか、といった視点で回答することが求められていると考えられます。

4.実務経験証明書が、試験の中でどのように使われるか理解する

最後に、実務経歴証明書について説明します。これは、二次試験申込時に提出を求められるものですが、実際に試験の中で使われるのは口述試験時です。口述試験の際、3-4名の試験官が、提出した実務経験証明書を参照して、口述試験にて対象となっている6つのコンピテンシー、マネジメント、評価、コミュニケーション、リーダシップ、技術者倫理、継続研さん、について質疑がなされます。つまり、実務経験証明書は、口頭試験にて該当コンピテンシーの質疑応答をするために提出されるもの、といっても過言ではないのです。
 そのため、実務経験証明書の記載においては、後にコンピテンシーの観点での質疑が行われることを念頭に記載しておくことが大事です。この点を踏まえず、業務内容の詳細にて、取り組み技術の高さだけに終始した記載となっていたことで、口頭試験にて、想定外の質問を受けたり、厳しい質問を受ける、とのことが考えられます。このようなことがないよう先回りした準備、対応が重要です。
 繰り返しですが、技術士は、国家にお墨付きを与えられた技術コンサルタントです。技術コンサルタントであるからには、顧客やパートナー不在で業務が進められているはずがありません。したがって、実務経験証明書の業務履歴や業務内容の詳細では、自身がどのような立場(特に指導的立場)に立って業務を推進したか、を意識して記載しておくことが大事です。
 より具体的には、業務内容の詳細の記載は、例えば、【業務概要】【課題および解決策】【成果】といった項目立てで記載しますが、この【業務概要】を、たとえば業務概要および立場・役割】などとして、自身を取り巻くメンバーやパートナーなどのステークホルダを織り交ぜて記載しておくことが大事ということです。【課題および解決策】【成果】は、技術士として一般技術を適応するだけでは解決できない高度な課題を、自身の着眼点や工夫によって解決した旨をアピールすることも大事ですが、後の口述試験も見据えて、マネジメント、評価、コミュニケーション、リーダシップに関わるキーワードも、可能な限り盛り込んでおくことも有効です(技術者倫理、継続研さんについては
業務履歴によらない比較的一般的な質疑となる場合が多いので、口述試験前に準備をすれば大丈夫です)。
アピールとしては例えば、ですが以下が挙げられると思います。なお、文字数も限られていますのですべてのコンピテンシーに関わる項目を業務内容の詳細盛り込む必要はありません。
・マネジメント観点であれば、人、モノ、カネ、情報などのリソースを計画する立場であり、限られたリソースを最大活用することで目標達成できたこと
・評価観点であれば、担当プロジェクトの振り返り等を実施して、次プロジェクトにその結果を反映することができたこと
・コミュニケーション観点であれば、上司、部下、川上、川下(顧客)のパートナーとのコミュニケーションを工夫して、効率的かつ円滑にプロジェクト推進できたこと
・リーダシップであれば、利害関係者の相反する要求を一段上の視点から調停するなどして、取りまとめることができたこと

 以上のように、受験申込時に提出する実務経験証明書は、技術士試験合格にあたっては非常に重要なものとなります。
 後に問われるコンピテンシーの各項目も踏まえて、フィードバックを得て改善をはかることが、早期合格のためにとても有効です。お手頃価格で添削サービスを公開しておりますので、もしよろしければ活用ください。


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